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深宮の花婿 六
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「う……」
「濡れておるな」
見られて、アレクサンダーは恥ずかしさに呻いた。
「よ、よせ……」
誰にも触れられたくない箇所を布越しにいじられ、喘いでしまう。
レキウスの指は止まらない。
じっくりと人差し指で撫でるように形をなぞり、砂に埋もれた宝石をさぐるように執拗に、的確に薄布のうえから触れてくる。
「ん……」
「ますます濡れてきたな」
アレクサンダーは天を仰いだ。また頬が熱くなってくる。冷めるときなどないぐらいだ。
「後ろ園も悪戯されておるのか?」
「ああ……」
レキウスの左手が背後にまわってきていた。そこに施されている責め具の存在を知られ、アレクサンダーはふるえた。屈辱にだけではなく。
「面白い趣向だな、ピロテス」
「お気に入っていただいてうれしゅうございます」
しばし忘れていたピロテスの存在を思い出させられ、アレクサンダーの苦痛ははげしくなる。
「アレクサンダーにこれを着けさせるのは一苦労であったろう?」
レキウスの手が真珠の連なりをゆっくり撫でた。真珠に触れたあとに、柔らかい玉そのもののであるアレクサンダーの臀部も、指で味わうかのごとくゆっくりと触れる。
「う……」
あるかなしかの肌の触れあいが、またアレクサンダーの熱を高めるのだ。
「マヌエルと二人で、多少苦労はしましたが、途中からは……困ったことに花嫁が喜んでしまって。ほほほほ」
「くくく。それはたしかに困った新妻だ。今からこう多情では、先が思いやられるな」
二人の嘲笑と、やや強味を帯びたレキウスの指にアレクサンダーはたじろいでしまう。
いっそ無感動な心と体になれれば、と望んだが、アレクサンダーの人一倍感じやすい心身は、責め手たちをよろこばせるばかりだ。
「濡れておるな」
見られて、アレクサンダーは恥ずかしさに呻いた。
「よ、よせ……」
誰にも触れられたくない箇所を布越しにいじられ、喘いでしまう。
レキウスの指は止まらない。
じっくりと人差し指で撫でるように形をなぞり、砂に埋もれた宝石をさぐるように執拗に、的確に薄布のうえから触れてくる。
「ん……」
「ますます濡れてきたな」
アレクサンダーは天を仰いだ。また頬が熱くなってくる。冷めるときなどないぐらいだ。
「後ろ園も悪戯されておるのか?」
「ああ……」
レキウスの左手が背後にまわってきていた。そこに施されている責め具の存在を知られ、アレクサンダーはふるえた。屈辱にだけではなく。
「面白い趣向だな、ピロテス」
「お気に入っていただいてうれしゅうございます」
しばし忘れていたピロテスの存在を思い出させられ、アレクサンダーの苦痛ははげしくなる。
「アレクサンダーにこれを着けさせるのは一苦労であったろう?」
レキウスの手が真珠の連なりをゆっくり撫でた。真珠に触れたあとに、柔らかい玉そのもののであるアレクサンダーの臀部も、指で味わうかのごとくゆっくりと触れる。
「う……」
あるかなしかの肌の触れあいが、またアレクサンダーの熱を高めるのだ。
「マヌエルと二人で、多少苦労はしましたが、途中からは……困ったことに花嫁が喜んでしまって。ほほほほ」
「くくく。それはたしかに困った新妻だ。今からこう多情では、先が思いやられるな」
二人の嘲笑と、やや強味を帯びたレキウスの指にアレクサンダーはたじろいでしまう。
いっそ無感動な心と体になれれば、と望んだが、アレクサンダーの人一倍感じやすい心身は、責め手たちをよろこばせるばかりだ。
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