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名花蹂躙 五

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 ピロテスはシャルロットの身悶えぶりを観察するように眺め、満足の笑みを浮かべる。
 アレシアが使った秘薬はこの島の特産であり、数千年におよぶかつてこの島を支配していた王家専属の薬師たちの開発の賜物である。世界中の好事家たちが目の色変えて欲しがる、この島だけでしか作れない秘蔵の薬であり、どんな麻薬よりも効果で、そして恐ろしいものだった。
「どんな気持ちだぇ?」
「ああ……つ、辛いわ」
「ふふ。どんなふうに辛いのだい?」
 シャルロットの金の眉が苦しげにゆがめられる。
「痒い……。か、痒いわ……! と、とめて、これ、とめて!」
 頬を赤く燃やしてシャルロットが切なそうに叫ぶ。よっぽど苦しいのだろう。
「ほほほほ。お嬢さん、苦しいかい? 楽になるための方法を教えてあげようかい?」
 アレシアが手招きすると、心得たもので先ほど小瓶を持って行った兵士がおなじ戸棚からなにやら包みを取り出した。
「ほぅら、ご覧。痒みを止めるにはこれを使うんだよ」
「ああ……!」
 突き出された物を見てシャルロットは絶望の息を吐いた。
 このおぞましい館につれてこられてから幾度か目にしたことのある男性器をかたどった淫らな道具である。シャルロット辛さも忘れて目を伏せた。
「なにをそんなに恥ずかしがるんだい? お国では見たことがないのかい? あんたの国の人間はこういうのが好きだと聞いたことがあるけれどね」
 卑猥な道具はトパーズ色に鈍く光り、シャルロットのみならず、アレクサンダーの目をも刺す。
「そんな怯えた顔をすることはないさ。これはあんたみたいな初心な娘を手なずけるためのもので、ほら、大きさもたいしたことないだろう? 今にこんなんじゃ物足りないって思うようになるさ」
「いや! そんなの、いや!」
 シャルロットが叫ぶのも無理はない。まだ男を知らぬ身体なのだ。
 その純真無垢な肉体にアレシアが突きつけた人口の性器は、おぞましい凶器でしかない。
「それなら、そのまま我慢しつづけるかい、お嬢さん?」
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