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二
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目を凝らすと、それは馬の鬣だと知れる。本物ではなく、木馬の鬣だ。
「あっ!」
気づいたとき、形勢は完全に不利だった。
「おお、目が覚めたか、ラオ。どうじゃ、気分は?」
アイジャルの楽しげな声が耳を打つ。
「な、何を!」
「わかるであろう? ラオには少々乗馬を楽しんでもらうのじゃ。ちょうど良かった。気を失ったままでは、やはりやりづらいから起こそうと思っておったところじゃ」
「は、放せ!」
逃れようとしたが、両手首はきつく細縄で結ばれ、支柱にくくりつけられていて逃れられない。
「安心しろ。ラオを決して傷つけはしない。すべて余にまかせて、ラオはただ楽しめば良いのじゃ。さ、クマヌ」
「はっ」
「あっ、な、なにを!」
両脇から、二人の宦官兵たちがラオシンを抱えあげるようにする。
「い、いやだ!」
「こら、ラオ、暴れるでない。そろそろ急がねば、客が来てしまうではないか」
ラオシンは全身の血が引いていくのを感じた。
本気だ。ただの言葉嬲りではなく、本気でアイジャルはラオシンにおぞましい行為を強要し、それをディアニスに見せるつもりなのだ。ラオシンは発狂しそうになった。
「や、やめてくれ! 頼むから、やめてくれ! もう、けっして逆らわない。言う通りにするから、それだけはやめてくれ!」
「ほう……、それほどにディアニスに見られるのが嫌なのか」
ラオシンの血を吹くような哀願が、かえって逆効果となったことを示すように、王の目には翳が生まれた。
「い、いやだ! そ、そんなことになったら、私は死んでしまう……!」
学舎で議論を交わしたときのディアニスのまっすぐで清い目が脳裏に浮かぶ。あの清爽そのものの青年に、こんな姿を……ほとんど全裸で淫らな淫具の上で悶える己の浅まし過ぎる姿を見られたら……。想像するだけでラオシンは慙死しそうだった。
その後、とうてい、生きてはいられないだろう。
「ほう……。では、試してみるか? ラオが本当に死ぬかどうか」
「あっ!」
気づいたとき、形勢は完全に不利だった。
「おお、目が覚めたか、ラオ。どうじゃ、気分は?」
アイジャルの楽しげな声が耳を打つ。
「な、何を!」
「わかるであろう? ラオには少々乗馬を楽しんでもらうのじゃ。ちょうど良かった。気を失ったままでは、やはりやりづらいから起こそうと思っておったところじゃ」
「は、放せ!」
逃れようとしたが、両手首はきつく細縄で結ばれ、支柱にくくりつけられていて逃れられない。
「安心しろ。ラオを決して傷つけはしない。すべて余にまかせて、ラオはただ楽しめば良いのじゃ。さ、クマヌ」
「はっ」
「あっ、な、なにを!」
両脇から、二人の宦官兵たちがラオシンを抱えあげるようにする。
「い、いやだ!」
「こら、ラオ、暴れるでない。そろそろ急がねば、客が来てしまうではないか」
ラオシンは全身の血が引いていくのを感じた。
本気だ。ただの言葉嬲りではなく、本気でアイジャルはラオシンにおぞましい行為を強要し、それをディアニスに見せるつもりなのだ。ラオシンは発狂しそうになった。
「や、やめてくれ! 頼むから、やめてくれ! もう、けっして逆らわない。言う通りにするから、それだけはやめてくれ!」
「ほう……、それほどにディアニスに見られるのが嫌なのか」
ラオシンの血を吹くような哀願が、かえって逆効果となったことを示すように、王の目には翳が生まれた。
「い、いやだ! そ、そんなことになったら、私は死んでしまう……!」
学舎で議論を交わしたときのディアニスのまっすぐで清い目が脳裏に浮かぶ。あの清爽そのものの青年に、こんな姿を……ほとんど全裸で淫らな淫具の上で悶える己の浅まし過ぎる姿を見られたら……。想像するだけでラオシンは慙死しそうだった。
その後、とうてい、生きてはいられないだろう。
「ほう……。では、試してみるか? ラオが本当に死ぬかどうか」
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