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24日目
憎悪
しおりを挟む斑な骸を埋めた場所が小さく膨らんでいる。
それをじっと見つめる母親、だった者。
悲惨だ。戦争よりもずっと。
日本人のやっているという事が
なんともまぁ、笑えてくる。
胸糞が悪い。それほど悲惨だった。
同じ血筋で争う。爆弾ではなく
人の手で殴り、痛ぶり、命を奪う。
そうやって死にゆく人も中には居るのだろう。いや、待てよ。今まで埋めた骸を
思い出してみた。焼き爛(ただ)れた骸を
見ていく中で、酷く変形した骸が多かった。
そうか、あれは日本人が殺していたのか。
米軍に焼き払われ、住む場所も家族も恋人も
奪われた。悪いのは全て鬼畜米兵だったはずなのに、憎しみあって殺しあってたのは俺達だ。
今までに無い感情。湧き上がる怒り。
でも俺には骸を埋める意味があるんだ。
争いは止められないから。だから埋める。
これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
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