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蜜玉遊び 七
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「おやおや……」
イハウが淫らな笑みを浮かべた。脂ぎった口のあたりがいやらしげに、蝋燭の灯りに照らされて光る。巨大な蛙のようだとダリクは思った。
「まぁ、サイラスったら、とんだ粗相を」
マーメイがわざとらしく眉をしかめ、サイラスの頬をさらに赤らめさせる。
「ち、ちが……」
むろん、広がる香から、イハウにもサイラスの薄衣を濡らす妖し気なしたたりが何なのか知れたろうが、笑みは消えない。
「困った子じゃ。齢は幾つじゃ?」
「十八ですわ」
すかさずマーメイが口をはさむ。実際は二十二ではあるが、痩せてほっそりとした身体つきは十八といっても疑われないだろう。
もっとも、この時代、幼男娼となる色子は早くて十一、二から客をとりはじめ、十五、六が盛りと言われており、十八ともなれば色子としては薹がたったと言われて客は減る。男娼として二十歳を過ぎても売れる者もいるが、値は下がるものである。
勿論、人の好みはそれぞれで、なかには成人男性を屈服させるのが趣味だという嗜好の客もおおく、どちらかといえば「悦楽の園」は、そういった大人を好む客向けの店なので、サイラスの美貌なら充分売れるとマーメイは踏んでいる。
「十八にもなって、おもらしをするのか? 悪い子じゃ」
「ち、ちがう、これは!」
真っ赤になって恥ずかしがるサイラスを腕に抱きよせると、しずくに淫らに濡れた布のうえから、イハウはサイラスの太腿を撫で上げた。
「おお、可愛い子じゃのう。泣くでない。可愛がってやろうに」
「ああ!」
イハウがもったりとし厚い手で、サイラスの衣をまくしあげた。白い、つややかな肌があらわになる。
「い、いやだ、ここでは、いやだ!」
ダリクに犯され、道具などで身体は慣らされはしたものの、まだまだ初心で元来潔癖なサイラスにはこの状況は拷問だ。しかも彼には人には見られたくない肉体の秘密をかかえているのだ。いやがって、どうにか男の手から逃れようともがく。
「おお、けっこう強いではないか」
男娼とは思えぬ激しい抵抗にイハウは目を見張った。
「ディリオス、ダリク、手伝ってちょうだい。サイラスを押さえつけて」
「あ、よせ! はなせ!」
あがくサイラスをダリクはディリオスと二人がかりで、真紅の絨毯のうえに蝶を針で刺すように縫いとめる。
「イハウ様、サイラスはひとりで二人分の楽しみを作りだすことができますのよ。ご覧あれ」
「ああっ!」
マーメイは無残にもサイラスの尊厳を必死にまもっていた薄衣をはぎとってしまった。さらにディリオスとダリクに手足をおさえこまれ、隠すこもとできずサイラスはイハウの目にすべてをさらけだす羽目になった。
「ジャハギル、そっちの足を持って広げてやって」
「まかしといて」
言われたジャハギルが足をおさえこんでいるディリオスと向かいあうようにして、サイラスの左足の膝を折らせて、思いっきり広げさせる。
「ああ! いやだ、いや!」
哀れなサイラスは耳たぶまで真っ赤にして泣きじゃくった。ダリクがおさえこんでいるサイラス手や腕から、彼の血がその白い肌のしたで熱く早く渦巻いているのが伝わってくる。同時にほのかな汗の匂いやどこか甘い体臭、そしてめくるめく麝香のかおりに酔いそうになり、ダリクはサイラスの手首をにぎる自分の手にいっそうの力を込めた。
イハウが淫らな笑みを浮かべた。脂ぎった口のあたりがいやらしげに、蝋燭の灯りに照らされて光る。巨大な蛙のようだとダリクは思った。
「まぁ、サイラスったら、とんだ粗相を」
マーメイがわざとらしく眉をしかめ、サイラスの頬をさらに赤らめさせる。
「ち、ちが……」
むろん、広がる香から、イハウにもサイラスの薄衣を濡らす妖し気なしたたりが何なのか知れたろうが、笑みは消えない。
「困った子じゃ。齢は幾つじゃ?」
「十八ですわ」
すかさずマーメイが口をはさむ。実際は二十二ではあるが、痩せてほっそりとした身体つきは十八といっても疑われないだろう。
もっとも、この時代、幼男娼となる色子は早くて十一、二から客をとりはじめ、十五、六が盛りと言われており、十八ともなれば色子としては薹がたったと言われて客は減る。男娼として二十歳を過ぎても売れる者もいるが、値は下がるものである。
勿論、人の好みはそれぞれで、なかには成人男性を屈服させるのが趣味だという嗜好の客もおおく、どちらかといえば「悦楽の園」は、そういった大人を好む客向けの店なので、サイラスの美貌なら充分売れるとマーメイは踏んでいる。
「十八にもなって、おもらしをするのか? 悪い子じゃ」
「ち、ちがう、これは!」
真っ赤になって恥ずかしがるサイラスを腕に抱きよせると、しずくに淫らに濡れた布のうえから、イハウはサイラスの太腿を撫で上げた。
「おお、可愛い子じゃのう。泣くでない。可愛がってやろうに」
「ああ!」
イハウがもったりとし厚い手で、サイラスの衣をまくしあげた。白い、つややかな肌があらわになる。
「い、いやだ、ここでは、いやだ!」
ダリクに犯され、道具などで身体は慣らされはしたものの、まだまだ初心で元来潔癖なサイラスにはこの状況は拷問だ。しかも彼には人には見られたくない肉体の秘密をかかえているのだ。いやがって、どうにか男の手から逃れようともがく。
「おお、けっこう強いではないか」
男娼とは思えぬ激しい抵抗にイハウは目を見張った。
「ディリオス、ダリク、手伝ってちょうだい。サイラスを押さえつけて」
「あ、よせ! はなせ!」
あがくサイラスをダリクはディリオスと二人がかりで、真紅の絨毯のうえに蝶を針で刺すように縫いとめる。
「イハウ様、サイラスはひとりで二人分の楽しみを作りだすことができますのよ。ご覧あれ」
「ああっ!」
マーメイは無残にもサイラスの尊厳を必死にまもっていた薄衣をはぎとってしまった。さらにディリオスとダリクに手足をおさえこまれ、隠すこもとできずサイラスはイハウの目にすべてをさらけだす羽目になった。
「ジャハギル、そっちの足を持って広げてやって」
「まかしといて」
言われたジャハギルが足をおさえこんでいるディリオスと向かいあうようにして、サイラスの左足の膝を折らせて、思いっきり広げさせる。
「ああ! いやだ、いや!」
哀れなサイラスは耳たぶまで真っ赤にして泣きじゃくった。ダリクがおさえこんでいるサイラス手や腕から、彼の血がその白い肌のしたで熱く早く渦巻いているのが伝わってくる。同時にほのかな汗の匂いやどこか甘い体臭、そしてめくるめく麝香のかおりに酔いそうになり、ダリクはサイラスの手首をにぎる自分の手にいっそうの力を込めた。
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