死神になった日

いとま

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15日目

青い目の仲間

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出来るだけ遠くへ。
そう呟いてふらつきながら歩く。
正直、配給が整っている場所から
退けるのは俺自身骸になってしまう
可能性が高い。どうにかせねば。

考えているうちに視界が暗くなり、世界が
横を向いた。あぁ、死んだのか俺は。
そう思って、やるべき事を終えた。
その瞬間に

「Are you OK?」

米兵か、トドメを刺しに来たのか。
好きにしろ。寧ろみんなの元へ。

「ダイジョウブ マダ イキ ガ アル。」

日本語…。話せるのか。

「イマ ミズヲ モッテクルカラネ。」

助けてくれるのか。
余計なことを。

米兵は水と食料を与えてくれた
悪いが配給よりも立派な。
麦で出来た パン という食べ物。
そして チョコレート と呼ばれる
黒い食べ物。甘い匂いがする。

「オイシイヨ。」

そう笑顔で答える米兵。いいやつだ。
昨日視線で銃撃した日本人より余程良かった。曖昧な日本語だが温かみがあった。
この国の敵のはずなのに、同じ人間だってことだけは確かなことで、全てが悪い訳では無いと証明できた瞬間だった。

目の端に映った骸を見て
スコップを持ち、いつものように
埋葬する。それを見て米兵も
手伝ってくれた。仲間が出来た気がした
焼け野原を生み出した相手との真ん中。

これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
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