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【番外編】

中出し解禁日の話 (1) *

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 キッチンで野菜を洗っていた楓花は、玄関で物音がしたのに気付くと慌てて蛇口の水を止め、廊下に飛び出した。

ーー嘘っ、早過ぎない?

『今から帰る』と電話があったのがほんの7~8分前。

 確かに病院からマンションまでは車で5分ほどの近距離だけど、部長室で楓花に電話してから病院の建物を出て駐車場に向かい、車で帰って来たらマンションのタワー駐車場に車を入れて……で、帰るコールから帰宅までに15分は掛かるというのがお約束となっていた。
 楓花もそれを見込んで、天馬の帰宅時間に合わせてお風呂の準備をするようにしている。

 時計を見ると午後7時前。
 帰宅が夜中を過ぎることも珍しくないなかで、こんなに早い時間に帰って来られるのもなかなかレアだ。
 そりゃあ一緒に夕食を食べられるのは嬉しいけれど、どちらかと言うと戸惑いの方が大きい。

ーー今日って何かの記念日だったっけ?

 今日は楓花が休みの日だったから、朝玄関で天馬のお見送りをしてから会っていなかった。
 だからなのかな?……だけどそんなことは珍しくもないし……などと考えながら廊下に向かう。


 楓花が玄関に行くと、ちょうど靴を脱いだ天馬が上がって来たところだった。

「天馬、お帰りなさい。電話をくれてから早くない?」
「ただいま……めちゃくちゃぶっ飛ばして帰って来た」

 天馬は楓花の顔を見るなり黒革のブリーフケースを放り投げ、蕩けそうな顔をして抱きついて来た。

「駄目だよ、早く帰って来てくれるのは嬉しいけれど、事故を起こしたら元も子もないんだから。くれぐれも安全運転でね」

「ん……分かった。だけど1秒でも早く会いたいんだから仕方ないよな……」

 楓花の首筋に鼻を擦り付けながら、反省してるのかしてないのか分からない返事を甘えた声で返してくる。

「……お風呂に入るでしょ? そろそろお湯が貯まってる頃だから入って来て。帰って来るのがまだだと思って着替えの準備が出来てないから、その間に出しておくね」

 楓花が天馬の着替えを取りに行こうとしたら、そのまま腰を抱き寄せられて、唇が重なった。

「ん……ふ…っ……」

 強く唇を押し付けられたと思うと、すぐに濡れた舌が挿し入れられて、口内をぐるりと舐め上げる。導かれるように楓花も自分のそれを差し出すと、待っていたかのように絡められ、ジュッと吸い上げられた。

 帰宅後すぐに求められることは珍しくないけれど、ブリーフケースを部屋に置いてもいないうちに廊下でいきなり、しかもこんなに濃厚な口づけというのは久しぶりだった。

 唇をぴったりと強く合わせたままお互いの唾液を混ぜ合わせ、溢れるそれさえ愛おしむように啜り、飲み干していく。官能的な舌遣いに痺れが走り、腰がズクンと震えた。

ーーなんだか……凄い……。

 その理由を問いただす前にエプロンが剥ぎ取られ、膝丈のニットワンピースが裾からたくし上げられていく。
 そうしながら指先が太腿をそっと滑り、お尻をさわさわと丸く撫でる。
 唇が離れたと思ったら、一気にワンピースを引き抜かれて下着だけの姿にさせられてしまった。
 
「えっ、ちょっ……天馬……」

 ブラのホックが外されたと思ったら、背中をドンと壁に押し付けられ、首筋をジュッと吸われる。
 チクッと甘い痛みが走った後にそこをペロリと舐め上げて、そのまま舌が鎖骨、そして胸の谷間へとヌルリと滑って行った。

「あっ……ん」

 左胸の乳輪をグルリと丸く舐めてから先端を舌先で小刻みに揺らされると、ビリビリと弱い電流が流れたようになって鼻にかかった声が漏れた。

「……気持ちいい?」

 くぐもった声が聞こえて薄っすら目を開けて見ると、ピンクの突起を舌でチロチロと刺激しながらこちらを見上げる意地悪い視線と目が合った。

「も……嫌っ……あっ…」
「……気持ちよくないの?」

 こんなに甘い声を出させておいて、わざわざそんなことを聞いてくるなんてイジワルだ。
 スッと視線を逸らして斜め上に目をやった。

「フッ……いいよ。言わなくたって身体で分かるからな。ココがもうこんなにしこってピンと勃ってる」

 乳輪ごと唇で覆うと、勃ち上がった先を舌でレロレロと転がして、チュウッとキツく吸い上げる。
 同時に右手で胸を鷲掴んで、2本指で突起を挟んだまま激しく捏ね回されると、まだ触れられてもいないのに下半身がゾクゾクして濡れてくるのが分かった。

 太腿を寄せてモジモジさせていると、それに目ざとく気付いた天馬がニッと口角を上げる。
 右手をスルリと滑らせて、ショーツのクロッチの上からスッと割れ目を撫で上げ、そのままその上の蕾をグニッと押し潰す。

「あっ……あん……ふ…っ……」
「ショーツまで滲みてるな……いやらしい」

顔を耳元に寄せてそっと囁かれると、耳までボッと熱くなる。

 そのまま割れ目に沿って数回擦り上げたあとで、天馬の中指がクロッチ部分を脇に寄せて内側の柔肌に直接触れて来た。
 花弁をかき分けて指の腹を縦にヌルヌルと滑らせると、奥から更なる愛液が溢れ出す。
 それをたっぷり指に纏ってから蕾の表面をクルクルと撫でた。

「あっ!……あっ…ああ……っ!」
「……ここ……気持ちいい?」

 舌で耳の穴をレロリと舐めながら甘い声音で囁かれ、上と下から同時に与えられる刺激でゾクゾクする。
 それだけですぐにでも達してしまいそう。

「ん……ああっ、いいっ!気持ちいい!」

 身体の奥からさざなみのように快感がり上がって来る。
 天馬の指で撫でられながら剥き出しになった花芯がピクピクと震え出す。

「あっ……もう……っ!」

 だけどその瞬間を迎える直前で、天馬の動きがピタリと止まった。

ーーえっ?

 楓花が閉じていた瞼を開くと、さっきまで耳許で囁いていた顔が目の前にあり、ジッと楓花を見つめていた。
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