116 / 150
公開初夜 八
しおりを挟む
その永遠に未熟な蕾を、エゴイは濡らした道具の先端でこじあける。力はかなり加減しているのだろうが、アベルをのけぞらせるに充分なものだった。
「あっ、ああ! や、やめて! やめてくれ、エゴイ!」
アベルは猫のように背をそらし、首を振った。本当に自分が犬猫のような畜生に墜ちたようでおぞましい。実際、こんなふうに、公の場で、これほど浅ましい姿を晒されていること自体、すでに人扱いされていない証拠だ。
「ほら、先の所は入ったぞ。もう少しだ……」
「ああ……、嫌だ!」
アベルの拒絶をまったく無視して、無機質な道具は、ぐいぐいと、アベルの内へと迫ってくる。
「ああっ! ああっ! エゴイ、もう止めてくれ! も、もう無理だ」
「大丈夫だ。口を開けて。背を伸ばして、顔を上に上げろ。そうだ、それでいい」
「はぁ……!」
ぐりぐり、と内壁を擦られるようにされ、アベルは絶叫しそうになった。
それまでは苦痛と不快さしかなかった行為に、奇妙な熱と甘さがまじってくるのを知ってしまったせいだ。
(こ、こんな!)
もはや隠しようもない変化が身体全体に生じはじめている。卵を無理やり出させられたときよりも、尚深く、激しく、身体全体が変成していく恐怖にアベルは叫びだしそうになる。
(あ、ああ、どうしよう? どうすればいい……?)
「いいぞ。感じているのだな。素直に感じろ」
「そ、そんな……!」
アベルは褥の敷き布を引きちぎらんばかりにつかんだ。それでも、腰や胸、背がやわらかくなっていくのを自覚する。肉体は、強制的に与えられている快楽になびいていく。
「ふっ、ううう! くっ……う」
泣くまいと誓ったはずだが、心は、幾度も自分を裏切る。
とうとう堪えきれなくなり、アベルは声をあげて泣き声をこぼした。
「ううっ、ううっ、うううう!」
恥も外聞もなく、五臓の底から声を絞りだすように泣きじゃくりながら、迫りくる快感の波に我を預けてしまう。
「可愛い……。いつも高慢そうで高飛車だったおまえが……、こんなに可愛いとは……。こんな、素直で、愛らしいとは……」
エゴイはうっとりと囁くと、アベルの剝きだしの臀部の左側を掌でつつむようにして、軽い痛みをあたえてくる。その軽い痛みにまた性感を刺激されてアベルは啜り泣いた。もはや、泣くまいという決意はあとかたもなく消え去り、エゴイのなすがままだ。
後ろ庭を道具で凌辱しつつ、エゴイの手が前方をも侵略してくる。布越しに熱を感じて、アベルは首を振った。
「あっ、ああ! や、やめて! やめてくれ、エゴイ!」
アベルは猫のように背をそらし、首を振った。本当に自分が犬猫のような畜生に墜ちたようでおぞましい。実際、こんなふうに、公の場で、これほど浅ましい姿を晒されていること自体、すでに人扱いされていない証拠だ。
「ほら、先の所は入ったぞ。もう少しだ……」
「ああ……、嫌だ!」
アベルの拒絶をまったく無視して、無機質な道具は、ぐいぐいと、アベルの内へと迫ってくる。
「ああっ! ああっ! エゴイ、もう止めてくれ! も、もう無理だ」
「大丈夫だ。口を開けて。背を伸ばして、顔を上に上げろ。そうだ、それでいい」
「はぁ……!」
ぐりぐり、と内壁を擦られるようにされ、アベルは絶叫しそうになった。
それまでは苦痛と不快さしかなかった行為に、奇妙な熱と甘さがまじってくるのを知ってしまったせいだ。
(こ、こんな!)
もはや隠しようもない変化が身体全体に生じはじめている。卵を無理やり出させられたときよりも、尚深く、激しく、身体全体が変成していく恐怖にアベルは叫びだしそうになる。
(あ、ああ、どうしよう? どうすればいい……?)
「いいぞ。感じているのだな。素直に感じろ」
「そ、そんな……!」
アベルは褥の敷き布を引きちぎらんばかりにつかんだ。それでも、腰や胸、背がやわらかくなっていくのを自覚する。肉体は、強制的に与えられている快楽になびいていく。
「ふっ、ううう! くっ……う」
泣くまいと誓ったはずだが、心は、幾度も自分を裏切る。
とうとう堪えきれなくなり、アベルは声をあげて泣き声をこぼした。
「ううっ、ううっ、うううう!」
恥も外聞もなく、五臓の底から声を絞りだすように泣きじゃくりながら、迫りくる快感の波に我を預けてしまう。
「可愛い……。いつも高慢そうで高飛車だったおまえが……、こんなに可愛いとは……。こんな、素直で、愛らしいとは……」
エゴイはうっとりと囁くと、アベルの剝きだしの臀部の左側を掌でつつむようにして、軽い痛みをあたえてくる。その軽い痛みにまた性感を刺激されてアベルは啜り泣いた。もはや、泣くまいという決意はあとかたもなく消え去り、エゴイのなすがままだ。
後ろ庭を道具で凌辱しつつ、エゴイの手が前方をも侵略してくる。布越しに熱を感じて、アベルは首を振った。
0
お気に入りに追加
409
あなたにおすすめの小説



どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる