94 / 183
散らされて 二
しおりを挟む
床に、またもちぎれた花びらのように衣が落ちた瞬間、ヒュー、という口笛を吹くような声がハサピスの口からもれる。
つい先ほどあれほど身体を密着させ、濃密な写真を撮られた間柄だというのに、アレクサンダーの肉体は見る者をけっして飽かせない。
眩しいほどに美しいのだ。
このような状況下にあって、奴隷の身に堕とされても、家柄や育ちからうかがえる高貴さ気高さ、清潔感、軍人として鍛えてきただけあって張りつめた肌や筋肉、若く青春のみずみずしさをたたえた肌、それでいて、やはり抑えきれない羞恥がしのばせる初々しさ。
いつまでも見ていたいと願うような、至高の芸術作品を前にしたときの感動を、ハサピスのような下卑た男や、控えている兵士たちにももたらすのである。
「どうした? 早うはじめぬか? いくらおまえでも自分でしたことはあるじゃろう? ほれ、結婚前に婚約者を思ってしたようにしてみるがよい」
激しい侮辱の言葉はアレクサンダーの神経を切りきざむ。
そして、ふと思ってしまう。
アディーレの姿を想像して、自涜の行為をしたことが、果たしてあったろうか。いや、アディーレにかぎらず、女性を思ってみずからをなぐさめるようなことが今まであったろうか。
一度もなかったことに、こんなときだがアレクサンダーは気づいた。
そもそも、自制心が人一倍強い性格だったせいか、アレクサンダーはいてもたってもいられない性衝動というのを、学生時代にも、思春期のときでさえも経験したことがない。人より性欲が少ないのだと思っていた。
成人してからも自らの肉体を触るなど、滅多になかった。どこかでそういったことに禁忌と忌避の気持ちがあったからかもしれない。
その、初心で純粋な身体を、今、こうして卑しい連中の前で剥き出しにされ、自らを汚す行為を強制されているのだ。
アレクサンダーは気を抜くと泣きくずれそうになるを、必死におさえ、指先を若い茎に向けた。
「そこで止まるでない。ほれ、手を動かすのじゃ。ここで妾らが見ている前で、いつも自分でしているようにしてみせろ。必要なら、おまえの婚約者……妻の写真をもってこさせようかぇ? ほほほほほ」
つい先ほどあれほど身体を密着させ、濃密な写真を撮られた間柄だというのに、アレクサンダーの肉体は見る者をけっして飽かせない。
眩しいほどに美しいのだ。
このような状況下にあって、奴隷の身に堕とされても、家柄や育ちからうかがえる高貴さ気高さ、清潔感、軍人として鍛えてきただけあって張りつめた肌や筋肉、若く青春のみずみずしさをたたえた肌、それでいて、やはり抑えきれない羞恥がしのばせる初々しさ。
いつまでも見ていたいと願うような、至高の芸術作品を前にしたときの感動を、ハサピスのような下卑た男や、控えている兵士たちにももたらすのである。
「どうした? 早うはじめぬか? いくらおまえでも自分でしたことはあるじゃろう? ほれ、結婚前に婚約者を思ってしたようにしてみるがよい」
激しい侮辱の言葉はアレクサンダーの神経を切りきざむ。
そして、ふと思ってしまう。
アディーレの姿を想像して、自涜の行為をしたことが、果たしてあったろうか。いや、アディーレにかぎらず、女性を思ってみずからをなぐさめるようなことが今まであったろうか。
一度もなかったことに、こんなときだがアレクサンダーは気づいた。
そもそも、自制心が人一倍強い性格だったせいか、アレクサンダーはいてもたってもいられない性衝動というのを、学生時代にも、思春期のときでさえも経験したことがない。人より性欲が少ないのだと思っていた。
成人してからも自らの肉体を触るなど、滅多になかった。どこかでそういったことに禁忌と忌避の気持ちがあったからかもしれない。
その、初心で純粋な身体を、今、こうして卑しい連中の前で剥き出しにされ、自らを汚す行為を強制されているのだ。
アレクサンダーは気を抜くと泣きくずれそうになるを、必死におさえ、指先を若い茎に向けた。
「そこで止まるでない。ほれ、手を動かすのじゃ。ここで妾らが見ている前で、いつも自分でしているようにしてみせろ。必要なら、おまえの婚約者……妻の写真をもってこさせようかぇ? ほほほほほ」
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
魔族に捕らえられた剣士、淫らに拘束され弄ばれる
たつしろ虎見
BL
魔族ブラッドに捕らえられた剣士エヴァンは、大罪人として拘束され様々な辱めを受ける。性器をリボンで戒められる、卑猥な動きや衣装を強制される……いくら辱められ、その身体を操られても、心を壊す事すら許されないまま魔法で快楽を押し付けられるエヴァン。更にブラッドにはある思惑があり……。
表紙:湯弐さん(https://www.pixiv.net/users/3989101)
受け付けの全裸お兄さんが店主に客の前で公開プレイされる大人の玩具専門店
ミクリ21 (新)
BL
大人の玩具専門店【ラブシモン】を営む執事服の店主レイザーと、受け付けの全裸お兄さんシモンが毎日公開プレイしている話。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる