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桜散華 二

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 勿論、そんな異様で屈辱的な真似を強いられることに竹弥は必死で抗ったが、圧倒的な力の差でおさえつけられ、下肢をあらわれにされ、強引に軟膏で湿らされたそれを挿入された。
「まぁ、一種の股間縛りだ」
 さらに、杉屋は例の器用な手つきで竹弥の股間に別の黒紐を巻つけるようにして、あっという間に黒紐を下帯のような形にして竹弥の腰にくくりつけてしまう。
 そのとき杉屋はズボンの尻ポケットから取り出した銀色の輪を二つ見せつけた。腰の両端でそれに紐を通し、下向き三角のように紐をからめる。遠目には、黒い下着でも付けているように見えるだろう。
 巻かれた紐によって、竹弥がどうあがいても、体内の異物は落ちないようにされてしまった。
 その間、竹弥は恐怖と驚愕で、ただ呆然とつっ立って、杉屋のたぐいまれな〝奇術〟を見ているしかない。
 最初はあまりの不快感にわめきはしたものの、その紐が、首に巻きつけられるようにされたときは、未知の恐怖のほうが勝り、絶句した。
「え……、な、なに?」
「これで、しばらく遊んでいろ」
 手は縛られているので、竹弥自身では、後ろに嵌められた道具を取り出すことはできない。
 杉屋は笑いながら、手を縛っている紐の先を床の間の柱に、くくりつけてしまう。
 先日、あの柱に縛り付けられるような形で責められたことを思い出した竹弥は、いっそうの恥辱にふるえた。
 そして、道具は首にくくられている紐につながっているのだ。
 つまり、竹弥が動くたびに、首輪のようにかけられた紐を通じて、動きがつたわり、道具も微妙に動くのだ。後ろの手は柱に縛りつけられているので、その場から離れられない。
 男の鬼畜のようなおぞましい企みに気づいた竹弥は、絶叫しそうになった。
「ち、畜生!」
 恥辱にもがくと、奇妙に涼やかな音がなる。
 竹弥は、あまりのことに涙ぐんだ。
 本当に首輪よろしく、紐には銀色の鈴がつけられているのだ。
 これほど人をおとしめるやり方があるだろうか。
 獣のように縛られているだけでも尊厳を傷つけられるというのに、首から垂れる鈴の珍妙な音色が、竹弥の神経を焼き尽くす。
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