偏食王子は食用奴隷を師匠にしました

白い靴下の猫

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59☆抱きつかれながら

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おかしいと、わかってはいる。
こんなんじゃ、嫌われてしまうとも。

病気かと思うほど、頭もからだも、ユオを、求めてやまない。

ユオは、優しい。
僕が好きだと言うと必ず好きだと返して、なにも拒まず、僕を受け入れてくれる。左手の彼女の分と、二人分愛そうとしてくれるみたいに。
もし僕がエッチしたいと言い出したら、二つ返事でどうぞとか言いそうだ。
たとえユオが望んでなくても、平気で笑って、そうしようと言うきがする。

きっと僕に抱かれても、ユオは嬉しくないけれど、今の僕だと、普通にエッチしたほうがよっぽど健全かもしれない。

ユオが僕にしがみついてくれている時以外、不安で不安で、ユオを、試すようなことばかりしてしまうから。
自分の欲が何を欲しているかを意識してしまうと、胃液が上がる。
どこまでも優しかった『彼女』をボロボロにして、苦痛で塗り込めた時を反芻してよろこんでいるのかと。

ユオは、すごくくすぐったがり。
めったに泣かないひとだけれど、くすぐったいとすぐに涙が浮く。

ユオが、触れてくれるのをいいことに。僕は、ユオが嫌がることをしても、ユオが逃げて行かないのを、何度も確かめる。
彼女が、くすぐったい事をされるのが苦手なのを知っているのに、わざと、ベッドの周りに、ファーやフェザーを置いたままにしている。

不安でいっぱいになった僕は、優しい顔をしたユオの言うことが、信じられない。
それに、本当に最低だと思うけれど、涙を浮かべたユオは、とても『彼女』に似ている。

ファーやフェザーで撫でまわして、半泣き顔のユオに何度も何度も僕が好きだと言ってもらう。
ユオがいやがることをして、それでも僕に抱きついてくれるのを確認しないと、息もできない。

泣き顔で僕にしがみついたまま眠るユオをみて、やっと満足する。
でも、その満足と、今度こそユオに嫌われたのではという不安は紙一重で。
不安で、不安で、たまらない。

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