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第30話『――100年前』
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――土下座しろ。
そう言ってリョウは笑った。
「奴隷になるってのはつまり、そういうことだろォ? 上から目線でモノを語ってんじゃねェよ」
身体だけでなく、心から服従させる。
それこそがリョウの目的だろう。
エリィの父は、悔しさと怒りでだろう身体が震えていた。
だが彼は、どこまでも英雄気質だった。
その1本ずつしかない手足をもがくように動かした。
そして、なんとか正座の体裁を保ち……。
「どうか、お願いします。その子を助けてください」
エリィの父が頭を下げた。
そんなどこまでもみじめな姿を見て、リョウは抑え切れないといった風に笑った。
「くはッ、くははははははァ! ……あァ、なるほどなァ」
それからまるですべてを理解したみたいに声を漏らした。
そして、断言した。
「コレ……ただのテメェの知り合い、じゃあねェな」
エリィの父の肩がピクリと震えた。
図星の人間がする反応であることは、ボクにでもわかった。
「どうしてそこまでコレに必死なんだァ? コレはいったいお前のなんだァ? 答えてみろよ」
「ッ……」
エリィの父は言葉に詰まっていた。
「へェ~、言えねェってかァ?」
リョウはニヤリと笑みを深めた。
視線はエリィの父に向けたままに、手をエレナの身体に這わせる。
乳房をイヤラシく揉みしだく。
乳首を扱《しご》き、思い切りその先端を摘み、捻り上げる。
もう片方の手は、ぐちゃぐちゃのアソコ――潰れて歪み、靴跡がくっきりつき、血と精液と泥にまみれ、もはや性器と呼んでいいのかもわからぬそこへと伸びていた。
「わ、わかったっ! わかったから! 頼むから、止めてくれぇ」
エリィの父がすがるかのように言う。
あまりにも情けのない姿だった。
「……」
エリィは目を見開いて、そんな自身の父の姿を見ていた。
悪態をつきながらも、彼女がどれだけ父を慕っていたかは伝わってきていた。
そんな父が今は、あれだけ惨めに堕ちている。
彼女の目からは止めどなく涙が流れ、そして憎悪に染まっていた。
「んで、こいつァお前のなんなんだァ?」
エリィの父は小さな声で答えた。
「……僕の、姪だ」
「ははァん? だが、まだ弱ェ。テメェ、ほかにもなにかを隠してやがるだろォ?」
「っ……」
「くははッ! この後に及んでまだ話せねェようなコトかァ? だったら仕方ねェなァ」
リョウは無慈悲に、エレナへの暴行を再開した。
すでにぐちゃぐちゃの下腹部へと手を伸ばし、そこへさらに拳を叩き込んだ。
「ぁががががががっ!?」
エレナが痙攣し、泡を吹いた。
下腹部からはピューピューと、血と尿が吹き出してる。
エリィの父は、最初の気迫はどこへ行ったのやら。
情けない声で叫んだ。
「言う、言うからっ! やめてくれ! その子は僕の……」
「――”娘”なんだ!」
姪で、しかも娘?
それって、つまり……。
ボクはハッとして視線をエリィへと向けた。
彼女の顔から表情が抜け落ちていた。
「くは、くはは、くはははははァっ! おいおいおい! そりゃ本当なのかァ!? だとしたら、とんだ笑い話もあったもんだ! オレは寡聞にして、エルフに近親相姦なんていう風習があるとは知らなかったなァ!?」
リョウが大声を挙げて笑った。
エリィの父はなにも言い返せない。
「それで、お前のお相手はってェのはどいつだァ? そこで身体中に開けた穴に精液注ぎ込まれてるやつかァ? それとも、あっちで直径30センチの丸太を突っ込まれて膣穴と尻穴を拡張されてるやつかァ? あるいは、あそこで永遠と砂を胃袋へと詰めさせられてるやつかァ? ほら言ってみろ、どいつなんだァ?」
その質問にエリィの父は、小さく首を横へ振った。
「”エルフェイ”はすでに死んでいる」
「はんっ、なんだよつまらねェな。って、んあァ? エルフェイ? どっかで聞いたことがあるような」
エルフェイだって!?
思わず口に出しそうになった。
ボクはその名前を知っていた。
エルフェイは、ゲーム時代に存在したイベントキャラなのだ。
エルフ族でもトップクラスの能力を持つ女性。
緑の鎧を纏い戦場を駆け、強力な自己回復魔法をほぼ無制限に使い続け戦う……。
『不死身』の異名を持つ騎士だった。
その不死身が、死んだ?
(ありえない)
いったいだれが、どうやって殺したというのか。
プレイヤーキャラクターであろうとも困難だというのに。
それにいったいいつ?
そんな疑問に答えるように、新人が声を上げた。
「え!? ちょ、エルフェイって100年前……まだ人間族が虐げられてた時代、亜人たちに英雄って呼ばれてたヤツじゃないッスか!?」
――100年前、だって!?
だが、そうだとすると納得がいく。
たしかに違和感はあったのだ。
仮に現実とゲームのルールが融合したからといって、ボクの知らないマジックやスキルがすぐさま生まれて浸透するものなのだろうか、と。
それに、あの強力な魔銃だって……。
「こんなのもはや、おとぎ話のレベルッスよ。人間族が技術を発展させはじめたころから姿を消して、どっかで隠遁することにしたとか、死んだとかって話ッスけど」
そういうことだったのか。
どうやらボクは大きな勘違いをしていたらしい……。
そう言ってリョウは笑った。
「奴隷になるってのはつまり、そういうことだろォ? 上から目線でモノを語ってんじゃねェよ」
身体だけでなく、心から服従させる。
それこそがリョウの目的だろう。
エリィの父は、悔しさと怒りでだろう身体が震えていた。
だが彼は、どこまでも英雄気質だった。
その1本ずつしかない手足をもがくように動かした。
そして、なんとか正座の体裁を保ち……。
「どうか、お願いします。その子を助けてください」
エリィの父が頭を下げた。
そんなどこまでもみじめな姿を見て、リョウは抑え切れないといった風に笑った。
「くはッ、くははははははァ! ……あァ、なるほどなァ」
それからまるですべてを理解したみたいに声を漏らした。
そして、断言した。
「コレ……ただのテメェの知り合い、じゃあねェな」
エリィの父の肩がピクリと震えた。
図星の人間がする反応であることは、ボクにでもわかった。
「どうしてそこまでコレに必死なんだァ? コレはいったいお前のなんだァ? 答えてみろよ」
「ッ……」
エリィの父は言葉に詰まっていた。
「へェ~、言えねェってかァ?」
リョウはニヤリと笑みを深めた。
視線はエリィの父に向けたままに、手をエレナの身体に這わせる。
乳房をイヤラシく揉みしだく。
乳首を扱《しご》き、思い切りその先端を摘み、捻り上げる。
もう片方の手は、ぐちゃぐちゃのアソコ――潰れて歪み、靴跡がくっきりつき、血と精液と泥にまみれ、もはや性器と呼んでいいのかもわからぬそこへと伸びていた。
「わ、わかったっ! わかったから! 頼むから、止めてくれぇ」
エリィの父がすがるかのように言う。
あまりにも情けのない姿だった。
「……」
エリィは目を見開いて、そんな自身の父の姿を見ていた。
悪態をつきながらも、彼女がどれだけ父を慕っていたかは伝わってきていた。
そんな父が今は、あれだけ惨めに堕ちている。
彼女の目からは止めどなく涙が流れ、そして憎悪に染まっていた。
「んで、こいつァお前のなんなんだァ?」
エリィの父は小さな声で答えた。
「……僕の、姪だ」
「ははァん? だが、まだ弱ェ。テメェ、ほかにもなにかを隠してやがるだろォ?」
「っ……」
「くははッ! この後に及んでまだ話せねェようなコトかァ? だったら仕方ねェなァ」
リョウは無慈悲に、エレナへの暴行を再開した。
すでにぐちゃぐちゃの下腹部へと手を伸ばし、そこへさらに拳を叩き込んだ。
「ぁががががががっ!?」
エレナが痙攣し、泡を吹いた。
下腹部からはピューピューと、血と尿が吹き出してる。
エリィの父は、最初の気迫はどこへ行ったのやら。
情けない声で叫んだ。
「言う、言うからっ! やめてくれ! その子は僕の……」
「――”娘”なんだ!」
姪で、しかも娘?
それって、つまり……。
ボクはハッとして視線をエリィへと向けた。
彼女の顔から表情が抜け落ちていた。
「くは、くはは、くはははははァっ! おいおいおい! そりゃ本当なのかァ!? だとしたら、とんだ笑い話もあったもんだ! オレは寡聞にして、エルフに近親相姦なんていう風習があるとは知らなかったなァ!?」
リョウが大声を挙げて笑った。
エリィの父はなにも言い返せない。
「それで、お前のお相手はってェのはどいつだァ? そこで身体中に開けた穴に精液注ぎ込まれてるやつかァ? それとも、あっちで直径30センチの丸太を突っ込まれて膣穴と尻穴を拡張されてるやつかァ? あるいは、あそこで永遠と砂を胃袋へと詰めさせられてるやつかァ? ほら言ってみろ、どいつなんだァ?」
その質問にエリィの父は、小さく首を横へ振った。
「”エルフェイ”はすでに死んでいる」
「はんっ、なんだよつまらねェな。って、んあァ? エルフェイ? どっかで聞いたことがあるような」
エルフェイだって!?
思わず口に出しそうになった。
ボクはその名前を知っていた。
エルフェイは、ゲーム時代に存在したイベントキャラなのだ。
エルフ族でもトップクラスの能力を持つ女性。
緑の鎧を纏い戦場を駆け、強力な自己回復魔法をほぼ無制限に使い続け戦う……。
『不死身』の異名を持つ騎士だった。
その不死身が、死んだ?
(ありえない)
いったいだれが、どうやって殺したというのか。
プレイヤーキャラクターであろうとも困難だというのに。
それにいったいいつ?
そんな疑問に答えるように、新人が声を上げた。
「え!? ちょ、エルフェイって100年前……まだ人間族が虐げられてた時代、亜人たちに英雄って呼ばれてたヤツじゃないッスか!?」
――100年前、だって!?
だが、そうだとすると納得がいく。
たしかに違和感はあったのだ。
仮に現実とゲームのルールが融合したからといって、ボクの知らないマジックやスキルがすぐさま生まれて浸透するものなのだろうか、と。
それに、あの強力な魔銃だって……。
「こんなのもはや、おとぎ話のレベルッスよ。人間族が技術を発展させはじめたころから姿を消して、どっかで隠遁することにしたとか、死んだとかって話ッスけど」
そういうことだったのか。
どうやらボクは大きな勘違いをしていたらしい……。
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