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毒園の花 九
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「……綺麗な肌ね」
憮然と、アイーシャが呟く。
夕暮れを迎えてうつろいでいく光のなか、アベルの白い肌は乳白色の玉のように、ひんやりと輝いて見え、アイーシャはますます不機嫌そうな顔になった。
この三日間、アーミナたちによって香油を塗られて揉まれた肌は、いっそう張りつめ、つややかに、しっとりとして、蠱惑的だ。心なしか、ほのかに薔薇色に燃えて、見る者になにかを訴えているようだ。
「ふうん」
恋敵となる憎らしい男の身体を、アイーシャは複雑な顔で見下ろし、左手で撫でてみた。
若い男の、濡れたようにみずみずしい肌と、白絹の奥に鋼を秘めたような手応えのある肉。
我知らず、アイーシャは目を細めていた。
どれほど嫌いな相手であっても、その相手の持つ金貨や宝石、絹の美衣を憎むことはできないように、アイーシャは宝玉を前にした女盗賊のように、舌なめずりせんばかりに、細い手でアベルの臀部を揉みはじめた。
「うう……」
女の手を感じてアベルは必死に逃れようと身体をひねるが、上半身をおさえこんでいる宦官たちの手はゆるがない。
「まるで肌に吸いついてくるみたいだわ……」
薄いヴェールごしに、アイーシャが舌を出して唇を舐めたのがアーミナにもわかる。
(本当に好き者だな、この女)
そんな意味をこめてエリスに目配せをおくるアーミナ。エリスはまた苦笑しながらも、同意をしめして頷く。
ぽたり、ぽたり、と油がアベルの中心に滴らせられる。アベルの背が宦官の手の下で一瞬、反る。
「ああ、よせ、やめろ……!」
激しい嫌悪と恐怖にせっつかれ、アベルは首を振るが、誰ひとり耳を貸す者はいない。
「さぁ、入れるわよ。覚悟はいいかしら、伯爵?」
そこに、固いものが当てがわれたのをさとって、アベルは唇を噛んだ。
(あ、ああ……)
アイーシャの指に力が入ったのをアベルは感じた。
「ほら、感じるでしょ。先が入っていくわ」
「うう!」
「ほら、ほら、入っていく」
どこまでも意地悪く、アイーシャは、わざとゆっくりと、弱い力で卵を押しこむ。
だが、その油でぬめった卵は、薄桃の肉のはざまに、たしかに入っていく。
アベルは気も狂わんばかりに首を振った。
「い、いやだ、いや! やめろ、やめてくれ! ……ひぃっ! あ、ああ……」
今まで入れられた宝玉よりも大きな球体が、ゆっくりと、だがしっかりと確実に、アベルのあわい桃色の肉を割って、どんどん侵入してくるのがわかる。
憮然と、アイーシャが呟く。
夕暮れを迎えてうつろいでいく光のなか、アベルの白い肌は乳白色の玉のように、ひんやりと輝いて見え、アイーシャはますます不機嫌そうな顔になった。
この三日間、アーミナたちによって香油を塗られて揉まれた肌は、いっそう張りつめ、つややかに、しっとりとして、蠱惑的だ。心なしか、ほのかに薔薇色に燃えて、見る者になにかを訴えているようだ。
「ふうん」
恋敵となる憎らしい男の身体を、アイーシャは複雑な顔で見下ろし、左手で撫でてみた。
若い男の、濡れたようにみずみずしい肌と、白絹の奥に鋼を秘めたような手応えのある肉。
我知らず、アイーシャは目を細めていた。
どれほど嫌いな相手であっても、その相手の持つ金貨や宝石、絹の美衣を憎むことはできないように、アイーシャは宝玉を前にした女盗賊のように、舌なめずりせんばかりに、細い手でアベルの臀部を揉みはじめた。
「うう……」
女の手を感じてアベルは必死に逃れようと身体をひねるが、上半身をおさえこんでいる宦官たちの手はゆるがない。
「まるで肌に吸いついてくるみたいだわ……」
薄いヴェールごしに、アイーシャが舌を出して唇を舐めたのがアーミナにもわかる。
(本当に好き者だな、この女)
そんな意味をこめてエリスに目配せをおくるアーミナ。エリスはまた苦笑しながらも、同意をしめして頷く。
ぽたり、ぽたり、と油がアベルの中心に滴らせられる。アベルの背が宦官の手の下で一瞬、反る。
「ああ、よせ、やめろ……!」
激しい嫌悪と恐怖にせっつかれ、アベルは首を振るが、誰ひとり耳を貸す者はいない。
「さぁ、入れるわよ。覚悟はいいかしら、伯爵?」
そこに、固いものが当てがわれたのをさとって、アベルは唇を噛んだ。
(あ、ああ……)
アイーシャの指に力が入ったのをアベルは感じた。
「ほら、感じるでしょ。先が入っていくわ」
「うう!」
「ほら、ほら、入っていく」
どこまでも意地悪く、アイーシャは、わざとゆっくりと、弱い力で卵を押しこむ。
だが、その油でぬめった卵は、薄桃の肉のはざまに、たしかに入っていく。
アベルは気も狂わんばかりに首を振った。
「い、いやだ、いや! やめろ、やめてくれ! ……ひぃっ! あ、ああ……」
今まで入れられた宝玉よりも大きな球体が、ゆっくりと、だがしっかりと確実に、アベルのあわい桃色の肉を割って、どんどん侵入してくるのがわかる。
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