コンドームは破れない

3

「ねえ、生でもいいよ？　」



　なんて言われて警戒しない男はいない。
　だからいつも通りにコンドームをつけてセックスをするが、
　それにしてもどれだけ俺の事が好きなんだと思ったのも確かで、
　こいつなら大丈夫なんじゃないかという思いがよぎる。
　
　
　
　でもまだ遊びたかったから止めておく、
　俺はもっと女とセックスがしたかったのだ。
　
　
　
「お前、そろそろ卒業したらいいんじゃね？　」



　そんな事をメンバーに言われ寝耳に水だった俺は
　何かの冗談だとばかり思っていたが、もう既に話はついている事柄だった。
　
　
　
「もう十分いい思いはしただろ？　
　これ以上はさすがに分不相応だとは思わないのか？　」



「所詮は引き立て役なのに調子に乗り過ぎなんだよ。
　誰もお前が辞める事に反対しなかった意味わかるよね？　」



「みんなどうしたんだよ急に？　何だよこれ？　ドッキリとかか？　」



「どうでもいいからさっさと消えろ。目障りなんだよ糞野郎が！　」



「それぐらいにしておきなさい。
　みんな仕事があるでしょ、ほら行った行った」



　そんな言葉を浴びせられても俺はまだ理解できず、
　ただただマネージャーの説明を聞き流していた。
　どうやら俺のゴールデンタイムは終わったという事は理解した。
　
　
　
　いろんな事を言われた気がするが内容なんて頭には入ってこない。
　退職金なのか口止め料なのかは貰えるようだが、大した金額はなかった。
　でも貰えるだけましなのだと言われてサインした。
　
　
　
「これからは自分で責任を取らないといけないんだからちゃんとしなさいよ」



　マネージャーの最後の言葉が頭に残った。
　
　
　
　そんな夜だから女を呼んだ。
　
　
　
「ゴムは？　」



　もう好き勝手には出来ないのだと思ったら吹っ切れた。
　
　
　
「ないよ」



「そう」



　女はいつもの様に慣れた口捌きでつけられたコンドームは不思議な感覚だった。
　今までは何とも思っていなかったが、やはりあれは特別だったのだろう。
　だから思っていたよりもよく出た。
　
　ドピュ―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
　
　久しぶりの解放感の所為か自然と言葉は出て来た。
　
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「結婚しよう」

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　自分でもどうしてそんな言葉が出たのかわからない。
　
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　そして女はとても不思議な顔をしていた。
　
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　－－－－－－－－－－－－－－－アレ、止まんねえな－－－－－－－－－－－
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　－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－あ、終わった。