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淫虐遊戯 四
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「ここを、徹底的にほぐしてやるよ。道具もちゃんと揃えてあるさ。どんなふうに料理してやろうかな」
「おいおい、まだ旅はつづくのだ。ほどほどにしておけよ」
公爵はやや呆れたように苦笑した。
「何言っているんだい、公爵。国に帰ったら、すぐアベルに木馬乗りをさせたい、と言っていたじゃないか」
アベルの熱をはなつ頬が硬直し、オルティスは股間に火を感じた。
公爵はにやにやと笑っている。
黙りこくっているオルティスとアベルに向かって、バルバラが楽しそうに笑いかけてくる。
「公爵はね、自分の別邸をグラリオンの後宮のようにしたいらしい。美しい女や男、少年を侍らせて、気に入った客を歓待したいそうだぜ。もうすでに準備しているらしく、今回の遠征で手にいれたグラリオンの奴隷たちを送りとどける手はずも整っているというじゃないか?」
「まあな。良く知っているな」
「俺は裏の事情には通じているんでね。人を手配していると、どうしたって噂は流れるものだ。公爵、あんたがグラリオンから集めた奴隷女たちはとびきりの美女ばかりだそうだね。そんな美形たちをあつめ、帝国や諸国の貴人を客に取り、いろいろ利権を得ようという肚なのだろう?」
「本当におまえは地獄耳だな」
公爵が呆れ顔になった。
「宦官たちもすでに手に入れているというじゃないか? そいつらも別邸にあつめて、本当にそこに小さなグラリオン後宮を作り出すつもりかい? くくくく、伯爵、あんたはそこで繰り広げられる淫蕩の宴の主役になるんだぞ」
アベルの顔がひきつった。
「良かったな。公爵の別邸で、またグラリオンの夢を見ることができるだろうよ。そこにはグラリオンの女たちや宦官も大勢いるらしいしね。そいつらに手伝われて、またお馬乗りを存分に楽しめるだろうさ。今度の観客は帝国貴族だぜ」
アベルの顔は、これ以上白くなりようがないほどに白くなり、ほとんど青くさえ見える。ぶるぶると全身が震えている。
公爵はバルバラに苦笑を返した。
「まぁ、べつにおまえに隠すほどのことでもない。そうだ、俺は今別邸を改築ちゅうでな。完成のあかつきには、おまえを呼んでやるさ」
「おいおい、まだ旅はつづくのだ。ほどほどにしておけよ」
公爵はやや呆れたように苦笑した。
「何言っているんだい、公爵。国に帰ったら、すぐアベルに木馬乗りをさせたい、と言っていたじゃないか」
アベルの熱をはなつ頬が硬直し、オルティスは股間に火を感じた。
公爵はにやにやと笑っている。
黙りこくっているオルティスとアベルに向かって、バルバラが楽しそうに笑いかけてくる。
「公爵はね、自分の別邸をグラリオンの後宮のようにしたいらしい。美しい女や男、少年を侍らせて、気に入った客を歓待したいそうだぜ。もうすでに準備しているらしく、今回の遠征で手にいれたグラリオンの奴隷たちを送りとどける手はずも整っているというじゃないか?」
「まあな。良く知っているな」
「俺は裏の事情には通じているんでね。人を手配していると、どうしたって噂は流れるものだ。公爵、あんたがグラリオンから集めた奴隷女たちはとびきりの美女ばかりだそうだね。そんな美形たちをあつめ、帝国や諸国の貴人を客に取り、いろいろ利権を得ようという肚なのだろう?」
「本当におまえは地獄耳だな」
公爵が呆れ顔になった。
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アベルの顔がひきつった。
「良かったな。公爵の別邸で、またグラリオンの夢を見ることができるだろうよ。そこにはグラリオンの女たちや宦官も大勢いるらしいしね。そいつらに手伝われて、またお馬乗りを存分に楽しめるだろうさ。今度の観客は帝国貴族だぜ」
アベルの顔は、これ以上白くなりようがないほどに白くなり、ほとんど青くさえ見える。ぶるぶると全身が震えている。
公爵はバルバラに苦笑を返した。
「まぁ、べつにおまえに隠すほどのことでもない。そうだ、俺は今別邸を改築ちゅうでな。完成のあかつきには、おまえを呼んでやるさ」
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