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闇の撮影会 六
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へへへへへ……、とハサピスはまた卑しい笑いを見せる。
「そうじゃ、ゆっくり、そっと触ってみるがいい。じゃが、触るだけじゃぞ。それ以上は許さぬぞ」
「へい」
餌を与えられた野良犬よろしく、ハサピスは欲望にみなぎる脂ぎった指で、アレクサンダーの聖域を汚そうとする。
「うっ……」
唾棄すべき男に、決して触れてほしくない箇所をいじられたアレクサンダーは、眉をしかめずにいられない。
しかも、意外にも、ハサピスの手つきは慇懃だった。
いっそ乱暴であった方が、この場合まだ救いだったかもしれない。
「あっ……、ああ……」
アレクサンダーの呻きに、驚いたのはハサピスの方だった。
「感じやすいな、あんた。ふたなりっていうのは、みなこんなに感じやすいもんなですかね」
問いはピロテスに向けられている。普段なら、こんな口調は許さないピロテスだが、今は寛容に聞き流して答えた。
「こやつは特に感じやすいのじゃろう。もともと感受性が強く、繊細な質なのじゃろうな」
珍しくピロテスの言葉には揶揄の響きはなく、それに続くかすかな呟きが唇からもれる。
「じゃが、それは苦労が多いだけじゃろうに……」
その言葉はたいして気にもとめず、ハサピスは指の動きを速めた。
「うう……」
歯を食いしばり、男のあたえる刺激にアレクサンダーは必死に耐えた。
「すげぇ……色っぽい。白い肌がほんのり桃色になって。いいな、その嫌がる顔も。どうだい、お嬢さん、俺みたいな下賤の男も、たまには悪くないだろう?」
否定するように激しく頭を振るアレクサンダー。
「ますますいいねぇ、その切なげな顔。いや、いや、と云いながら、あんたの坊やは喜んでいるじゃないか」
嘘のお仕置き、とばかりにハサピスは先端を指でつつく。
「はぁっ……!」
今や文字どおりアレクサンダーはハサピスの手のなかでいいようにされていた。
「そうじゃ、ゆっくり、そっと触ってみるがいい。じゃが、触るだけじゃぞ。それ以上は許さぬぞ」
「へい」
餌を与えられた野良犬よろしく、ハサピスは欲望にみなぎる脂ぎった指で、アレクサンダーの聖域を汚そうとする。
「うっ……」
唾棄すべき男に、決して触れてほしくない箇所をいじられたアレクサンダーは、眉をしかめずにいられない。
しかも、意外にも、ハサピスの手つきは慇懃だった。
いっそ乱暴であった方が、この場合まだ救いだったかもしれない。
「あっ……、ああ……」
アレクサンダーの呻きに、驚いたのはハサピスの方だった。
「感じやすいな、あんた。ふたなりっていうのは、みなこんなに感じやすいもんなですかね」
問いはピロテスに向けられている。普段なら、こんな口調は許さないピロテスだが、今は寛容に聞き流して答えた。
「こやつは特に感じやすいのじゃろう。もともと感受性が強く、繊細な質なのじゃろうな」
珍しくピロテスの言葉には揶揄の響きはなく、それに続くかすかな呟きが唇からもれる。
「じゃが、それは苦労が多いだけじゃろうに……」
その言葉はたいして気にもとめず、ハサピスは指の動きを速めた。
「うう……」
歯を食いしばり、男のあたえる刺激にアレクサンダーは必死に耐えた。
「すげぇ……色っぽい。白い肌がほんのり桃色になって。いいな、その嫌がる顔も。どうだい、お嬢さん、俺みたいな下賤の男も、たまには悪くないだろう?」
否定するように激しく頭を振るアレクサンダー。
「ますますいいねぇ、その切なげな顔。いや、いや、と云いながら、あんたの坊やは喜んでいるじゃないか」
嘘のお仕置き、とばかりにハサピスは先端を指でつつく。
「はぁっ……!」
今や文字どおりアレクサンダーはハサピスの手のなかでいいようにされていた。
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