偏食王子は食用奴隷を師匠にしました

白い靴下の猫

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64☆弟子の癖に

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自分の呼吸音が、耳にうるさい。

「あの、ほんとうに、僕が邪な触れかたして、嫌じゃないですか?」

どうせ、左手のユオが誘惑したのだろうと想像がついたから、私は、サフラが言う邪な?そぶりを見せた時は、積極的に体を寄せていた。

サフラの近づきかたは、野生動物の餌付けかよと突っ込みたくなる程、すこしずつだったけれど、エッチ方面まで漕ぎつければ嫌でも気になる。

私の体と来たら、なんだってこんなに触覚過敏なの?!

数回キスされただけで何の抵抗もできなくなった私は、自分の体の感度に本気で絶望していた。

「も、いっそ、焼孔もう一度開けて鈍くなったほうがつつがなく進むかも・・・」

口に出した自覚もないままに、呟いていて。

「・・・。ひどいこと、言うんですね」

めちゃくちゃ昏い、サフラの声で、我に返る。
あ、まずい、サフラの気分を害した。わたわたわた。

「ご、ごめ。気がそがれた?ただの泣き言だから!気にせず、ずぶってやっちゃって?」

サフラの胸に、頬を付けながらだから、彼の表情は見えないけれど。
ぎゅうってされて、嬉しかった。

それから、サフラが私から離れて、私の脚をグイってひろげた。
うそ、こんなに開かないとだめなの?今からでも、左手かわってくれないかな・・・

それから、広げられた真ん中をめがけて、サフラが、点になって、押してくる。

ぐぐぐ、ぐぃいー

怖いくらいの、圧迫。
叫んでしまいそうになるけれど、そこは目をぎゅっとつぶって、お腹にぐっと力を入れて、我慢。

大丈夫、ダイジョウブ。焼孔じゃないんだから、死にゃしない。
左手に聞くところによると、後遺症もないみたいだし。
少々痛かろうが、損傷しようが、サフラが笑ってくれるなら安いものです。

そう、覚悟を決めたのに。それ以上、怖い圧迫は進んでこなくて。
かわりに、

「ひょっとして、痛い、ですか?」
って。

サフラ、サイコパスに育っちゃったの?
これ、痛くない人、いなくない?!
そんな風に思って、ちょっと非難がましい目で、サフラを見てしまう。

でも、口には何も出さなかったのに。
サフラは、私がそれを口に出したみたいに答える。

「そうじゃなくて。嫌なときも、痛いときも、怖いときも、して欲しい事がある時も、言ってください」

え、それって、萎えない?
と素直に思った私は、色ごとに向いてないのかもしれない。

左手のユオにも馬鹿にされたきがする。
『なってないわー。ユオってば、機微ってもんをわかってない。甲斐性なしめ』って。

サフラがことを進めるつもりがなさそうなので、会話に走ってみる。

「ね、左手のユオと、何の話、したの?変な事、言ってなかった?なんで、そんなにすっきり顔になれたの?ねぇ、ってば」

「左手の、ユオ、と、仲良し、なんですか?」

「それなりに?困った奴ですが、頼れるとこもあるし、長い付き合いだし。そんな事より、なんの話したのかおしえてよぉ」

「こわぁい話、です。ユオを、虐めて虐めて、言いたくない事も全部吐かせちゃおうって相談、していました」

「え、私、虐められるの?!やだ。サフラの不良!」

「じゃぁ、治癒の力、吸ってくれたら、虐めません。どっちがいいですか?」

「どっちもやだ!」

それじゃなくても新品の体は、五感がピカピカなのだ。
正直これ以上、高性能にされたら、コトに至る前に悶絶すると思う。それに、狂気の欠片が、まだ体に残っているもので。アレが、サフラの綺麗な力を食いちぎるのを見たくない。

だから、
つーん

あらぬ方に視線を向けて、サフラが口移しで力を注いで来ようとするのを、プイっと拒絶する。

本当は、金色の力が、肌を伝ってこぼれおちていくなんて、すごく贅沢。もったいないお化けが出るレベルなんだけど、この際やむを得ない。

唇越しの吸収を拒まれたサフラは、私の服をくつろげながら、自分の力を私の体中に塗り広げるみたいにあちこちにキスをした。

「体力増強、とか、成長、とか、進むと思うんですよね。長い間、足りてなかったでしょう?」

それは、言える。
とくに筋組織の力、なんて、前世から落ちっぱなしだったから、飢餓状態だったみたいで。零れ落ちる金色の力をめがけて、皮膚がスパークを飛ばしまくる。

も、勝手に震えるんじゃありません、意地汚い、って思っても聞きゃしない。
左手と言い、筋肉と言い、われながら待てができない体質なのでしょうか。

「ん、や」

金色の力自体は、そりゃ、もう、甘露の実力。温かくて、穏やかで、優しいサフラがいっぱい。
でも、それを求める自分の体が、あさましすぎる。
皮膚を縦横無尽に流れる金色を、ビクビクと小刻みに震える波が追っかけて、それが金のしずくになって落ちるときには捩れるようにして惜しむ。

って、これ、サフラが金色の力を私の上にぶちまけてるせい?

「なんでぇ?」

むずむずとビクビクがサフラを求めて暴れて、サフラが触れる場所が熱をもって、くるしいほどに疼く。

「なんでって、吸ってもらえない力が、体の表面にいっぱい零れちゃっているから?」

「これ、やだぁっ」

触覚過敏、としか言いようがない。服の端がパタパタあたるだけで声が出そう。

「基本、治癒の力だから、体に悪いとか、ないですよ?」

何のなぐさめにもならない解説を垂れながら、

かぷ

サフラが口に含んだのは、さらけ出されたばかりの胸の先で。

「ぴぃっ」

乳首にのせられる金色の力は、腎臓の後ろが、痺れる程の衝撃、でした。

行き止まりなのに、血管が限界まで開いて血が流れ込むような痛みが、ズキンズキンと乳房を襲って、呻いた。

「んん、んんんーっ」

「胸って、骨も関節も無いから、成長痛とかないですよね」

サフラは、胸の先を、それはそれは優しく舌の先でなだめながら、間の抜けたことを聞く。関節なくたって、膨らんだり変形したりするわけで。

「で、でも、痛い、よ」

がんばって主張すると、サフラの舌は、ゆっくり円を書きながら、なだめる範囲を広げていった。
それも金色の力を、たくさん零しながら。

「ぅ、うぅーっ」

痛みが、ほどけて、倦んだ熱に変わり、汗腺が、どっと開いた気がする。

汗を出すのなら、一方通行でいいのに、逆に金の力が浸みこんでいくような感覚と、それに群がる皮膚のスパークに泣きそうだ。

「も、ちょ、本篇にはいろぉ?」

これはもう、さっさとサフラの煩悩に没頭してもらうに限る、と思ったのに。

「あー。師匠は、男性は全員出せば満足で、女性をいかせるのが大好き、って思ってる派なんですね。僕が、年単位このままでもうれしいとか、分からないでしょう?」

ぞぞぞ。
そんなこと言う、10代聞いたことないよ!うちの弟子、変態さんに育った?!

声にだすのは堪えたんだけどな。思ったことは丸ばれだったみたいで。サフラがくすりと笑って答える。

「そうじゃなくて。僕、行かないでって何度も言ったのに。ユオ、聞いてくれないから」

「??ど、どこ行く話よ・・」

「嫁に行く、王都に行く、この世界から・・・逝く。ユオの言ういくは、どれも最悪だったよ?僕、ユオをいかさないためなら、何でもできるし」

「い、意味論?!そうじゃなくて、い、イキタイな、とか」

「『生きたい』って思ってくれるなら、いくらでも協力しますよ?」

師匠の体を強制的に発情状態にしておきながら、やさしく諭さないでくれるかな?!

「力は吸いたくなくて、僕に触れられるのは嫌じゃないのでしょう?じゃ、ずっとこうしていようよ。どこにもいかないで?」

って、怖すぎる!!

「お、怒っているなら、そう言えばいいじゃない!かわいくない!」

「・・・。師匠は、昔から、かわいい、です。あと、怒ってますけど、怒るの、幸せなので、気にしないで」

も、やだ。息が、あがって、しんどい。
クレーム係さんの夢入場券、今からでも追加ゲットできないかしら。生身で受けてたら身が持たない。

「ちぇ、そんなに怒るなら、帰ってこなきゃよかっ・・・」

ぐりん

いい終わる前に、天井がサフラになった。
おまけに、顔が、こわいんですが?

「た、体罰反対・・」
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