死神になった日

いとま

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8日目

それは

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歩いて歩き疲れて、睡眠を摂る。
いつも骸を埋めているこのスコップも
たまには食料を掘るために使える。
本来はそうやって使う。罰当たり。

でも今日は少し違っていた。
焼け野原に立派な野営。
米国の忌々しい国旗。葉巻を更(ふか)す
米兵達。まるで植民地だ、納得がいかない。

1人の米兵が俺に何かを言ってきた。
もちろんアメリカ語なんて分からない俺は
無視して行こうとした。すると身振り手振りで何かを伝えようとしている。

体全体を手で包むような動きの後に
目を人差し指と中指で
まるで見てみろ。のような仕草を
俺に見せてくる。つまり自分の姿を見てみろと。そう言いたいのかも知れない。

無視して
引きづることを辞めた
スコップを担いで進んでいく。
そこに大きな鏡を見つけた。米兵の持ってきた姿見だ。久方ぶりに俺は自分の顔と服装を見た。死んだ目、ボロボロの肌、ボロボロの服、土や血で汚れた手。そして担いだスコップ。それはまるで死刑執行人のような
禍々しい自分だった。

その姿を見て
ゴッド オブ デス
と声を上げた。
意味がわからない。
どうせバカにしているのだろう。

鬼畜米兵め、戦時中だったら
このスコップで首元を掻っ切って
埋めずに踏み潰してやるのに。
悔しい。負けたんだ。でも悔しい。

今の俺は骸を埋めるしか出来ない
人間の屑だ。屑は屑らしく
人の道を外れたことをすればいい。

これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
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