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恥辱の邂逅 十

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 ヴルブナは満足そうにかつての上官を抱きよせ、器用に自分の下肢をあらわにしていく。羞恥はまったくないようだ。
「俺の首に手をまわせ。そうだ。脚をもっと開いて。俺にな、擦りあわせるようにしてみろ」
 さすがに朦朧としていたアレクサンダーも一瞬正気にもどったようだ。
「ああ、できない……」
 首を左右に振る様は幼児のようで、マヌエルですら可愛く思ってしまう。
 そんな元上官の可愛い仕草にヴルブナは歯を見せて笑った。
「こら、逆らうならお仕置きだぞ」
 パシン、とアレクサンダーの白い臀部の上でヴルブナの掌が踊る。
「ああっ……!」
「ほら、股を開いてみろ。こら、泣いてないで脚を開くんだ。……そうだ、いい子だ」
 マヌエルはほとんど呆れた。
 ヴルブナはいったいどこでこれほど執拗で的確な性技と愛撫を学んだのか。そう、愛撫も忘れないのだ。
 強くたたいたあとに撫でる。冷たく厳しい言葉を浴びせたあとに、甘やかすように宥める。ふしぎなほどに卓越した技術をもっているのだ。
「さぁ、俺のにな、擦りあわせるようにしてみろ」
「ああっ……!」
 アレクサンダーの悲痛な泣き声が響いた。
 だが……、マヌエルは小さく息を飲んだ。
 アレクサンダーは、おずおずと求められた行為をするべく努力しだしたのだ。
 まだ解放されない彼の内の欲望が、理性を凌駕してしまったのだろう。
 出口のない欲望は人を狂わせるものだということは、この館でマヌエルも学んできた。だが、アレクサンダーほどの硬骨漢をここまでたらしこむとは……。
「ほら、動けよ。俺に、な……擦りあわせてみろ」
「い、いや……だ、こんな」
「くくくく。本当にどうしょうもない恥ずかしがり屋さんだな。教えてやるよ。こうするんだ」
 長身のアレクサンダーがヴルブナと向かいあっていると、アレクサンダーの方が頭半分ほど上になるのだが、ぐったりとしているせいか、いじらしく、いたいけにさえ見えてマヌエルの胸をさわがせる。
「ほら、こうだ」
「ああっ!」
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