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五
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よりにもよって、不良仲間の一番下っ端、いや、仲間などとは思ったこともない使い走りの田中ふぜいに、こんな惨めな姿を見られ、しかもその手で剝きだしの尻に油を塗りたくられているのだ。
「すげぇ、俺、今、安賀敬の尻触ってるんだ。すげぇ」
すげぇ、すげぇ、と幾度も感嘆しながら、田中はいつのまにか両手を使って、敬の尻たぶを揉んでいる。
「ひっ、いや! さ、触るな!」
「すげぇ……、気持ちいい。触ってるだけで、俺の方がいきそうだ」
「どうだ、田中、憧れのお姫様のお尻は?」
「すげぇ……可愛いす。こんな、こんなに白くて、綺麗だなんて。思っていたより、もっと、もっと、綺麗で……すげぇ、可愛い」
「あうっ!」
最後の言葉を呟いたあと、田中は、油に濡れた人差し指を、敬のまだ頑なな蕾に押し込んできた。
痛い、と思ったのは一瞬で、次には、敬は肉体に生じた変化を自覚した。
(そ、そんな……!)
瀬津の手と道具によってすでに身体はかなり慣らされ、造り変えられていたのだ。
激しい嫌悪を上回る、激しい悦楽が敬を蕩かしはじめる。
おぞましいことに、敬の身体はもはや男を受け入れる準備ができていたようだ。
「すげぇ、敬のなか……熱くて、柔らかい」
夢見るように田中が言う。
気安く名を呼ぶな! と罵ってやりたいが、悔しいことに、疎ましい相手の指一本によって、意のままにされてしまっている。
「よ、よせ、動かすな! あっ……、ああっ……はぁ……」
全身に汗が浮き、四肢が震える。身体の中心に、熱が集結し、出口をもとめて、「早くしろ」と田中に訴えているようだ。
(そんな……そんな……)
「信じられないよなぁ、安賀敬が、皆が恐れて憧れる敬が、俺の指で感じまくっているなんてよ……」
「……坊ちゃん、辛いですか?」
気遣わしげに訊いてはみても、嶋は瀬津の命令に逆らうことはできないようで、腰を押さえつける力を決して抜いてはくれず、敬の助けにはなってくれない。むしろ、その存在と彼の視線は、いっそう敬を追い詰める。
「もう、遂くか? 遂きたいか?」
「あっ、よ、よせ、動かすな!」
田中が指の動きに緩急をつけて、自在に動かし、敬の肉体と脳にきわどい刺激を送りこんでくる。
敬は首を横に振って、心身を刻むような屈辱をこらえた。
(こんな、こんな男に)
溝鼠のように蔑んでいた相手に、いいようにされる悔しさ、無念。しかも、自分でも信じられないが、敬の身体は田中の指に従順になってしまう。
「すげぇ、俺、今、安賀敬の尻触ってるんだ。すげぇ」
すげぇ、すげぇ、と幾度も感嘆しながら、田中はいつのまにか両手を使って、敬の尻たぶを揉んでいる。
「ひっ、いや! さ、触るな!」
「すげぇ……、気持ちいい。触ってるだけで、俺の方がいきそうだ」
「どうだ、田中、憧れのお姫様のお尻は?」
「すげぇ……可愛いす。こんな、こんなに白くて、綺麗だなんて。思っていたより、もっと、もっと、綺麗で……すげぇ、可愛い」
「あうっ!」
最後の言葉を呟いたあと、田中は、油に濡れた人差し指を、敬のまだ頑なな蕾に押し込んできた。
痛い、と思ったのは一瞬で、次には、敬は肉体に生じた変化を自覚した。
(そ、そんな……!)
瀬津の手と道具によってすでに身体はかなり慣らされ、造り変えられていたのだ。
激しい嫌悪を上回る、激しい悦楽が敬を蕩かしはじめる。
おぞましいことに、敬の身体はもはや男を受け入れる準備ができていたようだ。
「すげぇ、敬のなか……熱くて、柔らかい」
夢見るように田中が言う。
気安く名を呼ぶな! と罵ってやりたいが、悔しいことに、疎ましい相手の指一本によって、意のままにされてしまっている。
「よ、よせ、動かすな! あっ……、ああっ……はぁ……」
全身に汗が浮き、四肢が震える。身体の中心に、熱が集結し、出口をもとめて、「早くしろ」と田中に訴えているようだ。
(そんな……そんな……)
「信じられないよなぁ、安賀敬が、皆が恐れて憧れる敬が、俺の指で感じまくっているなんてよ……」
「……坊ちゃん、辛いですか?」
気遣わしげに訊いてはみても、嶋は瀬津の命令に逆らうことはできないようで、腰を押さえつける力を決して抜いてはくれず、敬の助けにはなってくれない。むしろ、その存在と彼の視線は、いっそう敬を追い詰める。
「もう、遂くか? 遂きたいか?」
「あっ、よ、よせ、動かすな!」
田中が指の動きに緩急をつけて、自在に動かし、敬の肉体と脳にきわどい刺激を送りこんでくる。
敬は首を横に振って、心身を刻むような屈辱をこらえた。
(こんな、こんな男に)
溝鼠のように蔑んでいた相手に、いいようにされる悔しさ、無念。しかも、自分でも信じられないが、敬の身体は田中の指に従順になってしまう。
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