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地下室 二
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いつの間にか、階段を十人ほどの黒ずくめの兵士たちが降りてきており、サルドバを囲むように円になって立っている。
「将軍、将軍が聞き分けないのなら、この連中は奥方の所へ行きますよ。こいつらのなかには、孕み女が好きだという奴もいるんですよ」
言葉の意味するところを悟って、サルドバは怒声をあげそうになったが、かろうじてこらえ、低く唸るような声を出した。
「や、やめろ、人でなし!」
「大丈夫ですよ、私はもともと女には興味がないんですから。知っているでしょう? 私が好きなのは、綺麗な男なんですよ。将軍、あなたのようにね」
「な、なにを言って……!」
それならば、ラオシンやサイラスのような美形を相手にしろ、とサルドバは叫びたくなったが、その口をタルスの口がふさぐ。
「うう……!」
「あなたは綺麗だ。俺が知る限り、一番美しい男だ。……男の美は、強さのなかにあるのだと俺は思っていますよ」
「き、貴様の男色考なんぞ知るか! この鎖を放せ!」
「駄目です。ああ、なんて逞しい身体だ。黄金の身体……俺の銀の獅子」
張りつめた筋肉を、タルスはさも愛し気に胸といい腹といい撫で、さすり、乳首に接吻をおくる。
「よせ……ぇ」
調子にのったように、その手は臀部へと伸び、布の上からはげしく情熱をこめて固い肉を揉む。
「や、やめろ……」
「しっ! 静かにしてくださいって。あんまり聞き分けないのなら、ここへ奥方を連れてくるはめになりますよ」
「……!」
「あなただって、こんな格好、奥方に見られたくないでしょう」
「あ!」
言うや、タルスはサルドバの腰の布を引き剥いだ。
「うう……」
サルドバは羞恥に奥歯を噛みしめた。
一糸まとわぬ姿で、足にだけ鞣革の紐を巻き付けサンダルを履いている恰好は、ひどく不均衡であり、猥褻な姿となっている。
だが、本来なら見苦しいはずのものを、舐めるようにじっくりと眺めながらタスルは目をぎらぎらと輝かせている。
「ああ……、本当に素晴らしいかっこうですね。絵師を呼んでこの姿を描きとめてやりたい」
「よ、よせ! おい、タルス、馬鹿な真似はよせ! ……今ならまだ間にあうぞ。今すぐ俺を解き放て。そうすれば今回だけはなかったことにしてやる」
「将軍、将軍が聞き分けないのなら、この連中は奥方の所へ行きますよ。こいつらのなかには、孕み女が好きだという奴もいるんですよ」
言葉の意味するところを悟って、サルドバは怒声をあげそうになったが、かろうじてこらえ、低く唸るような声を出した。
「や、やめろ、人でなし!」
「大丈夫ですよ、私はもともと女には興味がないんですから。知っているでしょう? 私が好きなのは、綺麗な男なんですよ。将軍、あなたのようにね」
「な、なにを言って……!」
それならば、ラオシンやサイラスのような美形を相手にしろ、とサルドバは叫びたくなったが、その口をタルスの口がふさぐ。
「うう……!」
「あなたは綺麗だ。俺が知る限り、一番美しい男だ。……男の美は、強さのなかにあるのだと俺は思っていますよ」
「き、貴様の男色考なんぞ知るか! この鎖を放せ!」
「駄目です。ああ、なんて逞しい身体だ。黄金の身体……俺の銀の獅子」
張りつめた筋肉を、タルスはさも愛し気に胸といい腹といい撫で、さすり、乳首に接吻をおくる。
「よせ……ぇ」
調子にのったように、その手は臀部へと伸び、布の上からはげしく情熱をこめて固い肉を揉む。
「や、やめろ……」
「しっ! 静かにしてくださいって。あんまり聞き分けないのなら、ここへ奥方を連れてくるはめになりますよ」
「……!」
「あなただって、こんな格好、奥方に見られたくないでしょう」
「あ!」
言うや、タルスはサルドバの腰の布を引き剥いだ。
「うう……」
サルドバは羞恥に奥歯を噛みしめた。
一糸まとわぬ姿で、足にだけ鞣革の紐を巻き付けサンダルを履いている恰好は、ひどく不均衡であり、猥褻な姿となっている。
だが、本来なら見苦しいはずのものを、舐めるようにじっくりと眺めながらタスルは目をぎらぎらと輝かせている。
「ああ……、本当に素晴らしいかっこうですね。絵師を呼んでこの姿を描きとめてやりたい」
「よ、よせ! おい、タルス、馬鹿な真似はよせ! ……今ならまだ間にあうぞ。今すぐ俺を解き放て。そうすれば今回だけはなかったことにしてやる」
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