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夏の亡霊
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「さらに言ってしまうなら、安治から聞いた話ですが、あのお清さん、いっとき安治とそういう関係にあったこともあるらしいです」
「男女の関係ということか?」
朝の庭でこっそりと須藤は私に囁いた。少しはなれた所では警官たちが現場の認証にいそがしい。
「まだ奴が学生時代に、ときどきこの屋敷に泊まりに来ることがあったそうですよ。そのときにね……。どうやら旦那もご存知で、多分もてあましていたんでしょうね。お清のことを、安治に下げわたしたんですよ。」
「たしかにひどい奴だな。安治も、松林氏も、おまえも」
「否定はしません。たぶん……だからこそ、安治が家を継ぐ可能性がつよくなったとき、彼女は煩悶したんでしょうね。どこかで、よりを戻して、あわよくば自分が安治の正妻、は無理でも愛人の座を、という。大事な坊ちゃんが悪い男にいいようにされていても、見て見ぬふり、いえ、むしろ坊ちゃんが本当に旦那に愛想をつかされるようなことでも起これば、と心のどこかで願っていたのかもしれない」
「あー、やっぱりおまえ、あの美少年に手を出したな」
夏の朝日を背に須藤は笑う。否定の言葉はないが、その笑みがすべてを物語っていた。
「役得というものでしょう。正直、奥さんを誘惑するよりずっと楽しかったですよ」
「鬼だな、貴様。美紀さんの言うとおり、おまえら全員ひどい奴だ」
「まあね。ですが、安治の奴、言ってました。お清さんのことを最初はただただ大人しい女だと思ったけれど、見かけによらず怖いところがる、と。それで最初からお清さんを睨んでいたんですが、時折、お清さんが奥さんの食事に薬――睡眠薬かなにかを入れていてるのを見たんですよ。そのせいでしょう、奥さんは急にだるそうになったり、眠りこんだりしてましたよ。そうして、お清さんは屋敷のなかを自分の思いどおりに仕切っていたんでしょうね。俺が坊ちゃんに手出ししても止めようとしなかったし、安樹になっていた坊ちゃんに近づいていても、なにもしようとせず傍観していた。心のなかでは、きっとそうやって坊ちゃんが落ちていくのを期待していたんでしょう。忠実な女中の顔をしながら、実は残酷な復讐心に燃えていたんですよ」
心なしか、そう語る須藤の横顔に怒りはなく、奇妙な静かさがただよっているのは、もしかしたら妾腹の生まれという彼の出自が原因かもしれない。戦争からまだ十年。家、家名のために人間が、とくに女や子どもが人あつかいされずに犬か猫のようにあつかわれた時代や世界はまだまだ消えてはいないのだ。そしてこれからも完全になくなることはないだろう。
思えば、お清も哀れである。だがやはりひどい。道子夫人も悲しい人だが、息子のために強くなろうとはしなかった。そういう連中にかこまれて育ち、今父もなく孤児となった竜樹少年がつくづく哀れになってくる。
朝日が、犬黄楊の木を照らしている。その向こうに、いるはずのはい紅い着物すがたの美少女――安樹の亡霊を私は見た気がした。
「おい、今すぐ用意しろ」
悪魔のような男はずかずかと僕の部屋に入ってきた。
「な、なんなんだよ? なんでおまえがまだいるんだ?」
この男が探偵で、母の秘密をさぐりに来たのだということはすでに美紀や、父、いや父だった男からも聞かされていた。
「今すぐ荷物をまとめろ」
「え?」
母は精神病人に入院して、もう出ることもないという。義父からは、この屋敷は売り払うから、叔父の家に行くように言われていた。だが、叔父とは付き合いなどなく、向こうからも自分が迷惑がられていることはわかっている。
「叔父さんの家へ行けっていうのか? それは来月からだろう」
夏が終わるまではこの屋敷にいていいと言われているはずだ。
「いや、俺のところに来るんだ」
「おまえのところ?」
びっくりして訊きかえす僕に、須藤はさも当然という顔でうなずくと、さっさと僕の本を荷造りしだす。
「な、なにしてるんだ?」
「おまえもう十六だろう? 親戚にたよらなくても一人で生きていけるだろう?」
「……」
「明日から、いや、今日から働け。おまえは今日から須藤探偵事務所の助手だ」
「助手?」
探偵の助手? 僕が?
「冗談じゃない、なんで僕がおまえの助手にならなきゃいけないんだ」
怒りに頬が熱くなる。
「俺のそばにいたら、仕返しができるぞ。たとえば、コーヒーに塩を入れるとか、パンに辛子を盛るとかな」
餓鬼大将のようにずるがしこい笑い顔でそんなことを言う。
「何言ってるんだよ」
僕は思いっきり変な顔になっていたろう。
「ほら、竜樹、さっさとしろ。もう坊ちゃんじゃないんだぞ」
竜樹と呼ばれて、我知らず胸が高鳴った。
結局、それから一時間かけて、僕はいやいやながら自分の荷物を整理した。かさばるものは、あとで運送屋にたのむことにして、とにかく必要な服と本だけは持っていけるようにした。
「そら、行くぞ、助手」
「う、うん」
つい返事してしまっていた。
「はい、って言え。今日からはおまえはもう社会人だ」
「……はい」
しぶしぶ僕は言う。複雑だが、叔父のところに行くよりかは、まだこいつの仕事を手伝うほうがマシかもしれない。本当にコーヒーに塩を入れてやれるかもしれないし。
両手にそれぞれ荷物を持って庭を歩きながら、須藤はぽつりと言う。
「あのな……ひどい女だったけれど、あんまりお清さんのこと恨むなよ」
「あんたが言うのか?」
こいつにされたことを思い出すと怒りがわいてくる。そうだ、ゆるしたわけじゃないぞ。
「まぁ、そうだけどな。あの人……若いときに旦那の手がついて、一度子を堕ろしたことがあるらしい。自分の子はまぎれもなく松林氏の血をひく子なのにどうして、という恨みがずっとあったんだろう」
義父の血を引く子を堕ろし、母の不義によって生まれた僕につかえていたお清はどんな気持ちだったのだろう。心から自分を想ってくれていたときも確かにあったのだ。だが安治が決定的にお清を変えてしまった。芝居に出てくる滝川のように、お清は男によって豹変してしまったのだ。
今思うと、それも無理はない。お清は、この屋敷と、男たちにに人生を奪われつづけていたのだ。そして、心の底で母のことも僕のことも恨んでいたのだろう。
「安治のことも、けっこう本気で好きだったみたいだが、……向こうははなから遊びでそんな気はまるでないし。男たちにいいようにされ、どんどんおかしくなっていったんだろうな。思えば哀れな人だ」
そうかもしれない……。
まだまだ複雑な想いでいっぱいだけれど、すくなくともこの男の、あのときの言葉は真実だったのだ。僕をさらって行ってしまいたい、という他愛もないはずの言葉を、今実行している。
僕は乱れる想いをふりきるようにして屋敷の庭をながめた。
そこに顔もしらない姉、安樹が立って見送ってくれているような気がした。
だが、その背後には暗い目をしたお清の顔が浮かぶ。
もう恨みはわかなかった。お清には、約束をはたしてくれる相手は誰もいなかったのだから。
「重たいか?」
気遣うように僕をふりむく須藤に、僕は生意気に言っていた。
「平気だよ」
終わり
参考資料
「名作歌舞伎全集」 第二十三巻
東京創元社
「男女の関係ということか?」
朝の庭でこっそりと須藤は私に囁いた。少しはなれた所では警官たちが現場の認証にいそがしい。
「まだ奴が学生時代に、ときどきこの屋敷に泊まりに来ることがあったそうですよ。そのときにね……。どうやら旦那もご存知で、多分もてあましていたんでしょうね。お清のことを、安治に下げわたしたんですよ。」
「たしかにひどい奴だな。安治も、松林氏も、おまえも」
「否定はしません。たぶん……だからこそ、安治が家を継ぐ可能性がつよくなったとき、彼女は煩悶したんでしょうね。どこかで、よりを戻して、あわよくば自分が安治の正妻、は無理でも愛人の座を、という。大事な坊ちゃんが悪い男にいいようにされていても、見て見ぬふり、いえ、むしろ坊ちゃんが本当に旦那に愛想をつかされるようなことでも起これば、と心のどこかで願っていたのかもしれない」
「あー、やっぱりおまえ、あの美少年に手を出したな」
夏の朝日を背に須藤は笑う。否定の言葉はないが、その笑みがすべてを物語っていた。
「役得というものでしょう。正直、奥さんを誘惑するよりずっと楽しかったですよ」
「鬼だな、貴様。美紀さんの言うとおり、おまえら全員ひどい奴だ」
「まあね。ですが、安治の奴、言ってました。お清さんのことを最初はただただ大人しい女だと思ったけれど、見かけによらず怖いところがる、と。それで最初からお清さんを睨んでいたんですが、時折、お清さんが奥さんの食事に薬――睡眠薬かなにかを入れていてるのを見たんですよ。そのせいでしょう、奥さんは急にだるそうになったり、眠りこんだりしてましたよ。そうして、お清さんは屋敷のなかを自分の思いどおりに仕切っていたんでしょうね。俺が坊ちゃんに手出ししても止めようとしなかったし、安樹になっていた坊ちゃんに近づいていても、なにもしようとせず傍観していた。心のなかでは、きっとそうやって坊ちゃんが落ちていくのを期待していたんでしょう。忠実な女中の顔をしながら、実は残酷な復讐心に燃えていたんですよ」
心なしか、そう語る須藤の横顔に怒りはなく、奇妙な静かさがただよっているのは、もしかしたら妾腹の生まれという彼の出自が原因かもしれない。戦争からまだ十年。家、家名のために人間が、とくに女や子どもが人あつかいされずに犬か猫のようにあつかわれた時代や世界はまだまだ消えてはいないのだ。そしてこれからも完全になくなることはないだろう。
思えば、お清も哀れである。だがやはりひどい。道子夫人も悲しい人だが、息子のために強くなろうとはしなかった。そういう連中にかこまれて育ち、今父もなく孤児となった竜樹少年がつくづく哀れになってくる。
朝日が、犬黄楊の木を照らしている。その向こうに、いるはずのはい紅い着物すがたの美少女――安樹の亡霊を私は見た気がした。
「おい、今すぐ用意しろ」
悪魔のような男はずかずかと僕の部屋に入ってきた。
「な、なんなんだよ? なんでおまえがまだいるんだ?」
この男が探偵で、母の秘密をさぐりに来たのだということはすでに美紀や、父、いや父だった男からも聞かされていた。
「今すぐ荷物をまとめろ」
「え?」
母は精神病人に入院して、もう出ることもないという。義父からは、この屋敷は売り払うから、叔父の家に行くように言われていた。だが、叔父とは付き合いなどなく、向こうからも自分が迷惑がられていることはわかっている。
「叔父さんの家へ行けっていうのか? それは来月からだろう」
夏が終わるまではこの屋敷にいていいと言われているはずだ。
「いや、俺のところに来るんだ」
「おまえのところ?」
びっくりして訊きかえす僕に、須藤はさも当然という顔でうなずくと、さっさと僕の本を荷造りしだす。
「な、なにしてるんだ?」
「おまえもう十六だろう? 親戚にたよらなくても一人で生きていけるだろう?」
「……」
「明日から、いや、今日から働け。おまえは今日から須藤探偵事務所の助手だ」
「助手?」
探偵の助手? 僕が?
「冗談じゃない、なんで僕がおまえの助手にならなきゃいけないんだ」
怒りに頬が熱くなる。
「俺のそばにいたら、仕返しができるぞ。たとえば、コーヒーに塩を入れるとか、パンに辛子を盛るとかな」
餓鬼大将のようにずるがしこい笑い顔でそんなことを言う。
「何言ってるんだよ」
僕は思いっきり変な顔になっていたろう。
「ほら、竜樹、さっさとしろ。もう坊ちゃんじゃないんだぞ」
竜樹と呼ばれて、我知らず胸が高鳴った。
結局、それから一時間かけて、僕はいやいやながら自分の荷物を整理した。かさばるものは、あとで運送屋にたのむことにして、とにかく必要な服と本だけは持っていけるようにした。
「そら、行くぞ、助手」
「う、うん」
つい返事してしまっていた。
「はい、って言え。今日からはおまえはもう社会人だ」
「……はい」
しぶしぶ僕は言う。複雑だが、叔父のところに行くよりかは、まだこいつの仕事を手伝うほうがマシかもしれない。本当にコーヒーに塩を入れてやれるかもしれないし。
両手にそれぞれ荷物を持って庭を歩きながら、須藤はぽつりと言う。
「あのな……ひどい女だったけれど、あんまりお清さんのこと恨むなよ」
「あんたが言うのか?」
こいつにされたことを思い出すと怒りがわいてくる。そうだ、ゆるしたわけじゃないぞ。
「まぁ、そうだけどな。あの人……若いときに旦那の手がついて、一度子を堕ろしたことがあるらしい。自分の子はまぎれもなく松林氏の血をひく子なのにどうして、という恨みがずっとあったんだろう」
義父の血を引く子を堕ろし、母の不義によって生まれた僕につかえていたお清はどんな気持ちだったのだろう。心から自分を想ってくれていたときも確かにあったのだ。だが安治が決定的にお清を変えてしまった。芝居に出てくる滝川のように、お清は男によって豹変してしまったのだ。
今思うと、それも無理はない。お清は、この屋敷と、男たちにに人生を奪われつづけていたのだ。そして、心の底で母のことも僕のことも恨んでいたのだろう。
「安治のことも、けっこう本気で好きだったみたいだが、……向こうははなから遊びでそんな気はまるでないし。男たちにいいようにされ、どんどんおかしくなっていったんだろうな。思えば哀れな人だ」
そうかもしれない……。
まだまだ複雑な想いでいっぱいだけれど、すくなくともこの男の、あのときの言葉は真実だったのだ。僕をさらって行ってしまいたい、という他愛もないはずの言葉を、今実行している。
僕は乱れる想いをふりきるようにして屋敷の庭をながめた。
そこに顔もしらない姉、安樹が立って見送ってくれているような気がした。
だが、その背後には暗い目をしたお清の顔が浮かぶ。
もう恨みはわかなかった。お清には、約束をはたしてくれる相手は誰もいなかったのだから。
「重たいか?」
気遣うように僕をふりむく須藤に、僕は生意気に言っていた。
「平気だよ」
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「名作歌舞伎全集」 第二十三巻
東京創元社
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