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7日目
1週間
しおりを挟む久々の飯にありつけて体も少しだけ心も
満たされた気がする。そして何より
昨日の子供おかげで、人間の心を
少しだけ取り返したそんな日だった。
しかし人間の欲というものは
与えれば与えるほど満たしたくなるらしく
まだ食いたい、まだ飲みたい、そんな事ばかり頭では考える。やるべき事をやらねば。
もはや日課と言ってもおかしくない
骸を埋める行為。皮肉な話だが
最初よりかは、埋葬する場所や
骸の納め方が綺麗になった気がする。
これは慈愛などではなく、作業の仕方が
上手くなったからだ。それだけの事。
いつも通り、見つかる事が無かった
哀れな骸を埋葬する。
腕がない者、頭が半分ない者。
胴体が無い者、足が無い者。
この1週間の内にそんな骸は
沢山見てきた。年齢を問わずに
たくさんの無念が彷徨う。
俺も骸ではないが、彷徨うひとり。
寧ろ1番生きていてはいけない存在なのだろう。何も失うことは無い、いずれ死ぬ。
朽ち果てる前により多くを埋葬せねば。
俺の身が滅びる前に。
これは死神と呼ばれる日までの記録。
死を慈しむカミサマのお話。
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