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【番外編】

中出し解禁日の話 (3) *

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 意趣返しがあっという間に返されてしまった。

『私もシたい……ナマで……シよ』

 翻弄させるはずの囁きは天馬の欲望を煽っただけだったようで、楓花をイかせることだけに集中した指の動きは激しく性急だった。

 両手で一気に下着を引き摺り下ろすと、左手で片脚をグイッと持ち上げ開かされる。
 空気が当たってスースーする割れ目をヌルヌルと数回擦ってから、そのまま中指を蜜壺に挿し入れた。

 クチュッと音をさせながら膣壁の天井を探り、一番敏感な部分を執拗に撫で回す。 それだけで既にゾワゾワと感じているのに、それと同時に親指で蕾を捏ねられて悲鳴が上がる。

「ああっ!駄目ぇ!……もう…すぐにイっちゃう!」
「いいよ……今度はちゃんとイかせてやるからな」

 指を2本に増やされて、抽送が激しくなった。
 奥まで激しく挿し入れながら、戻るたびにイイところを擦り上げるのを忘れない。

「ああっ! あっ……あっ……」

 後頭部をグッと引き寄せられ、食べられるみたいな口づけが襲う。
 わざと唾液を溢れさせ、ペチャペチャと音をさせる。
 下半身から聞こえるグチョグチョという音と、2人の吐息。

 淫靡な音だけが響き渡る廊下で、快感の波はすぐに大きくなり、全身が飲み込まれた瞬間にビクンと子宮が跳ねた。

「んっ……んーーーっ!」

 楓花は重なった唇の間でくぐもった叫び声を上げ、カクンと膝を折って脱力した。


「おっ……と!」

 楓花が崩れ落ちる直前に天馬が脇に手を入れて抱き抱えると、そのまま膝裏に手を差し入れてお姫様抱っこをし、迷うことなく寝室へと運んで行く。
 足で蹴破るようにドアを開けると真っ直ぐベッドに向かい、シルバーのシルクサテンのシーツにそっと楓花を横たえた。

 グッタリとした楓花が薄っすらと目を開けると、そこには欲望を孕んだ瞳でじっと見下ろす天馬の色っぽい表情かお
 目が合うと口元を綻ばせながら、帰ったその時のままだった服を手早く脱ぎ捨てて行く。
 イタリア製のブランド物のジャケットもシルクのネクタイもお構いなしに放り投げると、あっという間に全裸になった天馬がギシッとベッドに膝を乗せた。

ーーいよいよ?!

 期待と緊張で楓花が身を固くした時、

「……まだだ」

 そう言う声が聞こえて、膝裏から両脚をグッと持ち上げられた。

ーーえっ?

「本当にナマで挿れたら俺が興奮してたないと思うから……先にイかせてやるな」
「いえっ! もう十分なので……」

「駄目だ。お前をちゃんと満足させてやらないと……」
「いえっ、だからもう十分……あんっ!」

 楓花の言葉はペチャッ…という音に掻き消され、薄暗い部屋の中、楓花の両脚を肩に抱えて愛液でぬらぬらとテカるソコに舌を這わせる天馬の姿が視界に映る。

 ふと視線を上げた天馬と目が合った。

「なんだ楓花……余裕だな」
「ちが……余裕なんて!」

「悪いけど俺は余裕が無いんで……速攻で攻めるよ」

 言うが早いか更に太腿をグイッと開かれ、蜜壺をジュルッと啜り上げる音がした。

「あああっ!」

 親指の腹で蕾をグリグリと容赦なく擦り、完全に剥けたのを確認すると、ぷっくりと膨れ上がったソコを唇に含み、強く吸い上げる。

 チューーーッという音と共に楓花の悲鳴が上がった。

「いやぁ!……もう……もう駄目っ!」

 天馬は聞こえていないかのように攻め続ける。
熟した果実をペロペロと舐めながら、トロトロになった蜜壺に一気に3本の指を挿れ、激しく挿し入れを繰り返す。
 時々奥でグリッと描き回されると、あまりの気持ち良さに喉を晒して声を上げた。

「ああっ、ああっ……もう……もうイっちゃう!」
「いいよ……イけっ!」

 勃ち上がった蕾をカリッと甘噛みしながら指の動きを激しくされて、目の前で光がパンッ!と弾けた。
 楓花は嬌声を上げながら天馬の髪を掻きむしり、太腿を震わせながら2度目の絶頂を迎えた。


 胸を大きく上下させて朦朧としていると、ギシッという音と共に膝立ちの天馬が脚の間に入り込む。
 既に勃ち上がった漲りは血管を浮き上がらせながらピクピクと拍動し、先端から透明な汁を溢れさせている。
 もちろん今日は、それを覆い隠す薄い膜も被っていない。

「楓花……本当にいいな……このまま挿れるよ」

 この期に及んで拒否する気なんて無い。
 楓花が両手で顔を覆ってコクコク頷くと、その手をそっと退けられた。

「楓花、見てて。俺たちが何の障害もなく本当に結ばれる瞬間だ」

 そう言って自身の漲りを片手で握ると、もう一方の手で楓花の腰を抱き、天馬が腰を進める。

 ツプッ……。

 既に濡れそぼったソコは天馬の先端を簡単に受け入れた。

「うっ……ああ…」

 天馬が息を漏らしながらグッと腰を押し付けると、ズンという衝撃と共に、最奥まで到達したのだと分かる。

「あぁーーーっ!」
「うわっ……ヤバい……なんだコレ……」

 吐息まじりで呟いて、それきりピタッと天馬の動きが止まる。
 だけど彼がくなっているのはハッキリ伝わる。
 隘路あいろに留まったソレは中でグングン勢いを増し、内側から膣壁をミチミチと押し広げているから。


「楓花……ごめん。動いてやりたいけど……ちょっとでも動いたら暴発しちゃうから……めちゃくちゃ気持ちいいんだ」

 しばらくして漸く聞こえた天馬の声は、少しかすれて苦しそうだった。

「天馬……イって」

 楓花がそう言うと、天馬は細めていた目を見開いて、楓花をジッと見つめる。
 楓花の中で天馬自身がビクンと跳ねたのが分かった。

「駄目だ……ずっと楓花のナカにいたいんだ。それに楓花だってまだ……」

「ううん、私だって、挿れられただけでもう感じてるの……あっ!……ほら、こうやって天馬がナカで……っ…跳ねるだけで……もう……ああっ!……だから……一緒にイこ?……何度でも……」

「楓花……っ!」

 その瞬間、天馬の瞳に熱が灯った。
 両手で楓花の腰を抱えると、勢い良く腰を叩きつけた。
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