泡玉、空へ

いとま

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かぜ かぜ ふくな
こわれてしまうから。
こわれて きえてしまう それまで
どうか ふかないで。

中性洗剤の独立したモノ。
空へと飛び立つ儚き球体。
脆弱で、真っ直ぐ歩けないそれは
途中で亡くなる。いなくなる。

大きさは違えども
代わりはいくらでもいる。
作れば作るほど代わりが増える。
全て、消えてしまう十字架を背負った
寿命15秒未満のひとり。

息を吸って吐き出して、少し背伸びをした
ぐらいにあなたはふといなくなる。
新しく生み出す、亡くなる。いなくなる。

かぜ かぜ ふくな
こわれてしまうから。
とばそう とばそう。
とおくまで よりいきれるように。

人工的な七色を纏ったあなたは
旅立った管から出た瞬間に
命の秒針が倒れていく。

「それでもよかった」

と言わんばかりに、天高く輝く。
夜に咲く火の粉よりも彩(イロドリ)はないが
全うしたその瞬間に最高の笑顔を見せる。
生き様を見せつける。弱すぎる強いあなたが。

かぜ かぜ ふくな
もうすこしだけ。
かぜ かぜ ふくな
しゃぼんだま とばそ。
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