サファヴィア秘話 ―妖花満開―

文月 沙織

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「へ、陛下、国王たるものが、こんなことをしては、いけません。従兄に当たるお方を、……王子を愛人にして、こんな、こんな淫らな……!」
「淫らじゃが、美しいであろう、余のラオは?」
 首を木馬の上でのたうつ王子に向けて、誇らしげにアイジャル王は言う。
 つられて向けた視線が、ラオシンを刺激したのか、苦しげに顔を振る。
「は……ああ……!」
 ディアニスは硬直した。
 性的なことには無知でうとい彼にも、今、わかった。
 ラオシンの震える脚が、薔薇色に燃える肌が、苦悶にしかめられた眉が教えて知らせてくるのだ。
 木馬の背には、見た目にはわからないが、淫らな道具が仕込んであるのだ。
 そして、それがラオシンの体内で彼をそそのかし、狂おしい喘ぎを吐かせ、甘苦い吐息をこぼさせつづけているのだ。
「はっ……ああっ!」
 目を背けることができないでいるディアニスには、ラオシンの青年の象徴が萌していることがわかった。
(な、なんということだ……! な、なんという)
 この異常な拷問にも似た行為のさなか、ラオシン王子は感じているのだ。
 ディアニスは、自分の目に冷酷なものが混じってしまったことに気付かなかった。
「ああ……!」
 ディアニスの驚愕と、怖れ、そして嫌悪と侮蔑を察したのか、ラオシンの横顔に悲愴なものが滲む。だが、その頬は張りつめ、ほのかに赤らみ、やはり感じていることを隠せないでいる。
 これほどの手酷い辱しめを受けて、いや、辱しめがひどければ酷いほど、ラオシンはそれをかいとして受け取る身体になってしまっているのだ。
 だが、苦しいことは変わらない。
 彼は、苦しみながら、悦んでいるのだ。もしくは、心は千切れんばかりに辛くとも、肉体は悦楽に燃えているのだろうか。ディアニスは目の前でくりひろげられるあまりの淫蕩な見世物に、圧倒されてしまった。
「あっ……、ああ!」
「どうした、ラオ? もう我慢できぬのか? しょうのない奴じゃ」
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