16 / 25
16日目
行き先
しおりを挟む青い目の仲間は拙いが温かい日本語で、
米兵が世話をしている街があると教えてくれた。そこに行けば暫くは大丈夫だと言う。
そして恥ずかしそうに頬を掻き
想っている人がいると言う。
驚いた、まさか外人に恋をする女がいるなんて。しかしこの青い目を見てると
スっと腑に落ちた気がした。
俺はそこまで分け与えてくれた食料と
それを入れるための袋を持たせてくれた。
柄にもなく握手をしようとしたら
青い目は急に男の俺を抱きしめてきた。
戸惑って引き剥がそうとすると。
~シナナイデ~
そう一言伝えて離してもらった。
手を振る姿が寂しそうで
俺は背中で答えた。
次の街には青い目の想い人を探す。
米国で作られている服を着ていて
日本人の中でも異質だそうだ。
なんと言ってたか。
まい えんじぇる とかなんとか。
よく分からないが、それを目印に
探す。そして袋の中に入ってる
アメリカ語の手紙を渡してくれと
そう頼まれた。また骸を探しながら
歩いていくことにした。
これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる