翠帳紅閨 ――闇から来る者――

文月 沙織

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狂い咲き 九

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 伸びて来た手が、形を確かめるように触れてくる。
「さ、さわるな!」
「なんだよ」
 むっとした顔になった浦部は、親指と人差し指の二本で、若芽の先端をつまむ。一番敏感な箇所に軽く力を入れられ、竹弥は悲鳴をあげそうになった。
「うう……」
 いいようにもてあそばれる悔しさに胸が凍る。
 だが、後ろに半分ほどまで挿れられた道具をねじるようにされ、同時にまた二本の指で摘まれるという、前後への凌辱に、てついたはずの胸が燃えあがる。
「はぁ……!」
 全身がぶるぶると震えるのは、屈辱のためだけではない。
(ああ……、駄目だ……)
 いけないと、自分を必死に抑えてはみても、すでに身体の芯は浦部の執拗な性技に蕩けはじめている。
「ああ、凄いな、こんなに感じるとはな。前はカチコチに固いのに、後ろはずぶずぶじゃないか。もう、こんな小さいのだと物足りないだろう?」
 ちがう! と否定に振る首のうなじから、したたるほどにあふれる色気があたりの空気を変えていることに竹弥自身は気づかない。
「さすがにずっとこのままじゃ、可哀想だな。おまえも、もう遂きたいだろう?」
 いや、という言葉を口に出すかわりに、竹弥は恨みを込めて相手を見た。
「その目……いいな。……待っていろ、今、らくにしてやるぞ」
「はぁっ!」
 浦部は、背後にまわした道具を握る手に、いきなり力をこめた。
「ああっ、ああっ、い、いやだ! いや!」
 前にまわした手で、竹弥自身を握るようにして、激しくこすりあげられる。
(ああ、もう駄目だ!)
 竹弥の美しい唇から、野性的な声がほとぼしる。
「ああ……! や、やめ! うっ、うううっ、うぐぅぅ!」
「いいぞ。感度は抜群だな。そら、いけ!」
 身体をいじる浦部の両手に、あらたな力が加わったのを竹弥は感じた。
「はああああ!」
 竹弥は激しい快感に、全身を引きつらせた。
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