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床入り準備 六
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わざとらしげに問うピロテスに、マヌエルはいたって真面目に答える。
「もう少しこちらへ引っ張った方が良いかもしれません」
「こうかぇ?」
「いえ、これぐらいで」
言いながら、二人が連珠を引っ張りあうたび、小さな真珠がアレクサンダーの肌を擦るようになり、敏感なところにもあたり、さらに前後の園に埋めた紅玉蒼玉をゆさぶる。
「ああ……、も、もぅ、いい! や、やめろ!」
アレクサンダーの内部で、ルビーとサファイヤが揺れるのだ。
さらに外から、真珠と銀鎖が触れてほしくない箇所に微妙な影響をあたえてくる。それがささやかな動きであるだけに、はげしい興奮を呼び起こすのが辛い。
ほとんど生理的反応でアレクサンダーの目には涙がにじんだ。悔し涙もある。
あらかじめ塗られていた香油には、おそらく媚薬が混ぜられていたのだと、おぼろげながらアレクサンダーは今更に悟った。すでに数回となく使われた手である。最初から気づくべきだった。
二人の悪戯と薬のせいか、身体が熱くたかぶってくる。身の内を、どくどくと血が流れるようだ。その血もひどく熱い。
「はっ……ああっ……」
アレクサンダーがのけぞるように天を仰ぐ。伸びてきた黄金の髪が首筋にからまり、毛先が胸元で揺れる。
「素晴らしい眺めじゃなぁ」
かがんだまま、見上げるようにしてピロテスが感嘆の声をはなつ。
そこにいるのは、純白の花嫁衣裳をまといつつ、あられもなく脚をあらわにして、玉珠の責め具を嵌められ、羞恥と恥辱に震える異形の花嫁だ。
やや内股になっている姿勢に一抹の哀愁がただよい、なんとも官能的だ。足をおおう革紐も演出されたかのように、この姿の被虐美をたかめている。
「まさに絶世の美女、というべきか美男というべきか。これほどの美人、いや麗人が身悶えする様というのは、そうそうお目にかかれるものではないぞ」
「もう少しこちらへ引っ張った方が良いかもしれません」
「こうかぇ?」
「いえ、これぐらいで」
言いながら、二人が連珠を引っ張りあうたび、小さな真珠がアレクサンダーの肌を擦るようになり、敏感なところにもあたり、さらに前後の園に埋めた紅玉蒼玉をゆさぶる。
「ああ……、も、もぅ、いい! や、やめろ!」
アレクサンダーの内部で、ルビーとサファイヤが揺れるのだ。
さらに外から、真珠と銀鎖が触れてほしくない箇所に微妙な影響をあたえてくる。それがささやかな動きであるだけに、はげしい興奮を呼び起こすのが辛い。
ほとんど生理的反応でアレクサンダーの目には涙がにじんだ。悔し涙もある。
あらかじめ塗られていた香油には、おそらく媚薬が混ぜられていたのだと、おぼろげながらアレクサンダーは今更に悟った。すでに数回となく使われた手である。最初から気づくべきだった。
二人の悪戯と薬のせいか、身体が熱くたかぶってくる。身の内を、どくどくと血が流れるようだ。その血もひどく熱い。
「はっ……ああっ……」
アレクサンダーがのけぞるように天を仰ぐ。伸びてきた黄金の髪が首筋にからまり、毛先が胸元で揺れる。
「素晴らしい眺めじゃなぁ」
かがんだまま、見上げるようにしてピロテスが感嘆の声をはなつ。
そこにいるのは、純白の花嫁衣裳をまといつつ、あられもなく脚をあらわにして、玉珠の責め具を嵌められ、羞恥と恥辱に震える異形の花嫁だ。
やや内股になっている姿勢に一抹の哀愁がただよい、なんとも官能的だ。足をおおう革紐も演出されたかのように、この姿の被虐美をたかめている。
「まさに絶世の美女、というべきか美男というべきか。これほどの美人、いや麗人が身悶えする様というのは、そうそうお目にかかれるものではないぞ」
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