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75、名前を呼んで (1) *

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 途切れていた意識がフッ……と繋がって、重い瞼をゆっくり開けた。

 目の前には広々とした部屋とアンティーク調の小さな丸テーブルにソファー。
 その後ろにある大きな窓からは、遠くのビルディングや青空が見える。

ーーん?……ここって……。

 見慣れぬ場所に違和感を覚えたけれど、すぐに昨夜の行為と目の前の景色が結びつく。

「あっ……」

ーーそうか、昨日はこのエグゼクティブスイートに泊まって、誕生日と同時に天にいと結ばれて……。

 窓の外の明るい景色と部屋に差し込む光の強さから、今が既に朝なのだと判断する。
 漸く現状を理解して、窓の方を向いていた身体を振り向かせようとしたところで、後ろからがっちりホールドされている事に気付いた。

「おはよう……目が覚めた?」

 髪の上から後頭部にキスが降って来て、至近距離からくぐもった声が聞こえてくる。

「あっ、天にい……」

 もう一度振り向こうとしたところで第2の違和感。

「……えっ?!」
「動かないで……抜けちゃうから」
「ええっ?!」

 身動きしようとしたら、抱き締める腕にギュッと力がこもって、膝に片脚が絡められた。
 仕方なくそのままの姿勢で背後の天馬に話しかける。

「ごめんなさい。私ったらまた途中で自分だけ……」

 昨夜は天馬のモノで激しく突かれて、今までの行為とは比べものにならない程の快感に襲われた。
 見知らぬ大きな波に飲み込まれるような感覚におののいて、夢中で天馬にしがみついて絶頂を迎え、意識を失ったのだ。

 そして、まだ天馬のモノが入っているということは、昨夜からそのまま……?

「天にい……私が意識を失ったあともずっとそのままで?」

「ん……楓花が寝ちゃったから仕方なく一旦引き抜いたんだけどさ……楓花のナカの暖かさと気持ち良さが恋しくなって……つい挿れちゃったよ」

ーーつっ……ついって!挿れちゃったって!

「もう、天にいったら何やってるの?!」
「ごめんな……でも、挿れただけで動いてないし、中で出してもいないから」

 それはそれで辛そうな気もするんだけど……。

「一晩ジッとしてるのって、逆に辛かったんじゃない?」

「ん……ごめん、軽く嘘ついたわ。ちょっとだけ中で揺らして気持ちよくなってた。でも突いてないし果ててもいないからな」

「そんな微妙な嘘ついたってしょうがないのに」
「ハハッ……そうだな……それでさ…」

 耳元に唇が寄せられて、
「昨日の続きがしたいんだけど……中で動かしてもいい?」

 とてつもなく甘ったるい声音で囁かれて、身体の芯がジワッと疼いた。
 同時に天馬のモノがむくむくと大きくなる。

「うわっ……楓花の中が締め付けてきた。ヤバいって!……は…っ…」
「えっ?!だって、どうしたらいいのか……」

「あっ……くっそ…いきなり気持ち良すぎる。お前こんな技っ…何処で覚えてきたんだよ…」

 天馬の息遣いが荒くなり、耳元でフッ……ハッ……と声が漏れる。
 それを聞くだけで感じてきて、奥の方からトロトロと愛液が溢れてくる。

 前に回されていた天馬の手がそろりと動き、胸を掴んで捏ね始める。同時に腰が押し付けられてゆるりと動き出す。
 粘膜の触れたところからクチュッ……と水っぽい音がした。

「凄いな……一晩でもう俺のを簡単に受け入れるようになった。もっと欲しいって、中がうねって絡みついてくる」

 グリグリと腰を押し付けられ、中を掻き回されて、早くもゾクゾクと快感のさざ波が起き始めている。

「んっ……は…っ…」
「楓花……気持ちいいの?」

 胸の先端をコリコリと弄りながら耳朶を甘噛みされて、「あんっ!」と甘ったるい声が出た。

「昨日まで処女だったくせに、もうこんなにグチョグチョになって感じて……いやらしいな」
「嫌だ……そんなこと…っ…言わないで……」

「嫌じゃないだろ? お前自分で気付いてんの? さっきから腰が揺れてるんだぜ」
「……えっ?」

 言われて初めて気が付いた。天馬の腰の動きに合わせて自分もお尻を突き出しゆらゆらと振っている。
 より多くの快感を得ようと、身体が無意識のうちに反応しているのだ。

「嫌っ!……もうやだ恥ずかしい!」

 両手で顔を覆って俯くと、バッと布団を捲られ、繋がったままうつ伏せにされた。

「楓花、腰を上げて」
「えっ、何?!」

 グイッと腰を起こされ、猫が伸びをするようにお尻を突き出した格好になる。

「何?やだっ、天にい!」

「楓花、恥ずかしくないし嫌じゃない。言っただろ? 2人で楽しんで気持ち良くなるんだ。今度は一緒に気持ち良くなって一緒にイこう。

 膝立ちで楓花の腰を抱えた天馬が、ズン!と腰を打ち付けた。
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