帝国秘話―落ちた花ー

文月 沙織

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薔薇責め

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 馬上の責め苦もやっと終わりが近づき、日がかたむきはじめ乾いた赤土をさらに赤く染めだしたころ軍は宿場についた。
 石づくりの家々がならび、宿屋の召使らしき男たちがいそいそと駆けつけ、井戸で水瓶に水をくんでいた女たちは目配せしあい、子どもたちは甲冑の形から上官と知れる戦士たちに小銭をねだる。
 一般の兵士たちは天幕を張るか野宿となるが、上級兵士たちは宿をあてがわれることになっており、さっそく金払いのよさそうな客をねらって裾のみじかい、肌もあらわな衣をまとった女たちがにじりよっていく。
 男たちは水場にかけよったり、当番にあたっている者は天幕の仕度にわらわで、ようやくイリカも視姦のはずかしめからのがれ、一息つけた。
 すかさず後方の馬車に乗ってきたミルニアスがかけよってくる。
「イリカ様、さぞお辛かったでしょう? お気の毒に。さ、イリカ様のお宿はこちらだそうでございます。お足もとにお気をつけて」
 痛ましげに黒い瞳をうるませるミルニアスにささえられるようにして、イリカはあてがわれた宿へとなんとか自分の足で歩いていった。せまいが、それでも人目からのがれられる個室に入ったときイリカは安堵のあまり泣きたくなった。
「タキトゥス様のお赦しをいただきました」
 ミルニアスの繊細な指が今日一日中イリカをさいなみつづけていた革紐を、やっとほどいてくれた。
(あ……)
 だが、その恨めしい責め具をとりはずされたとき、生理的な衝動をおさえきれなかったことを歳若の彼にさとられてしまい、イリカの頬はまた熱くなる。
「お気の毒に、こんなになって……」
 腰の圧迫感が完全に消えた瞬間、またもイリカは恥辱のしたたりをさらすはめになった。 
「ああ……」
 馬上で彼を責めつづけたのは開放されない欲情だけではなく、生理現象だ。
 男の毛深い手が紐をしめなおすために伸ばされ、とうとうこらえきれず禁を破ってしまったときの周囲の男たちの下卑た嘲笑を、イリカは死ぬまで忘れることはできないだろう。時がたつと下肢から放たれる臭いがいっそうイリカをいたたまれなくさせた。
 ここにいるのがアレイガではないのが唯一のなぐさめだ。先日、タキトゥスたちといっしょになってイリカを嬲ったミルニアスだが、その品の良いほっそりとした顔はイリカへの同情にくもっていて、黒玻璃くろはりを思わせる瞳は今にも涙を見せそうだ。
 漆喰の壁にかこまれた部屋は居心地良く、盥にはられた湯水のなかで肌にこびりついていた汗と体液を洗い落とされ、やっとイリカは自分がまだ生きていることを自覚できた。だが、それはあらたな悲しみを彼にあたえた。生きている限り、この苦しみがつづくのだ。
「死んでしまいたい……」
 祖国を滅ぼされ、王族でありながら奴隷として敵兵につれまわされ、男として最大の屈辱をあたえつづけられ、さすがに不遜なほどに誇りたかいイリカも弱音をはかずにいられなくなってきている。
 それは、イカラスが敗北してからはじめての、いやイリカが生まれてからはじめてこぼした屈服のやるせない吐息だったろう。
 生を実感して死に憧れているイリカを、ミルニアスはいたわりの目で見つめる。
「……どれほど辱められ、苦しいと思っても、いつかは慣れることがございます」
「おまえは、この屈辱に慣れたのか? おまえは貴族の出なのだろう?」
 ミルニアスの睫毛が悲し気に伏せられた。
「慣れる……と言うよりも、あきらめることができました。わたくしはもう自分の人生をあきらめているのでございます。こうなったことはすべて運命だったと思っております」
「このような恥辱をあたえられることが、私の運命だというのか?」
「そう思わないと生きていけないのです」
 そう言いながら、ミルニアスがイリカの背に湯をすくってかけてくれる。
(私は、運命に屈さない)
 一瞬、きらめくことを止めたイリカの魂が、怒りの力によってふたたびかがやきはじめる。
 あらたな闘志にも似たたかぶりがイリカの胸の底からわいてくる。
(生きて、かならずあの男に復讐してやる。あの男が私にした仕打ちの代償をはらわせてやる! ……そのためにも、生きなければ。なにがあってもこの拷問にたえて、生きのびなければ)
 かわいた布で身体をふかれているときも、内心では血を吐く想いでその言葉をくりかえし、イリカは自分自身に言いきかせていた。
「さ、イリカ様、こちらへ。今宵はタキトゥス様はアレイガとともに過ごしており、イリカ様にはごゆるりとくつろがれるように、とのお言葉でございます」
(あの男は、今夜は来ないのだ)
 安堵に背の緊張がぬけた。すくなくとも今夜一晩はおぞましい責めからすくわれるのだ。
 タキトゥスは今夜はアレイガと過ごしている。
 今夜は、あの無骨な手で身体をまさぐられることも、あおい目で恥部を刺しぬかれることも、不気味な物体で後ろをいじられることもないのだ。
 そう思うと、イリカの胸の底で、生まれて間もない小蛇がのたうち、熱をふくんだなにかが、とくん、とうごめいた気がして、奇妙な苦しさに腹が立ってきた。
「こ、今夜はもう寝てよいのだな」
「はい。よろしければこの黒蜜入りの羊の乳をどうぞ」
 木の器は王子にわたすものではないが、今のイリカは文句を言える立場でないことは重々承知で器をうけとった。さすがにここ数日の運命の転変は彼に忍耐とそれぐらいの諦観はもたせていた。
「寝る」
 やはり粗末な木の寝台だが白い敷布は清潔でイリカを安堵させた。
「お待ちを」
「なんだ?」
「タキトゥス様がこられないからといって、お勤めをしないわけにはいきません」
「なんのことだ?」 
 しぶしぶ寝台に横たわったばかりの身体を起こしたイリカのまえに、ミルニアスは絹紐の束をしめす。
「……!」
 頬を紅潮させてイリカが胸のまえで自分を守るように両手をくむ動作をした。
「お肌を傷つけぬよう、やわらかい紐にしましたので」
「うう……」
 ミルニアスはその紐で呆然としているイリカの胸もとを手際よくしばってしまい、ちょうど胸のところで乳首が強調されるように縦、横に紐をかける。
 一瞬、イリカは声をあらげてさからう素振りを見せたが、むなしげに力をぬいた。
「主の目のないところでも命令を守るおまえは忠義者だ」 
 イリカの精一杯の毒づきにミルニアスは目をふせるが、手の動きはとまらない。
「では、今宵の分のお勤めをはじめさせていただきます」
「くうっ……」
 寝台に腰かけたイリカと向きあう形になって正面からミルニアスはイリカのむきだしの胸を揉む。
「あ……」
 船の中でもそうしたように、ゆっくりと揉みほぐし、しこってきた乳首をつまみあげ、こね、やがて唇をあてがう。むろん、舌でも。
「あ……ああっ」
 その間、イリカは悔しげに息を荒げたが、抵抗はできなかった。ミルニアスひとりなら抗えばなんとかなったかもしれないが、そうすれば他の男が呼ばれるかタキトゥス自身が来てひどい折檻や拷問をするにきまっている。
 もう今夜はさからう力がのこっていないのだ。アレイガであったならば、それでものこりの力と誇りをかきあつめて必死に抵抗したかもしれないが、ミルニアスならば弱いところを見せても救いがあった。
 そのときは、イリカはそう思った。 
「う……、ん」
 
 薔薇の香油のほのかな香りが粗末な部屋にたちこめたころ、イリカは紅薔薇の色にも似た切なげな息を天井にむかってこぼしていた。
 壁の燭台がたてる芯を焦がす音は、イリカの魂を焦がす音そのもののようだった。
 じりじりと、イリカは追いつめられていく。
 タキトゥスやアレイガがそうしたように貶める言葉をたたきつけたり、嘲弄するような真似をしたわけではなく、ミルニアスはひたすら主の命令にしたがって生真面目な表情で真剣にイリカの両胸を揉み、大真面目な顔で乳首をつまんでいる。
 その生真面目さがイリカにはひどくつらい。いっそ、タキトゥスたちのように乱暴にあつかってくれたり、侮辱の言葉をかけたりしてくれた方がまだ救われる気がする。
 羞恥に頬が燃えるような、どうにもできない気恥ずかしさにイリカはもじもじと全身をゆらした。
「は……あ……、ん、んん」
 胸が燃えるように熱くなってくると、アレイガがしこりたっている乳首の先端を舌でつついた。
「うっ!」
「今しばし、ご辛抱を」
「ああ……」
 つぎに両の突起を唇で吸われた。ゆるく、きつく、やさしく、激しく、何度も、何度も。
(あっ……)
 胸の熱が下肢におりてきて、知られてしまう恐怖がイリカを硬直させた。
「恥ずかしがらないで」
 いつしかミルニアスの言葉づかいはくだけてきたが、悪い感じではなく、むしろ目下の者に醜態を見られる屈辱がうすれ、同等の人間からいたわられている安堵感をイリカにもたらした。
 感じてもいいのだ、乱れてもいいのだ、見られても、ここにはあなたを辱める者はいない、そうミルニアスの舌や唇がつたえてくる。
 気づいたときにはイリカは寝台にのけぞり、全身をミルニアスにむかって開放していた。
 胸もとは唾液と香油で照らされ、太ももはあられもなく広げられ、そこへミルニアスが神秘の泉をすするような敬虔さで顔をうずめていく。
「ああっ! あっ、うあっ!」
 わずかに自由がきく指先で敷布をつかみ、四肢をこわばらせてイリカは耐えられるところまで耐えたが、やがてミルニアスのやさしい愛撫に降伏した。
「ああ……」
「どうしましょう? もう、よろしいですか? それとも、もう一度……?」
 忍耐を忘れてしまったイリカは幼子のように一、二度しゃくりあげ、すすり泣きながら首をふることしかできない。
 布がかけられ、蝋燭が吹き消され、室は夜に満たされ、最後にミルニアスが扉をしめる音がひびき、イリカはやっと久しぶりにすべてを忘れて眠りに魂をあずけることができた。
 それはつかの間の、休息だったが。 
     
「昨夜はずいぶんとまたミルニアスに可愛がられたようだな」
 翌日。一日中タキトゥスは顔を見せず、つねにミルニアスが気をくばってなにくれとなく親切にしてくれたおかげで、イリカはなんとか冷静さをとりもどせるほどに心を快復させた。
 だが、それも日がかたむきかけふたたび街が夕日に染められるころになって、悪魔のごとき憎らしい男が扉をたたいたとき、イリカはまたしても胸のはりさける憤怒にさいなまされた。
 毛をさかだてた高貴な猫を見るように、そんなイリカをタキトゥスがあおる。
「今日は一日軍務や明日の予定を練るので忙しくてな、寂しい思いをさせて悪かった」
「だ、だれが寂しがるか!」
 タキトゥスは意地悪な少年のように片頬をゆがめて笑う。
「殿下もすみにおけぬな」
「なんのことだ?」
「あの部屋には仕掛けがあってな、覗き穴があるのだ。昨夜のおまえの痴態を充分に堪能させてもらったぞ」
「なっ!」
 イリカは耳たぶが熱くなるのを感じた。それを見てタキトゥスが腹をのけぞらせて大笑いした。
「と、言ったらどうする?」
 からかわれているのだと気づいてイリカは今度は悔しさに地団駄ふみそうになった。
(おもしろがっているのだ、この男は。私が堕ちていくのがたのしくてたまらないのだ)
「それはそうと、」
 やがて笑いをおさめるとタキトゥスは一枚の羊皮紙をさしだした。
 羊皮紙には、現在、大陸の公用語とされるアルゲリアス語がならんでいる。
「こちらに殿下のお名前でご署名をいただきたい」
 内容を一読するやイリカは黒絹のような眉をこれ以上ないほどしかめ、全身から憎しみの黒い炎をふきあげ書状を床にたたきつけていた。
「こんなものに署名できるか!」
 それは契約書であり、イリカが王族や神官としてのいっさいの地位、権利を放棄し、アルゲリアス帝国と皇帝へ生涯の忠誠をつくし、これから先自分の命は皇帝のものとして、あらゆる命令に順ずることを、イリカ=イカラシアの、その名と名誉と命に賭けて誓うという旨がしるしてある。
「明日は帝国内に入るのでな、そのまえに誓約をすませておきたいのだ」
「言ったはずだ! 私は死んでもそんなものに署名したりしない!」
「それは、こまったなぁ」
 と言いながらタキトゥスの口調にはまるでこまった様子はなく、むしろおもしろいものでも見るように目がかがやいている。
「なにがあろうと、絶対にそのような誓いはたてない!」
「残念ながら、決まったことなのでな。おまえはわが軍の勝利の証しとして都の大通りを捕虜として歩かされ、皇帝への献上品としてささげられることになるのだ」
 そのことを想像すると恐怖に背が粟立つ思いがするが、イリカは誇りたかく胸をそらした。
(どんな辱めを受けても、私はイカラスの神官長。死ぬまでそれは変わらない)
 悲壮な決意にこわばったイリカの頬をタキトゥスがやさしく撫でた。
「無意味な誇りなど、さっさと捨ててしまった方が楽だぞ」
「誇りをすてて生きるぐらいなら死んだ方がましだ」
「なら、何故おまえは死なない? 戦に負けたときだとて、王がおまえを供物としてさしだしたときだとて、死ぬ機会はあったはずだ」
「神官は……、とくに神官長は自死をしない。私を殺したければ殺すがいい。殺せ!」
「そんな惜しいことできるか。帝都ではな、皇帝が異国の美しい人形を今か、今かとお待ちかねなのだぞ」
 おどけた口調で真剣な思いをかわされたイリカは、虜囚の悔しさをあらためて噛みしめた。
「おまえがどれほど嫌だといっても、世の中はそう甘くないぞ、神官殿。今夜おまえはみずから誇りをすててアルゲリアスの奴隷になることをえらぶのだ」
 タキトゥスの表情が蝋燭の明かりに照らされ変わり、揶揄やゆをこめていた声音は、今は地獄の底からひびいてくるように恐ろしげでイリカをひるませた。
 また、あらたな夜がはじまるのだ。 


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