紅蓮の島にて、永久の夢

文月 沙織

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闇の撮影会 八

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「ふむ。何をしておる、アレクサンダー、おまえも腕をハサピスの背にまわすのじゃ。これ、早うせぬか。抗えば、時間がかかるだけなのじゃぞ。そうじゃ、恋人同士のように手を伸ばすのじゃ」
 吐き気をこらえているアレクサンダーの耳に、カシャリ、という冷酷な音がまた響く。
「そうじゃ。もっと強く抱きあうのじゃ、熱愛する恋人同士のようにな」
 さらに強く抱きしめられてアレクサンダーは気が遠くなりそうだった。
「頬をかさねてみろ。じゃが、接吻は許さぬぞ」
 カシャリーー。
「よし、次はそこの寝椅子に座って抱き合うがよい。アレクサンダーは背もたれに手をかけるのじゃ。おお、良いのう。嫌がる相手を追うようじゃ」
 この場合、まさにそうなのだが、見た目にはアレクサンダー自身、ピロテスの淫猥な演技指導に従順にしたがっているかのように見えるだろう。
 カシャリ、カシャリ、と機械音がつづき、この淫らで過酷な時間を永遠に留めてしまう。
「次は椅子の上でアレクサンダーが横たわり、そこにハサピスがのしかかるのじゃ」
 カシャリーー。
 二人ともすでにほぼ全裸になっていた。
 ハサピスは息を荒くしたり、汗を浮かべたりして、この楽しい労働に燃えていた。
 距離を取って佇立している兵士たちの目も欲望に燃えて、二人の淫らな姿を凝視している。正確には、アレクサンダーの艶姿に見とれているのだ。
 淫猥な姿をさらしながらも、まだ清いアレクサンダーの身体は、強烈な魅力と色気をほとばしらせ、見る者を圧倒する。
 アレクサンダーはほとんど感情を喪失して、死んだ気になって耐えていたが、さすがにピロテスが次に指示した言葉には逆らわずにいられなかった。
「アレクサンダーの脚を開かせるのじゃ」
 椅子に座っているハサピスの膝上に、アレクサンダーは子どものように座らされていた。
 それで背後からハサピスにアレクサンダーの両腿を開かせろというのだ。
「よ、よせ!」
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