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紫縄遊戯 六

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「おまえが美しくて、可愛すぎるからだよ」
「そ、そんな、」
 そんな無茶苦茶な理由で、これほど手酷い凌辱を受けねばならないのか。
 竹弥は理不尽さに、自分の置かれた状況も忘れて相手を怒鳴りつけていた。
「そ、そんなこと理由になるかよ!」
 縛られ、いたぶられ、散々はずかしめられても、尚も食ってかかろうとするその気骨が、杉屋の持つ嗜虐心をいっそうそそるのだと、竹弥の幼さは気づかせない。
 いや、気づいていても、叫ぶことは止められないだろう。一見、繊細に見えても、近江竹弥は、その身の内にはがねを秘めた少年だった。
「本当におまえはいい度胸しているな」
 笑いながら杉屋は竹弥の白い胸や腹を下から撫であげる。
「うう……」
「……本当に可愛いな」
「はぁ!」
 ふたたび――、竹弥の芽は男の熱い口腔につつまれてしまう。
「うう……」
 茎のあたりも舌先でなぶられ、まだ早生わせめいた双果も、舌でつつかれたり、手で悪戯されたりする。
「ああっ、ああっ、や、やめろぉ、変態野郎!」
 嬲られる竹弥はもちろん辛く苦しいが、長時間嬲る方もかなり労力がいる行為を、杉屋は息を乱すこともなく延々とつづけた。
 執拗な舌技に、竹弥は必死に逆らい、相手の思うようにはなるまい、と男の意地で戦った。
「ち、畜生! ああっ!」
 だが、卓越した舌技や指戯は、そんな竹弥のなけなしの反抗をおさえこみ、徐々に気勢をうばっていく。
「うう……うう! い、いやだ、だめだぁ……! あっ、ああ!」
 逆に、いつの間にか、竹弥の方が敵の動きを追いかけるような、いや、追いすがるような様子になってしまった。
「どうだ? けっこう楽しいだろう? おまえ、気持ち良さそうだな」
「だ、誰が!」
 いくら竹弥が言葉で否定していても、頬はほんのり赤く染まり、閉じた瞼の裏には甘美な夢があるようで、先ほどまでは喰いしばっていた歯は、ぴくぴくと薄桃色の唇の奥で不甲斐なさそうに震えているのが明らかだ。
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