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幼虫三段活用
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イリアは、カチコチと関節をなくしたように、リノの部屋に向かった。
パールからもらった鍵は部屋の鍵ではなくて、リノがベッドにつながれている鎖の鍵だった。
おまけに、ベッドの位置は激しくずれている。引きずったのか、この重いものを。
ひょっとしてめちゃくちゃ抵抗したのかもしれない。
「あー、えっと。ごめんなさい。た、ただいま」
すぐに、鎖を外そうとおもったのだが、リノの剣幕というか、表情が、近づいたら噛みつかれそうだったので、手の触れるところまで近づけずに止まる。
「・・ご、ごめんね。大丈夫だったから。優しい種族で、昔から山民と交流があったみたいで。か、鍵、もらってきたから外したいんだけど。近寄ってもいい、でしょうか?」
リノは早く外せとも言わずに、イリアを睨んでいる。
「何、された」
「ええと、ちょっと、卵うむふりのおままごとみたいな儀式。体外受精の種だから、リノが心配するようなことは何もないから。明日も行かせて」
リノの顔がどす黒い色になる。
そこまで怒らなくてもいいじゃないかとイリアは内心むくれた。
「俺が心配するようなことってなんだよ」
「だから、他の人と寝るとか・・・」
ペドロの場合物理的に無理だけど。
「それ以外は心配じゃないとでも思ってんのかよ!」
リノがベッドを引っ張って動こうとするので、近づこうとしていたイリアが逆に一歩下がる。
「ごめん、怒んないで。頑張ってきたから。意思の疎通、してきたから。協力してほしいの」
「ふざけんな!あいつら皆殺しにしてやる」
「リノ!そういうこと言う?!信じらんない!嫌い!嫌い!リノ嫌い!」
イリアがリノに嫌いと言ったことは、これまでにない。イリアは、自分の言葉に驚いて、口を手で塞いだ。
ど、ど、ど、どうしよう。余計怒る。絶対怒る。
だが、リノはイリアの言葉などほとんど聞いていないように続けた。
「悲鳴が、聞こえたっ」
これにはイリアの方が驚いた。
「・・・うそ」
小音聴き金?
それにしたって、二キロだ。聞こえるはずなどない。
それともあの地底の洞窟は、この海の付近につながっているのだろうか。
「何度も、何度も」
明らかに、イリアにしまったという表情が広がる。
そうだとしたら、それは非常に申し訳がない。
小音聴き金なら、リノ以外にイリアの悲鳴は聞こえない。そんな状況で、リノは動けなくて、ただイリアの悲鳴を聞いていなければならなかったとしたら、リノが切れても仕方ない。
「本当に、ごめん。嫌いは嘘です」
顔が見れない、例えカマかけだったとしても、イリアが悲鳴をあげたことはもうごまかしようもなかった。
だが、リノにしてみれば、悲鳴あげるような出来事を、イリアがリノに隠そうとしただけで十分噴火だ。
「外せ」
リノはひどく凄んだ声でいって、鎖のついた手を伸ばす。
「う、うん」
イリアは鍵を外そうと近寄った。リノの手首には酷く擦れた跡ができていて、どれだけ暴れたかわかる。リノはイリアを想っていてくれた。長い時間、想っていてくれた。
『体は健康。好きにおし』
パールの言葉が頭に響いて、ちょっと、リノの顔が見れないかも、とイリアは思う。
そうかぁ、好きにしていいんだ。い、いやでも、結構恥ずかしいな。理由なく『寝る』とかって。なんというか、心も裸、って感じ?あれ?普通の女の人はそういうもん?それはすごいな。
イリアの手が震える。
こんだけ怒らせといて何考えてるんだと思いつつ、頭に浮かぶのはパールの声。
で、でも、幼虫のほかに、もぐらみたいなのもミミズみたいなのも食べたしな、まだ、麻黄のお酒もぐるぐるしてるし、今日はちょっと、ねぇ。
音を立てて、リノの鎖が床に落ちる。
ビクッ
イリアの体が縮こまった。
掴みかかってくるかとおもったリノはすぐには動かず、自分の両手を握り締めた。
「なぁ、俺、怖いか?」
「へ?」
「手が震えてて、こんな音にビクついて。・・・殴りかかるかもとか思ってる?」
ええ?なんでそんな話?
まったく別方面のリノの心配にイリアが慌てる。
「ぜんぜん!だってリノって基本仲間殴んないでしょ。ひょっとして前のヤツ?あれは私が悪いっていったじゃない。まだ気にしてるっ?!」
「・・すごく気にしてる。またあんなことするぐらいだったらイリアの前から消える」
「やだ、消えないで。た、たぶん殴り返せるから!」
なんで堂々とこんなこと宣言してるんだろう。イリアは自分の言語センスにうんざりする。これではますます色っぱくない。
「じゃ、なんで、こっち見ないんだよ」
リノのかすれた声。
だからそれは幼虫がっ。・・・だめだ、話が三段ぐらい飛んでる、この説明は一挙には無理だとイリアは諦める。
「まだ、怒ってる?」
「・・・無事に帰ってきたんだから、イリアにしかできないことやってきたんだから、おこってない。ちょっと、たまらない気分になっただけだ」
リノの理性が声を押し出す。
「・・う。なんか想われてる気がしてすごく嬉しいかも」
「想ってるよ。多分、イリアが想像できないぐらい強く。・・・何、されたんだ。腕の包帯、どうしたんだよ。おまけにふらついてるだろ」
「腕は別っ。儀式は、ちょこっとくすぐったかったから叫んじゃっただけで、先方にはえらく気遣われたしっ。ふらついてるのはお酒で。あとは全然おとぎ話のままだった。平気」
リノは二回ほど大きく息をした。だが、落ち着くにはいたらなかったようだ。
「あんな悲鳴上げるほどだったのに?」
イリアを横に座らせるようにベッドに腰掛けて、リノがイリアの首筋に舌を這わせる。イリアがくすぐったがるのをわかっていてわざとだ。
「ぴい」
イリアの口からは押し殺しそこねた変な悲鳴がでる。
「ちゃんと言わないと、再現すっぞ。・・もっと、ひどかったよな」
まずい。さっきほど怒ってはいない気がするけれども、完全にムキになってる?
「ま、まった!しゃべるしゃべる全部!どうせ、釣り針の話もしたいしっ!釣り針と水入のあの根っこ、交換してもらえるかもしれないから、明日持っていきたくてっ。何時間でもしゃべれる!」
イリアは、喋りながらベッドから立ち上がって逃げ出そうとした。
もう、言ってることとやってることがバラバラだ。
リノが逃げよとしたイリアを掴む。
「それは後で聞く。もう、会えないかと思ったんだぞ。心配で狂うかと思った。離せねーよ・・・逃げたら怒るからな」
リノは、イリアを後ろから抱きしめるようにして、くすぐったいだけではないところまで唇を置いた。
「ぴゃぁ。待って!腕!腕の話からはいっていいっ?!」
イリアは大急ぎで、パールに見てもらった話をした。
「・・・」
「だからっ。いくらでも触ってくれていいんだけど!でも、一緒に喜びたいな、とかっ。だから、リノの表情が見れないのは辛いんですけどっ。もしもしっ」
はーなーせー。
そんな感じで暴れるイリアを、リノは後ろから抱きしめたままはなさなかった。
リノは自分の顔が赤いのをわかっていた。とてもじゃないが離せない。
イリアの方が先に諦めた。
「あ、ダメだ。暴れすぎた。麻黄のお酒が抜けてない~」
くてっ。
「麻黄~?それは酔うっていうよりラリるって言うぞ。どういうおとぎ話なんだよ全く」
リノが説教している間にイリアの力が抜け、同時に語尾が定まらなくなる。
「も、リノのことばっかり考えて、頭が花畑でも、私にしか出来ない事があったんだよ。おめでたいんだよ。離してよお。ほめてよお」
くてっ。くてっ。
リノに動かされるまま、イリアの体が左右に揺れ、手を離した途端ベッドにうつ伏せに倒れた。
「こんなになりやがってからに。とてもほめられないだろ」
「だけどぉ。アミュが死んだのが私のせいでも・・」
「イリアのせいのはずがないのっ!」
本当にそんなこと考えてんのか、こいつは。
リノは、ベッドにうつ伏せに倒れたイリアの項や背中に、キスの雨を降らせた。
「わふっ。でもっ。リノのそばにいると、リノで頭がいっぱいになるのっ。抵抗するの大変だけど、でも、行けたもん。リノでいっぱいでも、できることしたの!明日も行く。行ってぜったい魚釣ってやるっ」
「なんで抵抗するのそんなに嬉しそうなんだよ。こっちの身にもなれ」
リノが少しばかり凄んだ声を出しても、もうイリアの力はすっかり抜けていて、ふわふわとしゃべる。
「だって。ちゃんと出来たら、私がリノでいっぱいになることを、アミュも神様もきっと許してくれる。そんでパールが体治ってるって。リノ、『寝』ようか。きゃぁ。さそっちゃったぁ」
「・・・酔っ払い」
リノがイリアの髪の先を握り締めるが、イリアは、もう目を開けない。
「ふふ。今『寝た』ら、シュップもアミュも出てこない気がする。きっと、幼虫とかモグラだぁ。薄い塩味で~。それもいいかぁ」
なんだそれは。っていうか、前は出てきてたのかよ、シュップとかアミュが。
「わかった。そのまま寝落ちしろ。そういう心配は今度でいい」
「ん。好きだよ、リノ」
残念ながらそう言ってもらったのは、抱きしめられた枕だったけれども。
リノは眠ってしまったイリアの横で、顔を覆って長いこと動かなかった。
パールからもらった鍵は部屋の鍵ではなくて、リノがベッドにつながれている鎖の鍵だった。
おまけに、ベッドの位置は激しくずれている。引きずったのか、この重いものを。
ひょっとしてめちゃくちゃ抵抗したのかもしれない。
「あー、えっと。ごめんなさい。た、ただいま」
すぐに、鎖を外そうとおもったのだが、リノの剣幕というか、表情が、近づいたら噛みつかれそうだったので、手の触れるところまで近づけずに止まる。
「・・ご、ごめんね。大丈夫だったから。優しい種族で、昔から山民と交流があったみたいで。か、鍵、もらってきたから外したいんだけど。近寄ってもいい、でしょうか?」
リノは早く外せとも言わずに、イリアを睨んでいる。
「何、された」
「ええと、ちょっと、卵うむふりのおままごとみたいな儀式。体外受精の種だから、リノが心配するようなことは何もないから。明日も行かせて」
リノの顔がどす黒い色になる。
そこまで怒らなくてもいいじゃないかとイリアは内心むくれた。
「俺が心配するようなことってなんだよ」
「だから、他の人と寝るとか・・・」
ペドロの場合物理的に無理だけど。
「それ以外は心配じゃないとでも思ってんのかよ!」
リノがベッドを引っ張って動こうとするので、近づこうとしていたイリアが逆に一歩下がる。
「ごめん、怒んないで。頑張ってきたから。意思の疎通、してきたから。協力してほしいの」
「ふざけんな!あいつら皆殺しにしてやる」
「リノ!そういうこと言う?!信じらんない!嫌い!嫌い!リノ嫌い!」
イリアがリノに嫌いと言ったことは、これまでにない。イリアは、自分の言葉に驚いて、口を手で塞いだ。
ど、ど、ど、どうしよう。余計怒る。絶対怒る。
だが、リノはイリアの言葉などほとんど聞いていないように続けた。
「悲鳴が、聞こえたっ」
これにはイリアの方が驚いた。
「・・・うそ」
小音聴き金?
それにしたって、二キロだ。聞こえるはずなどない。
それともあの地底の洞窟は、この海の付近につながっているのだろうか。
「何度も、何度も」
明らかに、イリアにしまったという表情が広がる。
そうだとしたら、それは非常に申し訳がない。
小音聴き金なら、リノ以外にイリアの悲鳴は聞こえない。そんな状況で、リノは動けなくて、ただイリアの悲鳴を聞いていなければならなかったとしたら、リノが切れても仕方ない。
「本当に、ごめん。嫌いは嘘です」
顔が見れない、例えカマかけだったとしても、イリアが悲鳴をあげたことはもうごまかしようもなかった。
だが、リノにしてみれば、悲鳴あげるような出来事を、イリアがリノに隠そうとしただけで十分噴火だ。
「外せ」
リノはひどく凄んだ声でいって、鎖のついた手を伸ばす。
「う、うん」
イリアは鍵を外そうと近寄った。リノの手首には酷く擦れた跡ができていて、どれだけ暴れたかわかる。リノはイリアを想っていてくれた。長い時間、想っていてくれた。
『体は健康。好きにおし』
パールの言葉が頭に響いて、ちょっと、リノの顔が見れないかも、とイリアは思う。
そうかぁ、好きにしていいんだ。い、いやでも、結構恥ずかしいな。理由なく『寝る』とかって。なんというか、心も裸、って感じ?あれ?普通の女の人はそういうもん?それはすごいな。
イリアの手が震える。
こんだけ怒らせといて何考えてるんだと思いつつ、頭に浮かぶのはパールの声。
で、でも、幼虫のほかに、もぐらみたいなのもミミズみたいなのも食べたしな、まだ、麻黄のお酒もぐるぐるしてるし、今日はちょっと、ねぇ。
音を立てて、リノの鎖が床に落ちる。
ビクッ
イリアの体が縮こまった。
掴みかかってくるかとおもったリノはすぐには動かず、自分の両手を握り締めた。
「なぁ、俺、怖いか?」
「へ?」
「手が震えてて、こんな音にビクついて。・・・殴りかかるかもとか思ってる?」
ええ?なんでそんな話?
まったく別方面のリノの心配にイリアが慌てる。
「ぜんぜん!だってリノって基本仲間殴んないでしょ。ひょっとして前のヤツ?あれは私が悪いっていったじゃない。まだ気にしてるっ?!」
「・・すごく気にしてる。またあんなことするぐらいだったらイリアの前から消える」
「やだ、消えないで。た、たぶん殴り返せるから!」
なんで堂々とこんなこと宣言してるんだろう。イリアは自分の言語センスにうんざりする。これではますます色っぱくない。
「じゃ、なんで、こっち見ないんだよ」
リノのかすれた声。
だからそれは幼虫がっ。・・・だめだ、話が三段ぐらい飛んでる、この説明は一挙には無理だとイリアは諦める。
「まだ、怒ってる?」
「・・・無事に帰ってきたんだから、イリアにしかできないことやってきたんだから、おこってない。ちょっと、たまらない気分になっただけだ」
リノの理性が声を押し出す。
「・・う。なんか想われてる気がしてすごく嬉しいかも」
「想ってるよ。多分、イリアが想像できないぐらい強く。・・・何、されたんだ。腕の包帯、どうしたんだよ。おまけにふらついてるだろ」
「腕は別っ。儀式は、ちょこっとくすぐったかったから叫んじゃっただけで、先方にはえらく気遣われたしっ。ふらついてるのはお酒で。あとは全然おとぎ話のままだった。平気」
リノは二回ほど大きく息をした。だが、落ち着くにはいたらなかったようだ。
「あんな悲鳴上げるほどだったのに?」
イリアを横に座らせるようにベッドに腰掛けて、リノがイリアの首筋に舌を這わせる。イリアがくすぐったがるのをわかっていてわざとだ。
「ぴい」
イリアの口からは押し殺しそこねた変な悲鳴がでる。
「ちゃんと言わないと、再現すっぞ。・・もっと、ひどかったよな」
まずい。さっきほど怒ってはいない気がするけれども、完全にムキになってる?
「ま、まった!しゃべるしゃべる全部!どうせ、釣り針の話もしたいしっ!釣り針と水入のあの根っこ、交換してもらえるかもしれないから、明日持っていきたくてっ。何時間でもしゃべれる!」
イリアは、喋りながらベッドから立ち上がって逃げ出そうとした。
もう、言ってることとやってることがバラバラだ。
リノが逃げよとしたイリアを掴む。
「それは後で聞く。もう、会えないかと思ったんだぞ。心配で狂うかと思った。離せねーよ・・・逃げたら怒るからな」
リノは、イリアを後ろから抱きしめるようにして、くすぐったいだけではないところまで唇を置いた。
「ぴゃぁ。待って!腕!腕の話からはいっていいっ?!」
イリアは大急ぎで、パールに見てもらった話をした。
「・・・」
「だからっ。いくらでも触ってくれていいんだけど!でも、一緒に喜びたいな、とかっ。だから、リノの表情が見れないのは辛いんですけどっ。もしもしっ」
はーなーせー。
そんな感じで暴れるイリアを、リノは後ろから抱きしめたままはなさなかった。
リノは自分の顔が赤いのをわかっていた。とてもじゃないが離せない。
イリアの方が先に諦めた。
「あ、ダメだ。暴れすぎた。麻黄のお酒が抜けてない~」
くてっ。
「麻黄~?それは酔うっていうよりラリるって言うぞ。どういうおとぎ話なんだよ全く」
リノが説教している間にイリアの力が抜け、同時に語尾が定まらなくなる。
「も、リノのことばっかり考えて、頭が花畑でも、私にしか出来ない事があったんだよ。おめでたいんだよ。離してよお。ほめてよお」
くてっ。くてっ。
リノに動かされるまま、イリアの体が左右に揺れ、手を離した途端ベッドにうつ伏せに倒れた。
「こんなになりやがってからに。とてもほめられないだろ」
「だけどぉ。アミュが死んだのが私のせいでも・・」
「イリアのせいのはずがないのっ!」
本当にそんなこと考えてんのか、こいつは。
リノは、ベッドにうつ伏せに倒れたイリアの項や背中に、キスの雨を降らせた。
「わふっ。でもっ。リノのそばにいると、リノで頭がいっぱいになるのっ。抵抗するの大変だけど、でも、行けたもん。リノでいっぱいでも、できることしたの!明日も行く。行ってぜったい魚釣ってやるっ」
「なんで抵抗するのそんなに嬉しそうなんだよ。こっちの身にもなれ」
リノが少しばかり凄んだ声を出しても、もうイリアの力はすっかり抜けていて、ふわふわとしゃべる。
「だって。ちゃんと出来たら、私がリノでいっぱいになることを、アミュも神様もきっと許してくれる。そんでパールが体治ってるって。リノ、『寝』ようか。きゃぁ。さそっちゃったぁ」
「・・・酔っ払い」
リノがイリアの髪の先を握り締めるが、イリアは、もう目を開けない。
「ふふ。今『寝た』ら、シュップもアミュも出てこない気がする。きっと、幼虫とかモグラだぁ。薄い塩味で~。それもいいかぁ」
なんだそれは。っていうか、前は出てきてたのかよ、シュップとかアミュが。
「わかった。そのまま寝落ちしろ。そういう心配は今度でいい」
「ん。好きだよ、リノ」
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