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二
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若い美獣の牙はまだ抜かれていないことを示すような渾身のあらがいではあったが、あらたに加わった二人の宦官、合計四人の宦官たちの腕によってラオシンは不様にふたたび床に押し付けられてしまう。
くっ、くっ、くっ……。
従兄の哀れで惨めな姿を見下ろし、アイジャルはさらに命をくだす。
「さ、アラム、早うせい」
「は、はい」
アラムは王命に逆らうことなどできず、おそるおそる、その性的器物の先端をおのれの唇にあてがった。
「ああ……」
ラオシンが低くうめく。
その性具は、白水晶と呼ばれる水晶でできており、名のとおり白くにごった色をして、常夏のサファヴィアでは見られることはないが、氷のようであり、どこか神秘的でさえある。この時代、水晶は宝石としてあつかわれており、その大きさから推しはかると、かなり高価なものとなるだろう。庶民なら十年は遊んで暮らせるほどの値打ちはある。
握ってみれば、アラムの両手にややあまるほどの大きさである。巨大、とまではいかないが、それでも決して小さいとは言えない形を成しており、それを選んだのが自分だと思えば、少年は頬を赤らめずにいられないのだろう。
アラムがその可愛い口から舌を伸ばし、卑猥な道具のさきを舐める様子は、咲き初めのアネモネの花弁から赤い蜥蜴が這いでてきたような不気味な美しさを見ている者たちに感じさせる。
ジャハギルは興味津々でアラムの滅多にみられぬはしたない仕草を穴が開くほどに凝視し、レミも面白そうに美少年の淫らな動作を観察している。
しかも、サファヴィアの宮廷画家が競って絵に残したがるこの美少年は、少年であって少年ではないのだ。それを思うと、人によっては哀れをもよおすかもしれないが、この妖物二人にとっては、それもまた淫心をかきたてる一因でしかなかった。
(気の毒に、この子、このあと、どうやって始末をつけるのかしらね?)
そんな声なき呟きをレミの野生的な目は伝えていた。
「ほら、そんなんじゃ、ちっとも濡れないでしょ。もっと舌に唾液をためてしゃぶるのよ。そんなんじゃ、殿下が痛がるわよ」
ジャハギルの揶揄をこめた叱咤に、レミは笑い転げる。
くっ、くっ、くっ……。
従兄の哀れで惨めな姿を見下ろし、アイジャルはさらに命をくだす。
「さ、アラム、早うせい」
「は、はい」
アラムは王命に逆らうことなどできず、おそるおそる、その性的器物の先端をおのれの唇にあてがった。
「ああ……」
ラオシンが低くうめく。
その性具は、白水晶と呼ばれる水晶でできており、名のとおり白くにごった色をして、常夏のサファヴィアでは見られることはないが、氷のようであり、どこか神秘的でさえある。この時代、水晶は宝石としてあつかわれており、その大きさから推しはかると、かなり高価なものとなるだろう。庶民なら十年は遊んで暮らせるほどの値打ちはある。
握ってみれば、アラムの両手にややあまるほどの大きさである。巨大、とまではいかないが、それでも決して小さいとは言えない形を成しており、それを選んだのが自分だと思えば、少年は頬を赤らめずにいられないのだろう。
アラムがその可愛い口から舌を伸ばし、卑猥な道具のさきを舐める様子は、咲き初めのアネモネの花弁から赤い蜥蜴が這いでてきたような不気味な美しさを見ている者たちに感じさせる。
ジャハギルは興味津々でアラムの滅多にみられぬはしたない仕草を穴が開くほどに凝視し、レミも面白そうに美少年の淫らな動作を観察している。
しかも、サファヴィアの宮廷画家が競って絵に残したがるこの美少年は、少年であって少年ではないのだ。それを思うと、人によっては哀れをもよおすかもしれないが、この妖物二人にとっては、それもまた淫心をかきたてる一因でしかなかった。
(気の毒に、この子、このあと、どうやって始末をつけるのかしらね?)
そんな声なき呟きをレミの野生的な目は伝えていた。
「ほら、そんなんじゃ、ちっとも濡れないでしょ。もっと舌に唾液をためてしゃぶるのよ。そんなんじゃ、殿下が痛がるわよ」
ジャハギルの揶揄をこめた叱咤に、レミは笑い転げる。
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