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第4章 修道院
1 招待状
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ルイーズが、侍女科に移り半年以上が経過した。夏らしい雰囲気が漂う中、女学院の生徒たちは長期休暇を楽しみに、やる気を取り戻す時期だ。教室を見渡せば、笑顔と活気に満ち溢れている。
午前の授業が終わり、一息ついたルイーズは、教室の窓の方へと歩み寄った。窓から見える青空と、緑豊かに茂った木々たちを見て気分転換しているようだ。
その時、エリーがルイーズに声を掛けてきた。
「ルイーズ、今、良いかしら」
「どうしたの? 何かあったの?」
表情の硬いエリーを見て、何か困ったことが起きたのかと心配するルイーズ。
「実は今、上級生から手紙を渡されたの。宛名が私とルイーズで、差出人が生徒会三人の連名になっているのよ」
「何かしら……。取り敢えず、封を開けてみましょう」
「そうね、でも姉からは何も聞いていないし……。本当に何かしら」
姉のエマから、手紙のことなど聞いていないらしいエリーは不安そうだ。その横では、開けてみないと分からないとばかりに、ルイーズが急いで封を開ける。封筒の中身を取り出すと、中には花の絵が描かれた上品なカードが入っていた。二人が恐る恐るカードを開くと、〈招待状〉という文字が目に入った。顔を見合わせ不思議そうな顔をするルイーズとエリー。
「どういう事かしら。ねえ、エリー……、日時が今日の放課後だわ」
「本当ね。日時が今日って……。招待というよりも呼び出しよね」
「放課後、遅れないように行きましょう」
「そうね、諦めが肝心ね」
手紙を貰ったばかりの二人、しかも呼び出しの日付が今日とは、どうやら逃げ道は用意されていない。ここは、受け入れて従うのが賢明なようだ。
授業の後、クラスミーティングを終えた二人は生徒会室に向かっていた。先ほどまでは緊張した表情を浮かべていた二人だが、久しぶりに訪れた淑女科の教室を見て、懐かしくなったようだ。淑女科を離れてからまだ一年も経ってはいないが、侍女科に移ってからの半年を、無我夢中で過ごしてきた二人には安心できる場所なのだろう。しかし、廊下でのおしゃべりが禁止のため、二人は無言の会話を楽しみながら歩いて行く。階段を昇り、二階の一番奥の部屋にある生徒会室に着いたようだ。
ドアをノックしてから、名乗る二人。
「失礼いたします。侍女科のエリー・シャロンです」
「同じく侍女科のルイーズ・ブランです」
「どうぞ、入って」
部屋の中からは、エリザベスの返事が聞こえてきた。
ドアを開けて部屋に入ると、レアがソファーから立ち上がり、二人に声を掛けてきた。
「急に呼び出して申し訳ない。こちらに座ってくれ」
勧められたソファーに二人並んで腰かけると、エリザベスが紅茶を出してくれた。
「今日は急にごめんなさいね。二人とどうしてもお話がしたくてお呼びしたの」
「大丈夫です。お気になさらないでください」
「それで、ご用件は?」
素の状態で答えるルイーズと、どこか懐疑的な態度のエリーに微苦笑を浮かべるエリザベス。斜め向かいのソファーに座り、その様子を見ていたエマが口を開いた。
「ルーちゃん、エリー 今日は急に呼び出すようなことをしてごめんなさい。二人にどうしても話したいことがあって来てもらったの。いいわね、リザ。私が話すわよ」
「ええ、お願いするわ」
いつになく真剣な表情のエマを見た二人は、これから話す内容が重要なことなのかとエマが話始めるのを緊張した面持ちで待っていた。
午前の授業が終わり、一息ついたルイーズは、教室の窓の方へと歩み寄った。窓から見える青空と、緑豊かに茂った木々たちを見て気分転換しているようだ。
その時、エリーがルイーズに声を掛けてきた。
「ルイーズ、今、良いかしら」
「どうしたの? 何かあったの?」
表情の硬いエリーを見て、何か困ったことが起きたのかと心配するルイーズ。
「実は今、上級生から手紙を渡されたの。宛名が私とルイーズで、差出人が生徒会三人の連名になっているのよ」
「何かしら……。取り敢えず、封を開けてみましょう」
「そうね、でも姉からは何も聞いていないし……。本当に何かしら」
姉のエマから、手紙のことなど聞いていないらしいエリーは不安そうだ。その横では、開けてみないと分からないとばかりに、ルイーズが急いで封を開ける。封筒の中身を取り出すと、中には花の絵が描かれた上品なカードが入っていた。二人が恐る恐るカードを開くと、〈招待状〉という文字が目に入った。顔を見合わせ不思議そうな顔をするルイーズとエリー。
「どういう事かしら。ねえ、エリー……、日時が今日の放課後だわ」
「本当ね。日時が今日って……。招待というよりも呼び出しよね」
「放課後、遅れないように行きましょう」
「そうね、諦めが肝心ね」
手紙を貰ったばかりの二人、しかも呼び出しの日付が今日とは、どうやら逃げ道は用意されていない。ここは、受け入れて従うのが賢明なようだ。
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ドアをノックしてから、名乗る二人。
「失礼いたします。侍女科のエリー・シャロンです」
「同じく侍女科のルイーズ・ブランです」
「どうぞ、入って」
部屋の中からは、エリザベスの返事が聞こえてきた。
ドアを開けて部屋に入ると、レアがソファーから立ち上がり、二人に声を掛けてきた。
「急に呼び出して申し訳ない。こちらに座ってくれ」
勧められたソファーに二人並んで腰かけると、エリザベスが紅茶を出してくれた。
「今日は急にごめんなさいね。二人とどうしてもお話がしたくてお呼びしたの」
「大丈夫です。お気になさらないでください」
「それで、ご用件は?」
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「ルーちゃん、エリー 今日は急に呼び出すようなことをしてごめんなさい。二人にどうしても話したいことがあって来てもらったの。いいわね、リザ。私が話すわよ」
「ええ、お願いするわ」
いつになく真剣な表情のエマを見た二人は、これから話す内容が重要なことなのかとエマが話始めるのを緊張した面持ちで待っていた。
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