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陥穽 六
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アベルは四肢を震わせた。これが殴られたり蹴られたり、という身体の外にくわえられる暴行なら耐えれたはずだ。だが、内側にくわえられる凌辱に、潔癖なアベルの神経は耐えられず悲鳴をあげる。アベルの生まれ育った国では、こういった行為は背徳であり、死刑にもあたう禁忌なのだ。
アベルはのけぞって首を振った。
情け容赦なく、アーミナはトパーズの粒をやわらかな蕾に押し込む。けなげなことに、蕾は、初めての侵略行為に必死に耐えている。
「やめ、やめ、もう、やめ……!」
そう言えたうちはまだ救いがあった。
(あっ……!)
やがて、恐ろしいことにアベルは身の内にまた例の火を感じはじめた。
(あっ……、ああ、こんな!)
下肢が熱くなりはじめた。
その熱が、腹や背なか、手足にも広がっていくのを止めようがない。
「おやおや。いやだ、いやだって言いながら、見ろよ、たいした淫乱だぜ」
悪意のこもったアーミナの言葉に、エリスは逆にうっとりしたように言う。
「感じやすいんだよ」
「ふん。ほら、伯爵、どうですか? ほぼ入りましたよ。ほうら、伯爵に可愛い尻尾ができました。今日の伯爵は可愛い可愛い犬ですね」
自分で言ってげらげらとアーミナは笑い、尻尾のようにアベルの身体から垂れている連珠の先の銀輪をつつく。
「ううううう……!」
高貴な青年貴族の白い尻から垂れたトパーズの連なり――。油に濡れて黄金の光をぼんやり放つそれは、見る者にはひどく嗜虐的だろう。
「貴様! 覚えていろ、必ず、殺してやるからな!」
相手を怒らせては得策ではないとわかっていながら、アベルは耐えきれずに敷き布を引き裂かんがばかりにつかみ、叫んでいた。
「ふん、こんなもの垂らしながら言われても、怖くもなんともないね。俺がここをちょっとひっぱるだけで、ほら、ほら」
「うわぁ!」
すさまじい刺激がアベルの腰に起こり、その刺激の波が一気に背をぬけて、頭頂までつたわり、脳髄を焼く。
「はは、ほらほら、これはどうだ?」
「あっ、ああ! あああ!」
激しい屈辱、怒り、憎悪、復仇の念、それら黒い想いがアベルのなかで渦巻く。その渦巻は、どうしてか下肢に集中する。
「ふふふふ。見ろよ、この状況でこんなに感じているんだぜ。腰布が濡れているぞ。本当にいやらしい伯爵閣下だ」
アベルは敷き布に顔をうずめた。褥に、こらえきれずに漏らした涙が吸いこまれていくのがわかる。
「本当に感じやすいんだね。可愛い……。それに、けっこう大きい」
エリスの手が、帯布をどけ、やんわりとアベルの分身をいつくしむように握りしめてくる。
「うっ、よ、よせ!」
アベルはのけぞって首を振った。
情け容赦なく、アーミナはトパーズの粒をやわらかな蕾に押し込む。けなげなことに、蕾は、初めての侵略行為に必死に耐えている。
「やめ、やめ、もう、やめ……!」
そう言えたうちはまだ救いがあった。
(あっ……!)
やがて、恐ろしいことにアベルは身の内にまた例の火を感じはじめた。
(あっ……、ああ、こんな!)
下肢が熱くなりはじめた。
その熱が、腹や背なか、手足にも広がっていくのを止めようがない。
「おやおや。いやだ、いやだって言いながら、見ろよ、たいした淫乱だぜ」
悪意のこもったアーミナの言葉に、エリスは逆にうっとりしたように言う。
「感じやすいんだよ」
「ふん。ほら、伯爵、どうですか? ほぼ入りましたよ。ほうら、伯爵に可愛い尻尾ができました。今日の伯爵は可愛い可愛い犬ですね」
自分で言ってげらげらとアーミナは笑い、尻尾のようにアベルの身体から垂れている連珠の先の銀輪をつつく。
「ううううう……!」
高貴な青年貴族の白い尻から垂れたトパーズの連なり――。油に濡れて黄金の光をぼんやり放つそれは、見る者にはひどく嗜虐的だろう。
「貴様! 覚えていろ、必ず、殺してやるからな!」
相手を怒らせては得策ではないとわかっていながら、アベルは耐えきれずに敷き布を引き裂かんがばかりにつかみ、叫んでいた。
「ふん、こんなもの垂らしながら言われても、怖くもなんともないね。俺がここをちょっとひっぱるだけで、ほら、ほら」
「うわぁ!」
すさまじい刺激がアベルの腰に起こり、その刺激の波が一気に背をぬけて、頭頂までつたわり、脳髄を焼く。
「はは、ほらほら、これはどうだ?」
「あっ、ああ! あああ!」
激しい屈辱、怒り、憎悪、復仇の念、それら黒い想いがアベルのなかで渦巻く。その渦巻は、どうしてか下肢に集中する。
「ふふふふ。見ろよ、この状況でこんなに感じているんだぜ。腰布が濡れているぞ。本当にいやらしい伯爵閣下だ」
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「本当に感じやすいんだね。可愛い……。それに、けっこう大きい」
エリスの手が、帯布をどけ、やんわりとアベルの分身をいつくしむように握りしめてくる。
「うっ、よ、よせ!」
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