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十三
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(可愛い! こんなに可愛いとは……)
ディオメデスはほとんど感動した。
それからも、往生際悪く嫌がりつづけるリィウスをなだめすかし、おどし、求める行為をやり遂げさせたときは、かなりの時間がたっていた。
気づけば、すでに日はかたむきはじめ、室内もいっそう薄暗くなっている。太陽神は安らぎの時間に入り、妹の月神に世界をゆだねようとしている。
そろそろ気の早い客が娼館を訪れてもおかしくない時刻であり、秘密の恋人同士が快楽をむさぼりあうに、ふさわしい頃になっていた。
「ああ! あああ! 駄目、駄目だぁ!」
泣きじゃくるリィウスを抱きしめ、ディオメデスは最後の仕上げに入るべく準備した。
「いいな? いくぞ」
「待って! 待ってくれ! 駄目だ、そんなこと、絶対駄目だ!」
リィウスはほとんど錯乱状態になっているようで、ディオメデスを本気であきれさせた。
「今更なにを言っている?」
そんな言葉をつぶやくディオメデスに、リィウスは尚も聞き分けのない幼児のように首を振り、拒絶をつたえる。
「何が駄目なんだ、こんなにして。ほら、いい子だ、後は全部俺にまかせておけ」
「やめて! やめてくれ! ああ、後生だから、もうやめてくれ!」
「やめれるか!」
怒鳴るような口調とは裏腹に、ディオメデスはやさしくリィウスの額に接吻をひとつ落とす。
「おまえは、俺のものだ」
「ああ……」
それから、ディオメデスは持てるすべての力を、リィウスという名の、神が作りたもうた美しい器にそそいだ。
リィウスはディオメデスの膝上でのけぞり、絶叫をはなった。
その声は、早くに来た好き者の客を赤面させるほどに激しく、濃艶なものだった。
ディオメデスはほとんど感動した。
それからも、往生際悪く嫌がりつづけるリィウスをなだめすかし、おどし、求める行為をやり遂げさせたときは、かなりの時間がたっていた。
気づけば、すでに日はかたむきはじめ、室内もいっそう薄暗くなっている。太陽神は安らぎの時間に入り、妹の月神に世界をゆだねようとしている。
そろそろ気の早い客が娼館を訪れてもおかしくない時刻であり、秘密の恋人同士が快楽をむさぼりあうに、ふさわしい頃になっていた。
「ああ! あああ! 駄目、駄目だぁ!」
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「いいな? いくぞ」
「待って! 待ってくれ! 駄目だ、そんなこと、絶対駄目だ!」
リィウスはほとんど錯乱状態になっているようで、ディオメデスを本気であきれさせた。
「今更なにを言っている?」
そんな言葉をつぶやくディオメデスに、リィウスは尚も聞き分けのない幼児のように首を振り、拒絶をつたえる。
「何が駄目なんだ、こんなにして。ほら、いい子だ、後は全部俺にまかせておけ」
「やめて! やめてくれ! ああ、後生だから、もうやめてくれ!」
「やめれるか!」
怒鳴るような口調とは裏腹に、ディオメデスはやさしくリィウスの額に接吻をひとつ落とす。
「おまえは、俺のものだ」
「ああ……」
それから、ディオメデスは持てるすべての力を、リィウスという名の、神が作りたもうた美しい器にそそいだ。
リィウスはディオメデスの膝上でのけぞり、絶叫をはなった。
その声は、早くに来た好き者の客を赤面させるほどに激しく、濃艶なものだった。
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