偏食王子は食用奴隷を師匠にしました

白い靴下の猫

文字の大きさ
上 下
84 / 93

84☆嫉妬計画

しおりを挟む
つっまんないなー。
ユオ本体は、前より食べるから当面死にゃしないだろうし、転移紋はクレーム係さんが消してくれる約束だし、最近の私は本体が暴れても取り押さえられるんじゃないかって位に絶好調だし?

んじゃ何が問題かというと。

サフラがねー。戻んないの。
毎日抱っこで寝てるのに、手だしてこないどころか、目そらすんだよ?

私のほうは、サフラが転移紋システムを見つけてくれたおかげで、クレーム係さんと一緒に法の抜け穴つつけたんだぜって自慢して、少なくともクローンだからって理由で早死にすることはなくなったのを一緒に喜んで、って、楽しみ予定が目白押しだったのに。出鼻くじかれた。

彼の腕にあたまをすりすりしてみと、抱き寄せてはくれる。
頭もなぜて、額にキスしてくれる。でもそれだけ。
うつうつもやもやしちゃって、最悪泣いてたりするもんね。

ビビってるんだと思う。
ユオの体は、傷が多すぎる心にやすやすと引きずられるから。
疲れ果てたユオが、ここに留まらないと決めたら、どうしようって。

そりゃ、転移紋が消えたって、疲れすぎれば死ぬけどさ。
もやもやしててもユオは癒えないっての。リフレッシュって大事じゃない?

って思う端から、ユオが自分の生命力を捨てに行く。
あー、もー。
この癖が治ればなー。もうちょっと強気に出られるんだけど。

焼き孔あったときは、自分の生命力を捨てちゃうのにも意味があったと思う。力の生産や蓄積ができない体にされた後もクレーム係さんの粗品由来で力の供給が続いて年中アンバランスだったから。しかも下手にキャパオーバーの力が溜まって腎臓裏から抜けるときには、大出血とあの氷で内臓を搔きむしられるような最悪の不快感を伴った。

何年もそんなだったから、ユオは生命力が満ちていく感覚であの不快感を反芻する。
そして、生命力が尽きれば死ぬってのに、ちょびっと溜まるたびにパブロフの犬よろしく、せっせと力を捨てに行く。

でも下世話な話、サフラとエッチ三昧だったときは、大丈夫だったの。サフラがぶちまける金色の力なんてもう生命力のコンデンスミルク。満ちていく、なんて過程すっ飛ばして満タン。しかもこぼれようが溺れようが、惜しげもなくぶっ込まれてくるんだから、空っぽのタンクに少しづつ力が満ちていく感覚、なんて無縁で、ユオが生命力を自分で捨てる癖も発動しなかった。

おかげで、止まっていた第二次性徴まですくすく。胸なんてもう生物種変わったんじゃないかってレベルに発達したし、キルヤ様にも美女認定もらった。

それが今や、力のタンクはとほほな空っぽ具合。ごはん沢山食べたくらいで生命力捨てに行ってんじゃないわよ。元気になんないじゃない!

んー、サフラの嫉妬心煽ったら詰まり解消してもやもや消えないかしら。

前はね、サフラの抱き方って波があった。
サフラの心が安定している時には、そりゃぁもう甘々なくせに、ユオがパトロールとかでキルヤ様と居る時間が長くなると嫉妬おばけになって、ユオが泣くまではなれない。

そうなると、ユオはキルヤ様の遮断薬が手放せなくなるから、悪循環なのだけれど、金色の力のぶちまけ量で行けば嫉妬お化けの時がダントツ。それに、サフラが濁流のようにユオになだれ込んでカタルシス状態になるのを見るのは、私の楽しみだったりした。

嫉妬、嫉妬でしょ、嫉妬・・・だめだ、私はサフラびいきだけど、それを封印したって、客観的にユオと釣り合うお相手が想像できない。・・・一人を除いて。

キルヤ様かぁ。
可愛くなさすぎて追っ払っちゃったけど、正直、あの人くらいしか、当て馬にすらならないんだよなぁ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

処理中です...