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邪淫の目覚め 四
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薄紅の打掛の長袖、純白の袖なしの内衣、金糸で黒地に白百合の花模様を刺繍した帯、そして、さらにほのかに淡い桃色の網布の腰巻。あっという間にすべて脱ぎすてたが、踝できつく皮紐でしばっているサンダルは脱ぐのが面倒なのか、そのままだった。
うっすらほのかに飴色に輝く肌、小ぶりだが弾力のありそうな胸、ひきしまった腰、張りのある両脚のはざまには黒い若草。さすがに国王の寵を得ただけあって、男なら誰しもそそられる肉体美である。
その魅惑的な身体の手足に、サンダル以外は銀の輪をかざっただけで生まれたままの姿になっているアイーシャは、驚いているアベルを尻目に、宦官を呼ぶ。
「ジャムズ!」
呼ばれて泥色の目をした宦官がアイーシャの手を取る。
ジャムズと呼ばれた宦官に支えられる形でアイーシャは、アベルがまた驚いたことに、みずから木馬の取っ手に手をかけ、身軽な動作でその背をまたいだ。
もう一人の宦官がジャムズの反対側にまわった。
アベルは怒りも屈辱も忘れて、目の前の信じられない光景をただ見つづけていた。
アイーシャ――筆頭寵姫で国王の第一側室である後宮の女主にして、正妃が存在しない現在のグラリオン後宮においての冠なき女王であるはずの彼女は、あろうことか、二人の巨体の宦官たちに身体を支えさせ、その肩を手すりがわりにして、みずから木馬の背に向けて腰を下ろしはじめた。
黒檀の突起物が、アイーシャの身体に呑みこまれていく光景から、アベルは目が離せない。
さすがに無垢だったアベルも、祖国にいたとき、友人たちの下卑た会話から、女性でもそういった行為をする者がいる、ということは知識としては得ていたし、そのための道具というのも、世の中には存在することも聞いてはいた。宴のときにカサンドラが見せたものが思い出される。
そういった行為や道具がどぎつく描かれていた猥書の挿絵を悪友に無理やり見せられたこともあった。名門貴族の子弟たちであっても、若い男が集まると、性に関する話題で盛りあがるのはどこの国でもあることだ。表向きは禁じられていた猥書も、男たちや、ときに女性のあいだでも常にこっそり読みまわされており、これを本当に禁じるのは無理だろうと政府もなかば公認していた。
だが、しかし、目の前の行為は、アベルにはあまりにも強烈で衝撃的だ。
やがて、それはアイーシャの体内に完全に埋没し、身体が木馬に着く。
うっすらほのかに飴色に輝く肌、小ぶりだが弾力のありそうな胸、ひきしまった腰、張りのある両脚のはざまには黒い若草。さすがに国王の寵を得ただけあって、男なら誰しもそそられる肉体美である。
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「ジャムズ!」
呼ばれて泥色の目をした宦官がアイーシャの手を取る。
ジャムズと呼ばれた宦官に支えられる形でアイーシャは、アベルがまた驚いたことに、みずから木馬の取っ手に手をかけ、身軽な動作でその背をまたいだ。
もう一人の宦官がジャムズの反対側にまわった。
アベルは怒りも屈辱も忘れて、目の前の信じられない光景をただ見つづけていた。
アイーシャ――筆頭寵姫で国王の第一側室である後宮の女主にして、正妃が存在しない現在のグラリオン後宮においての冠なき女王であるはずの彼女は、あろうことか、二人の巨体の宦官たちに身体を支えさせ、その肩を手すりがわりにして、みずから木馬の背に向けて腰を下ろしはじめた。
黒檀の突起物が、アイーシャの身体に呑みこまれていく光景から、アベルは目が離せない。
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だが、しかし、目の前の行為は、アベルにはあまりにも強烈で衝撃的だ。
やがて、それはアイーシャの体内に完全に埋没し、身体が木馬に着く。
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