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魔婦の訓育 二
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そこは、アレクサンダー自身、ほとんど見たことがない肉体の秘奥である。
「んっ……んん」
ピロテスの指はいそがない。
恨めしいほどに、ゆっくり、ゆっくりと谷間を撫であげる。強引に侵入するのではなく、つつましい花がみずから花弁をほどくのをちゃんと待っているのだ。
「あっ、ああっ、よ、よせ! や、やめろ、変態!」
その言葉はピロテスを笑わせただけだった。
「どっちが? こんなものを見せつけおって」
指が、ほんの少しだけ花弁を凌駕する。
「くぅーっ!」
「感度が良いのぅ。あまり良すぎるのも娼婦としてはどうかと思うが、高級娼婦になるには、良いかもしれぬのぅ」
ピロテスの瞳には暗い欲望と情熱が燃えている。
「この身体で、どんな男も篭絡できるように仕込んでやるわ。ひとたびお前を抱いた男たちは、皆おまえに夢中になって忘れられなくなるようになる。わらわは、お前をとびきり上等の高級娼婦、それも魔性の娼婦に仕立ててやるつもりじゃ。心しておけ」
「な、なにを……」
言っているのだ、という言葉はつづかなかった。ピロテスの指が、さらに深く入ってきたからだ。
香油が呼び水となったように、アレクサンダー自身も知らなかった花弁の奥にある泉が沸きあふれだす。
「くぅ……」
それでも、尚ピロテスは、ピロテスの指はいそがない。そこに残酷なまでの冷静さがただよっている。
「あっ……、ああっ」
じっくりと、ねっとりと、指は絶妙な動きで、秘密の花園を犯し、侵略していく。
引き締まった白い太ももにしたたりを感じて、アレクサンダーはいたたまれなさに泣きたくなるのを堪えた。
「うううう……」
ついにアレクサンダーは、はげしい絶望感に襲われた。
「んっ……んん」
ピロテスの指はいそがない。
恨めしいほどに、ゆっくり、ゆっくりと谷間を撫であげる。強引に侵入するのではなく、つつましい花がみずから花弁をほどくのをちゃんと待っているのだ。
「あっ、ああっ、よ、よせ! や、やめろ、変態!」
その言葉はピロテスを笑わせただけだった。
「どっちが? こんなものを見せつけおって」
指が、ほんの少しだけ花弁を凌駕する。
「くぅーっ!」
「感度が良いのぅ。あまり良すぎるのも娼婦としてはどうかと思うが、高級娼婦になるには、良いかもしれぬのぅ」
ピロテスの瞳には暗い欲望と情熱が燃えている。
「この身体で、どんな男も篭絡できるように仕込んでやるわ。ひとたびお前を抱いた男たちは、皆おまえに夢中になって忘れられなくなるようになる。わらわは、お前をとびきり上等の高級娼婦、それも魔性の娼婦に仕立ててやるつもりじゃ。心しておけ」
「な、なにを……」
言っているのだ、という言葉はつづかなかった。ピロテスの指が、さらに深く入ってきたからだ。
香油が呼び水となったように、アレクサンダー自身も知らなかった花弁の奥にある泉が沸きあふれだす。
「くぅ……」
それでも、尚ピロテスは、ピロテスの指はいそがない。そこに残酷なまでの冷静さがただよっている。
「あっ……、ああっ」
じっくりと、ねっとりと、指は絶妙な動きで、秘密の花園を犯し、侵略していく。
引き締まった白い太ももにしたたりを感じて、アレクサンダーはいたたまれなさに泣きたくなるのを堪えた。
「うううう……」
ついにアレクサンダーは、はげしい絶望感に襲われた。
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