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戦士の崩壊 二
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(あ、ああ、来る!)
熱い欲望の凝結物がサルドバの無垢な聖域を蹂躙する。
「くぅー……」
一瞬、気が遠くなった。
痛い、辛いと思った。最初は……。だが、ある程度、苦痛に慣れてくると、驚いたことに身体が反応しはじめていることに気づいた。
(まさか……、そんな)
こんなことが己の身に起こるなど信じられない。
「ううう……」
サルドバが苦悩の声を発するのとは逆に、おおいかぶさっている男は、喜悦の声をあげた。
「ああ、いい、いい……!」
不快と苦痛でしかない行為のはずなのに、いつしかサルドバは男の熱情に引きずられるようにして、女のように腰をゆさぶっていた。
信じれないことに雄芯は、行き場をもとめて訴えている。
(こ、こんな! こんなことが……!)
娼館では幾度となく、無理やり抱かれた男を見たことがある。そのなかには彼の親友もいた。彼らは嫌がりながらも、最後は媚薬や相手の男の技術によって快楽を感じはじめ、陶酔感にひたっていった。むろん、終わった後には激しい屈辱を感じていただろうが。
だが、そういった男たちと自分は、そもそも人種が違うのだと、今になって思えば傲慢にもサルドバは信じこんでいた。
己は、男に求められ、男の欲望の受け皿になるような男とは、そもそも生まれながらに身体も心もちがうのだ、と信じて疑わなかったのだ。
生来、人より逞しく健康で力強かった彼のことである。そう思うのも無理はない。多少、稚児遊びはしても、あくまでも求める側であり、抱き、犯す側で、よもや己が欲望を受ける側にまわるなど一生あるまいと確信して生きてきたのだ。
その彼が、今、賊のような男の手によって〝女〟にされているのだ。
今も背後の男によって肉欲を押し付けられ、嫌がりながらも、前にまわされた手で弄られ、ときに胸や腹をまさぐられ、性感を高められてしまっている。床についている膝が激しくふるえた。
(ああ……、こ、こんな、こんな馬鹿な)
身体がふるえるのは、屈辱や恥辱のせいだけではない。
(そ、そこも、触ってほしい……)
胸も、下肢も、両方弄ってほしい――、そんなあられもないことをサルドバは願っていた。
己のなかに、こんな得体の知れない浅ましい欲望があったことに、今の今まで気づきもしなかった。一生知らずに終わるはずだった。
サルドバは目を閉じ、必死に、今自分に迫ってくる魔物をやりすごそうとした。
だが、魔物は逃がしてはくれない。
(あ、ああ……。こ、ここも、……ここにも欲しい……)
サルドバはほとんど無意識で、猫、いや、虎のように背をのばし、物欲しげに腰を揺らし、胸を突き出すような姿勢をとっていた。
男はその動作に、サルドバの願望を読みとったらしい。
「こっち、ですか? 胸も可愛がってほしいんですね?」
「うう……」
側にいた兵の一人が気を利かしたように短刀でサルドバの衣を切り裂いていく。
「ああ……!」
熱い欲望の凝結物がサルドバの無垢な聖域を蹂躙する。
「くぅー……」
一瞬、気が遠くなった。
痛い、辛いと思った。最初は……。だが、ある程度、苦痛に慣れてくると、驚いたことに身体が反応しはじめていることに気づいた。
(まさか……、そんな)
こんなことが己の身に起こるなど信じられない。
「ううう……」
サルドバが苦悩の声を発するのとは逆に、おおいかぶさっている男は、喜悦の声をあげた。
「ああ、いい、いい……!」
不快と苦痛でしかない行為のはずなのに、いつしかサルドバは男の熱情に引きずられるようにして、女のように腰をゆさぶっていた。
信じれないことに雄芯は、行き場をもとめて訴えている。
(こ、こんな! こんなことが……!)
娼館では幾度となく、無理やり抱かれた男を見たことがある。そのなかには彼の親友もいた。彼らは嫌がりながらも、最後は媚薬や相手の男の技術によって快楽を感じはじめ、陶酔感にひたっていった。むろん、終わった後には激しい屈辱を感じていただろうが。
だが、そういった男たちと自分は、そもそも人種が違うのだと、今になって思えば傲慢にもサルドバは信じこんでいた。
己は、男に求められ、男の欲望の受け皿になるような男とは、そもそも生まれながらに身体も心もちがうのだ、と信じて疑わなかったのだ。
生来、人より逞しく健康で力強かった彼のことである。そう思うのも無理はない。多少、稚児遊びはしても、あくまでも求める側であり、抱き、犯す側で、よもや己が欲望を受ける側にまわるなど一生あるまいと確信して生きてきたのだ。
その彼が、今、賊のような男の手によって〝女〟にされているのだ。
今も背後の男によって肉欲を押し付けられ、嫌がりながらも、前にまわされた手で弄られ、ときに胸や腹をまさぐられ、性感を高められてしまっている。床についている膝が激しくふるえた。
(ああ……、こ、こんな、こんな馬鹿な)
身体がふるえるのは、屈辱や恥辱のせいだけではない。
(そ、そこも、触ってほしい……)
胸も、下肢も、両方弄ってほしい――、そんなあられもないことをサルドバは願っていた。
己のなかに、こんな得体の知れない浅ましい欲望があったことに、今の今まで気づきもしなかった。一生知らずに終わるはずだった。
サルドバは目を閉じ、必死に、今自分に迫ってくる魔物をやりすごそうとした。
だが、魔物は逃がしてはくれない。
(あ、ああ……。こ、ここも、……ここにも欲しい……)
サルドバはほとんど無意識で、猫、いや、虎のように背をのばし、物欲しげに腰を揺らし、胸を突き出すような姿勢をとっていた。
男はその動作に、サルドバの願望を読みとったらしい。
「こっち、ですか? 胸も可愛がってほしいんですね?」
「うう……」
側にいた兵の一人が気を利かしたように短刀でサルドバの衣を切り裂いていく。
「ああ……!」
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