サファヴィア秘話 ―妖花満開―

文月 沙織

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「うっ……」
 連日連夜、アイジャルの異常な要求にこたえて燃えた肉体は、つねの男とはちがって、なまめかしさを備え始め、ほのかな色気を放っていることに、ラオシン自身は気づいてはいなかった。
 ごくり、と唾を飲む音をたてたのはレミである。
 もともと土色つちいろの頬が、今は赤味を帯びて燃え、目は獲物を見つけた猫のように欲望にみなぎっている。どうやら彼女には加虐の嗜好があるようで、それがアイジャルが彼女に目をかける理由なのかもしれない。
「香油を塗ってやるがよい」
「では、あたくしが」
 アイジャルの言葉にすぐに返事をしたジャハギルに向かって、まくしたてるようにレミが反抗した。
「ラオシン様のお世話は、侍女の私がします!」
 言葉には、せっかくの獲物を横取りされてたまるものか、という気迫がこもっている。
「あら、そう」
 不満顔のジャハギルを尻目に、レミは壁際の棚から玻璃の小瓶を取った。
 うきうきとした足取りで、四つん這いをついているラオシンの側に来ると、慣れた仕草で瓶の栓をはずす。
 辺りに、薔薇のかぐわしい香がたつ。
 ラオシンの鼻にもその高雅な香がただよってきたが、それはラオシンにとっては恐るべき魔香だった。
 催淫作用をふくんだその特殊な液体は、否応なくラオシンの心身をとろかしてしまう。
 今までにも幾度となく、この麻薬によって自我を崩壊させられ、普通の意識では感じることがないものを感じ、とうてい出来ない行為を受け入れさせられてしまった。
「あう……っ」
 臀部に、生温かいものが触れてきて、ラオシンは眉を寄せる。触れているのはレミのてのひらのようだ。
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