翠帳紅閨 ――闇から来る者――

文月 沙織

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紫縄遊戯 二

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 前の若芽はいましめられて恥ずかしいことに紐先を垂らすようにされ、股間はもう一本の紐で縛られてしまい……、臀部を割るように食い込んでくる。
「おまえの玉のような白い肌に、紫の紐が似合っているな」
 杉屋が満足そうに笑う。
「ああ……!」
 杉屋は、ただ単に紐で縛っただけではない。
 紐を結ぶことによって小さな紐瘤をつくり、巧みにその瘤が背後の、竹弥の過敏な箇所にまるように仕組んだのだ。
 いや、確実に嵌まっているわけではないが、感じやすい蕾に触れてくる、そのあるかなしかのかすかな感触は、竹弥を困惑させるに充分だった。
「うう……」
 こういったおぞましい行為は、この男にとっては日常茶飯事のことのようで、実に手慣れた手つきで敏速にやってのけた。
「こういうお遊びは、どうだ? けっこう気持ちいいだろう?」
 杉屋が悪戯っぽく、指をかけている背後の紐に力を入れたからたまらない。
「ああ!」
 絶妙な角度に強く引かれたせいで、後ろの園に埋まっていた紫の瘤が、肉のくぼみに嵌まるように動いたのだ。
「う……」
 紐瘤が与えてくるきわどい刺激と感触は、竹弥の眉をけわしくさせる。
 形の良い眉をしかめ、頬を熱く燃やし、この屈辱の責めから逃れたく必死に目を閉じている様は、なんともいえない色香にあふれて、いっそう憎い男の征服欲をそそることに気付く余裕は、竹弥にはなかった。
「ふふふふふ」
 新たな遊びに味をしめたのか、杉屋はさらに、二度、三度と紐を指で引っ張り、竹弥を悶絶させた。
「ううっ、ううっ!」
 恥辱のあまりに、肌寒さも忘れて、かすかな汗がしっとりと竹弥の全身を濡らす。
 薄暗い室内に、鈍色にびいろめいて全身が光りかがやき、一瞬、杉屋の目を見張らせる。
「ほう」
 だが、すぐに杉屋の指は攻撃を再開した。
「もっと汗をかかせてやるぞ。こっちか? これはどうだ?」
「ひっー!」
 ぐいっ――、と侵入してくる小さな異物の存在が竹弥にはたまらない。
「はあっ……!」
 一方で、杉屋は竹弥のいじらしい芽を戒めている前方の紫房を引っ張るのも忘れない。
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