サファヴィア秘話 ―妖花満開―

文月 沙織

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「はぁ……!」
 ラオシンは大理石の床で身もだえし、いつしか石の冷たさも感じなくなっていく。
「ひぃっ……」
 背後のアラムが唾液を舌にためて、それを目当ての箇所にはこんできたのだ。
 そこは少し前にレミによって香油を塗られたところだが、今のアラムはそんなことは気にもならないようだ。
 淫らなしずくをそそがれた蕾はさらによろこぶように咲きいそぐ。
「ま……」 溜息のような声を吐いたのはジャハギルだったろうか。
 赤い蜥蜴が、ほんのり薔薇色めいた蕾の内へと入っていく。
「あ、もう、やめ……!」
 刺激のあまりのすさまじさ、もしくはもどかしさに、ラオシンは身体が震えるのを止められない。磨きぬかれた石面に、そんな彼の面影がほのかに映って、揺れて、消える。ここはまさに魔宮だった。
「ひ、あ……! あっ、アラム、よせ!」
 蜥蜴が、蕾のなかで悪戯をしたらしい。
「ああ!」
 悲鳴に、いったんは退いたアラムだが、今度はつややかな臀部に舌を這わせる。
 ラオシンをなだめ、落ち着かせ、また機嫌を取るかのように。
「ああ……」
 そうしてしばらくは臀部で楽しんだ舌は、さらにまた蕾へと戻っていく。
 蜥蜴は、やはり蕾が好きなようだ。
「ううーん」
 刺激のあまりのすさまじさに、いや、いや、というふうにラオシンは背を逸らして首を振らずにいられない。
 宦官たちは申し合わせたように、腕の力を抜き、ラオシンの可動範囲かどうはんいをひろげてくれたのだが、それはいっそうラオシンにあられもない姿勢を取らせることになり、後になって死ぬほどの羞恥を誇りたかい彼に思い出させることになるのだ。
「あ、ああ、た、たのむ、アラム、も、もう止めてくれ」
 気が狂いそうだった。
「で、でも、」
 アラムは蜥蜴から一瞬人間にもどって主に口答えした。
「今やめたら、ラオシン様はお辛いだけではないですか?」
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