122 / 360
九
しおりを挟む
サラミスの白い肌は全体にうっすら桃色に染めあげられている。華奢に見えた身体だが、ほどよく肉はついており、胸も尻も豊かで、全身が緋色真珠のように輝いている。
かつて、この柘榴荘に来たときリィウスを驚かせたヴィーナスの丘もあらわになり、リィウスはふたたび顔を伏せた。
「サラミスのやり方をよく見ているがいいわ」
出来の悪い生徒を叱咤する女教師のように、タルペイアがリィウスに命じる。リィウスは頬が熱くなるのを感じながら伏せた顔をもどす。
見たくない。見るのが恐ろしい。だが、見なければならない。自分の代わりに拷問台に向かう娘の後ろ姿は、リィウスには眩しい。
アスクラは慣れているのか、指示されずとも壁際の箪笥を開けた。このころの箪笥は、衣類ではなく什器や小道具をしまうためにあり、アスクラは中から何やら小瓶のようなものを取り出した。
香油が入っていたようで、ほのかな微香がリィウスのところまで漂ってくる。リィウスが息をつめて見守るなか、アスクラはその液体を、馬の突起物にしたたらせた。
別の細身の宦官が用意した踏み台に、ゆったりとした動作でサラミスが足をかける。
「補助をしてやるといいわ」
アスクラと向かいあうように、細身の奴隷宦官が、馬の反対側に行き、二人でサラミスの胴をささえてやる。
「ああ……」
ゆっくりと、ゆっくりと宦官たちはサラミスの白い肉体を馬の背に置く。
香油の力を借りずとも、すでに、サラミスは潤っていたようだ。
一瞬、金色の眉をしかめただけで、つぎには甘い吐息を唇から放つ。
白い肉が、黒水晶の器物を呑み込んでいく。
「ああ……」
リィウスは目を逸らしたいのをこらえて、サラミスの信じられないような艶かしい姿態を凝視した。
「あっ……! うっ、うう……ん」
「本当に、この娘は好きね」
タルペイアが呆れた声をはなつ。
「娘たちのなかには嫌がって泣く者もいるのだけれど、このサラミスは、喜んでやっているのよ」
かつて、この柘榴荘に来たときリィウスを驚かせたヴィーナスの丘もあらわになり、リィウスはふたたび顔を伏せた。
「サラミスのやり方をよく見ているがいいわ」
出来の悪い生徒を叱咤する女教師のように、タルペイアがリィウスに命じる。リィウスは頬が熱くなるのを感じながら伏せた顔をもどす。
見たくない。見るのが恐ろしい。だが、見なければならない。自分の代わりに拷問台に向かう娘の後ろ姿は、リィウスには眩しい。
アスクラは慣れているのか、指示されずとも壁際の箪笥を開けた。このころの箪笥は、衣類ではなく什器や小道具をしまうためにあり、アスクラは中から何やら小瓶のようなものを取り出した。
香油が入っていたようで、ほのかな微香がリィウスのところまで漂ってくる。リィウスが息をつめて見守るなか、アスクラはその液体を、馬の突起物にしたたらせた。
別の細身の宦官が用意した踏み台に、ゆったりとした動作でサラミスが足をかける。
「補助をしてやるといいわ」
アスクラと向かいあうように、細身の奴隷宦官が、馬の反対側に行き、二人でサラミスの胴をささえてやる。
「ああ……」
ゆっくりと、ゆっくりと宦官たちはサラミスの白い肉体を馬の背に置く。
香油の力を借りずとも、すでに、サラミスは潤っていたようだ。
一瞬、金色の眉をしかめただけで、つぎには甘い吐息を唇から放つ。
白い肉が、黒水晶の器物を呑み込んでいく。
「ああ……」
リィウスは目を逸らしたいのをこらえて、サラミスの信じられないような艶かしい姿態を凝視した。
「あっ……! うっ、うう……ん」
「本当に、この娘は好きね」
タルペイアが呆れた声をはなつ。
「娘たちのなかには嫌がって泣く者もいるのだけれど、このサラミスは、喜んでやっているのよ」
0
お気に入りに追加
162
あなたにおすすめの小説



どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる