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【番外編】
中出し解禁日の話 (4) *
しおりを挟むパンパンッ!と激しく肉のぶつかる音とグチュグチュという粘着質な音。
そこに2人の激しい息遣いと嬌声が混ざり合い、部屋中が淫靡で熱い空気で満たされる。
「ああっ!駄目っ!」
「楓花っ……楓花のナカ……気持ち良すぎだっ!……」
気持ちいいのは天馬だけじゃない。
楓花も内側からダイレクトに伝わる熱と感触に興奮し、いつも以上に感じていた。
2人を遮るものは何もない。
今ここで子宮口を抉っているのは他でもない天馬自身の先端で、今聞こえている粘着質な音は、粘膜と粘膜が直に擦れ合って立てているのだ。
そう思うだけで劣情が煽られて、子宮がキュンキュン収縮する。
「楓花……お前……締めすぎっ!……もう駄目だ……イくっ!」
「うん、私も……ああっ!」
すぐにイクと言っていた天馬はそれでもどうにか耐えていたけれど、数回の抽送で限界が訪れたらしい。楓花の腰をグッと掴んで腰を押し付けると、低い呻き声と共に精を吐き出した。
「んっ、ああ……気持ちイイ……」
「あっ……ああっ……」
蜜路の中で天馬のモノが蠢くのが分かる。
その先端から吐き出された熱が隘路一帯にジワッと拡がり、体全体に伝わって行く。
快感と幸福。その両方で身も心も満たされていると感じられる。
硬いモノがビクンビクンと断続的に拍動を繰り返し、数回繰り返されたのちに漸く止まると、天馬が胸に倒れ込んできて、楓花も強く抱きしめ返す。
「はぁ……最高……」
万感という感じで吐息まじりで呟くと、天馬は楓花の頬にキスをして、肩に顔を埋める。
「ごめん、俺、早かったよな……楓花のナカが気持ち善すぎてあっという間だった」
「ううん、私も気持ち良かった……なんだか感動だね。本当のゼロ距離だ」
「ああ、俺たちは何の隔たりもなく繋がってるんだ。楓花のナカは熱くて柔らかくて凄い締め付けで……あっ!」
「えっ?……あっ……やっ!」
楓花のナカで果てたばかりのはずの天馬のモノが、再びググッと勢いを盛り返した。
内側がギッチリと異物で塞がれたのを感じる。
「嘘っ!もう?!」
「ごめん……ナマで入ってるんだと思ったら興奮して……悪いな、もう1回」
「ええっ!……きゃあ!」
再び上体を起こして腰を振り始めた天馬は、2回目だけにしつこかった。
そのあと興奮状態を維持し続けた天馬に連続で貫かれ、抜かずに3連続でイかされたのだった。
汗ばんだ肌を重ね、波紋のように次々と訪れる快感の波に身を委ねていると、天馬が楓花のお腹に顔を乗せて、片手でゆっくり撫で始めた。
「……どうしたの?」
「ん……もしかしたら今この瞬間に俺たちの精子と卵子が結合してるかも知れないだろ? 頑張って受精してくれよ……って応援してるんだ」
うっとりとした表情でそう答える天馬に思わず笑いを零す。
「ふふっ……応援って」
「応援だよ。俺の精子に頑張れよって声掛けしてるんだ」
知ってるか?……そう言って顔を上げると、天馬は嬉々として語り出す。
一度に射精される精子の数は2億から3億と言われているけれど、その99%は子宮に到達する前に死滅してしまう。
更に残りの1%の中から戦いに勝ち抜いた優秀な1個だけが卵子と結ばれることが出来るんだ。
精子の大きさはおよそ0.06mm。1ミリにも満たない小さな精子が長い旅をして、たった1個の卵子を目掛けてデッドヒートを繰り広げるんだぜ。
「なっ? そこには壮大なドラマがあるんだよ。まるで人間が出会って結ばれるまでを、お腹の中でデモンストレーションしてるみたいだと思わないか?」
そう言いながら、天馬は再び楓花のお腹をゆっくりと撫でる。
「長い旅をして、たった1個に巡り合う……本当だ。生まれる前に人生のシミュレーションをしてるみたい」
「……だろ? 俺たちがたった1人に巡り合ったように、お腹の中でも既にたった1個を見つけてるんだ」
「なんだか感動……」
天馬が楓花のお腹に頬擦りしながら呟いた。
「お前たちもたった1個と巡り合えよ。頑張れ」
楓花も天馬の手の上に右手を乗せる。
「たった1個と結ばれるといいね……頑張れ」
楓花の指に自分の指を絡めてチュッと口づけて、天馬が目を細める。
「着床まで1週間か……待ち遠しいな」
もう赤ちゃんが出来るのが確定みたいな物言いに思わず吹き出してしまったけれど、それが間違いではなかったと判明するのが、そのたった3週間後のことだった。
Fin
*・゜゚・*:.。..。.:*・ .。.:*・**・・*: .。.:*・゜゚・*
中出し妊娠編終了で、次は妊娠判明の『妊娠狂想曲』です。
妊娠判明後の周囲のてんやわんやを描きたいと思います。
お付き合いいただければ幸いです。
タチアオイ様、ヒントをいただきありがとうございました。
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