翠帳紅閨 ――闇から来る者――

文月 沙織

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桜散華 八

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「今日は、庭木の剪定に植木職人らが来るんだ」
「な、そんな……」
 途端、開けっぱなしの障子や縁側が気になった。
 まさか、と思ったが、たしかに庭に足音が響いてくる。
「さぁ、こっちも準備をするか」
 杉屋が箪笥の引き出しから取り出したのは、いつもの責め道具だった。
(くそぉ……)
 またもいいようにされるのかと思うと、悔しさに竹弥は歯軋りしたくなる。
 杉屋はためらうことなく、慣れた手つきで道具に軟膏を塗っていく。
「そんな怯えた顔をするな。もう、すっかり好きになったろう、こいつが?」
 ここ数日、毎日挿入されている黄楊の張り型が、軟膏に濡れて色を変え、不気味にてらてらと光っている。決して大きなものではなく、ほんのお遊び程度のものだが、それだけに竹弥を怖気あがらせるのだ。
 こんな道具で自分がいいようにされているのかと思うと、竹弥は肉体の摂理を、男という身体を恨まずにいられない。
「さぁ、覚悟はいいか、お姫様?」
「あっ、よせ!」
 戒められている身体ではさして抵抗することもできず、竹弥は杉屋におさえこまれ、彼の胸板の熱さを感じてしまう。そのまま、杉屋は隠すもののない臀部を自分の膝上にあげ、竹弥の白い肉を目と指で楽しむ。
「うう……」
 竹弥が唸り声をあげるのも無理はない。ちょうど、幼児の尻をたたくような姿勢になっているのだ。
「入れるぞ。いいな?」
 そんな問いはまったく意味がない。竹弥は杉屋の思うがままである。
「ああっ……」
 自分の声とは思えぬ、なまめかしい濡れた声が口から洩れてしまったことに竹弥はまた狼狽える。
「あ、……も、もぉ、よせ」
「先が少し入っただけだ。まだな」
「よ、よせ! あっ、あああっ!」
 最初はゆっくりと丁寧な手つきだったのが、道具が後ろ園に入りこんでくるにしたがって、圧力も強くなる。
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