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散らされて 七
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(やれやれ、屈辱のあまり気を失ってしもうたか。まだまだ調教は始まったばかりじゃというのに、他愛もない。じゃが、遂きながら気を失うとは、素質はあるのぅ)
(意外ですね。高潔な貴族軍人が)
(案外、潔癖な性分のものほど、ふだん抑制しておる分、欲は強いというぞ。こやつ、本来はなかなかの好き者なのかもしれぬ。くくくく)
(そろそろ起こしますか?)
ぼんやりした意識のなかで、アレクサンダーは二人の言葉が耳に入ってくるのを自覚していた。
(よい。さすがに最初からあまり厳しくしては、身体も心ももたぬじゃろうから、すこしは待ってやるか。長椅子に寝かせてやるがよい)
(へい、俺がしますよ)
(そのまえに後始末をしてやるがよい。そこに化粧紙がある)
(喜んで)
声の主がハサピスであることを思い出し、アレクサンダーの身体は嫌悪にこわばる。
だが、完全に覚醒せず、身体はぐったりと横たわったままで力が入らない。どこか、精神が逃避しているのかもしれない。
(やっぱり、遂くときは男の方で遂くんですねぇ)
紙がそこに押し付けられたことがわかり、アレクサンダーは相手の手を振りはらいたい気持ちにつき動かされたが、やはり身体は動かなかった。
(今はな。そのうち女の方も開発して、充分感じるようにしてやろう。どちらでも遂ける身体に仕込んでやらねばな。同時に気をやらせるよう仕込めば、さぞ客に受けるであろう)
(そんなこと、できるんですかい? いや、こんな気位の高そうな男がやるんでしょうかね?)
そう言うあいだも股間の先端をつつむ高級そうな硬質の紙の微妙な感触に、アレクサンダーは眉をしかめそうになる。
(できるとも。そうさせるのが妾の仕事で腕の見せどころじゃ。そのうち、自分の方から求める身体になるじゃろう。まぁ、見ておれ、妾の調教の手にかかれば、いつかは、おまえに対しても、自ら足をひらいておねだりするようになるであろう)
(意外ですね。高潔な貴族軍人が)
(案外、潔癖な性分のものほど、ふだん抑制しておる分、欲は強いというぞ。こやつ、本来はなかなかの好き者なのかもしれぬ。くくくく)
(そろそろ起こしますか?)
ぼんやりした意識のなかで、アレクサンダーは二人の言葉が耳に入ってくるのを自覚していた。
(よい。さすがに最初からあまり厳しくしては、身体も心ももたぬじゃろうから、すこしは待ってやるか。長椅子に寝かせてやるがよい)
(へい、俺がしますよ)
(そのまえに後始末をしてやるがよい。そこに化粧紙がある)
(喜んで)
声の主がハサピスであることを思い出し、アレクサンダーの身体は嫌悪にこわばる。
だが、完全に覚醒せず、身体はぐったりと横たわったままで力が入らない。どこか、精神が逃避しているのかもしれない。
(やっぱり、遂くときは男の方で遂くんですねぇ)
紙がそこに押し付けられたことがわかり、アレクサンダーは相手の手を振りはらいたい気持ちにつき動かされたが、やはり身体は動かなかった。
(今はな。そのうち女の方も開発して、充分感じるようにしてやろう。どちらでも遂ける身体に仕込んでやらねばな。同時に気をやらせるよう仕込めば、さぞ客に受けるであろう)
(そんなこと、できるんですかい? いや、こんな気位の高そうな男がやるんでしょうかね?)
そう言うあいだも股間の先端をつつむ高級そうな硬質の紙の微妙な感触に、アレクサンダーは眉をしかめそうになる。
(できるとも。そうさせるのが妾の仕事で腕の見せどころじゃ。そのうち、自分の方から求める身体になるじゃろう。まぁ、見ておれ、妾の調教の手にかかれば、いつかは、おまえに対しても、自ら足をひらいておねだりするようになるであろう)
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