死神になった日

いとま

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16日目

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青い目の仲間は拙いが温かい日本語で、
米兵が世話をしている街があると教えてくれた。そこに行けば暫くは大丈夫だと言う。

そして恥ずかしそうに頬を掻き
想っている人がいると言う。
驚いた、まさか外人に恋をする女がいるなんて。しかしこの青い目を見てると
スっと腑に落ちた気がした。

俺はそこまで分け与えてくれた食料と
それを入れるための袋を持たせてくれた。
柄にもなく握手をしようとしたら
青い目は急に男の俺を抱きしめてきた。
戸惑って引き剥がそうとすると。
~シナナイデ~
そう一言伝えて離してもらった。

手を振る姿が寂しそうで
俺は背中で答えた。

次の街には青い目の想い人を探す。
米国で作られている服を着ていて
日本人の中でも異質だそうだ。

なんと言ってたか。
まい えんじぇる  とかなんとか。
よく分からないが、それを目印に
探す。そして袋の中に入ってる
アメリカ語の手紙を渡してくれと
そう頼まれた。また骸を探しながら
歩いていくことにした。

これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
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