【R-18】キスからはじまるエトセトラ【完結】

田沢みん

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91、ゼロ距離の2人 side天馬 *

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 タワー式駐車場に車を入れ、サブエントランスからエレベーターホールに来た途端にキスをした。
 ポンという軽い音と共にエレベーターのドアが開く。
 一旦顔を離したけれど、中に誰も乗っていないのを確認すると、14階のボタンを押してすぐに口づけを再開した。

 頭の中はずっと沸騰したままだ。車の中ですぐに襲いかかりたいくらいだったけれど、さすがに事故は起こしたくないので我慢した。
 代わりに車内ではお互いの指を絡め合い、絡めた指先で指の腹を撫で、指の股を擦り合っていた。そうすると指先からジワジワと腕を伝って全身へと痺れが広がっていく。すでに愛撫が始まっていた。

 信号で停まるたびにキスをした。
 隣に停まっていた車の運転手と目が合って、小太りの中年オヤジが先に目を逸らした。けれど、そんなのはどうでもいい。いくらだって見せてやる。


 部屋に入ってすぐに、手にしていたカードキーを放り投げてジャケットを脱ぎ捨てる。

 楓花を壁に押し付けると、すぐに舌を差し入れて濃厚なキスを交わす。楓花も首に手を巻きつけて、舌を絡めて来た。
 荒い息遣いとペチャッと唾液の混ざる音が玄関に響く。

「ふ……はぁ……っ…」
「あぁ……楓花……」

 楓花のライムグリーンのVネックニットの裾から天馬の手が滑り込むと、パチンとブラのホックを外し、まろび出た柔らかい膨らみを大きな手で包み込んだ。ゆっくりと押し上げ揉みしだくと、楓花の顎が上がり、甘い声が漏れ出す。

「あっ……あん…っ…」

 天馬はセーターをたくし上げ、胸の突起を一舐めしたけれど、焦れったくなって、セーターとブラをまとめて脱がせると廊下に投げ捨てた。
 突起の周囲をレロッと念入りに舐め、最後に先端のピンクを唇でチュッと吸い上げる。

「ああ…ん……あっ!……」

 刺激を与えられたソコは、すぐに芯ができてピンと勃ち始める。そこを舌で転がし、また吸った。

 舌と唇で胸に愛撫を加えたまま、右手でジーンズのファスナーを下ろし、ショーツに手を忍び込ませる。
 柔らかい茂みの下は既に潤っていて、割れ目を指でなぞったら、ヌルッと滑ってその上の蕾に触れた。そのままグイッと押してグリグリと捏ねたら、楓花が仰け反って震え出す。

「ああっ、駄目! そんなに強くしちゃ……すぐにイっちゃう!」

 鼻にかかった声に、天馬の腰がビクッと跳ねた。

 「くそっ、そんな声を出されたら……もっと興奮するだろっ!」

 楓花の足元に膝をつき、ジーンズとショーツを一気に引き摺り下ろす。

「脚を開いて……もっと、もっとだ」

 全裸になった楓花に大きく脚を開かせると、その中心を両手で開き顔を寄せていく。
 チュッと先端の蕾にキスをすると、「あっ!」という声が上から聞こえて、蜜壺がキュッと締まるのが見えた。

「えっろ……」

 蜜壺に肉厚の舌を射し入れグリグリ刺激すると、奥から蜜が溢れて来た。それをジュルッと啜り、もう一度割れ目に舌を這わせる。てっぺんの蕾をレロレロと舐めたら、甘くて美味しくて止まらなくなった。

「ああっ。駄目っ! イっちゃうから!」

 調子に乗ってそのままペロペロと舐め続けていたら、楓花が頭を押さえつけて来て、腰をブルッと震わせた。

「ああーーーっ、イヤっ!」

 壁に背をつけたままズルズルと床に座り込んだ楓花をそのまま床に倒すと、天馬は両脚を跨いで膝立ちになり、スラックスのベルトをカチャカチャと外す。

「ごめん……もう我慢出来ない」

 挿れるのは十分潤してからだと耐えていたけれど、流石にもういいだろう。それに我慢の限界だ。

 楓花の腰を抱え上げて硬くなったモノを挿し入れたら、最初こそ軽い抵抗を感じたものの、腰を進めたらヌルッと奥まで入り込んでいった。

「あ!……っ……ん……」

 楓花が身体を仰け反らせると胸がプルンと揺れて、更に扇情的になった。中のモノがグンと大きくなる。

「ああっ!凄い!」

顎を上げた時に後頭部がゴンと床に当たったのに気付き、天馬は慌てて自分のジャケットを掴み、楓花の後頭部に敷いてやった。

「ごめんな、こんな場所で……だけど、もう、止まれないから……っ!」

 ギリギリまで引き抜いてから最奥までズンッと突き上げると、更に大きな声が上がった。
 プルンと揺れる胸も、仰け反る白い喉も、天馬にとっては興奮に油を注ぐだけだ。
 
 腰を動かすスピードを一気にマックスまで持っていき、目に入る汗を拭うこともせず、ひたすら激しい抽送を繰り返す。

「ああ、ああっ、イヤッ!またイっちゃう!」
「いいよ……俺も……もう……イくっ!」

 先端に溜まった熱が一気に弾けると、直後に腰がビクビクと震え、甘い痺れが全身を覆った。
 楓花の肉壁がビクンと震えて締め付けるたびに、中の天馬自身もビュルッと精を吐き出す。

 激しい疲労感と満足感と共に身体を倒し、楓花を抱き締めると、お互いの汗と吐息が一つになって、身体がピッタリとくっついた。

「最高……めちゃくちゃ気持ちいい」
「……うん…私も……」


「好き、天にい……」

ーーおいおい、また天にいに戻ってるぞ。

 そう思ったけれど、ギュッとしがみついてくる楓花があまりにも可愛くて愛しかったから、そんな事はどうでも良くなった。

ーーうん、俺たちは今、心も身体もゼロ距離だ。

 天馬はもう一度楓花をキツく抱き締めると、啄むようなキスを落とした。
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